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☆=☆☆☆☆☆
◎=☆☆☆☆
◇=☆☆☆
△=☆☆
▽=☆

フレンチ・コネクション2

2012年10月31日 17時37分27秒 | 洋画1971~1980年

 ◇フレンチ・コネクション2(1975年 アメリカ 119分)

 原題 French Connection II

 監督 ジョン・フランケンハイマー

 出演 ジーン・ハックマン、フェルナンド・レイ、キャスリーン・ネスビット

 

 ◇銃撃は二発

 ぼくはこの作品に関しては不運だったのかもしれない。

 というのも、こちらの『2』から観たからだ。なんでかっていうと、1はテレビで初めて観たんだけど、2は封切りを観ちゃったんだよね。当時、ぼくはそういう順序にあんまりこだわりを持ってなくて、ていうよりぼくの田舎の2番館では封切りの作品すべてが上映されるわけじゃなくて、そこの館主が上映したいとおもうものを観るよりほかになかったからだ。それも3本立てだから、こちらの趣味とかこだわりとかまるで関係なかった。だからこの『2』もそうした中の1本だった。

 で、まあとにかく、ジーン・ハックマンが、麻薬を打たれて苦しんでるところと、桟橋から桟橋へと走りに走ってボートで逃げてゆくコネクションの親玉フェルナンド・レイめがけて最後の銃撃をするっていうところくらいしか覚えていなかった。ていうよりマルセイユへやってくる冒頭をのぞけば、あとはとにかく歯を食いしばったジーン・ハックマンしかないような筋立てだった。ぼくにとってはだけどさ。

 でも、ジョン・フランケンハイマー、この頃がいちばん脂がのってたんじゃないかしら。

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フレンチ・コネクション

2012年10月30日 19時34分37秒 | 洋画1971~1980年

 ◎フレンチ・コネクション(1971年 アメリカ 104分)

 原題 The French Connection

 監督 ウィリアム・フリードキン

 出演 ジーン・ハックマン、ロイ・シャイダー、フェルナンド・レイ、トニー・ロビアンコ

 

 ◎1961年、ニューヨーク

 ニューヨーク市警察本部薬物対策課に所属するエドワード・イーガン、サルヴァトーレ・グロッソのコンビが、トルコからフランスを経由してアメリカへ密輸出されていたヘロインを約40kgを押収した。そのときの密輸ルートがフレンチ・コネクションで、この事件がモデルになってる。だから、上記の刑事ふたりは作品中、カメオ出演してる。

 けど、作品の情報はさておき、登場人物たちはほんとによく走る。若いってのもあるけど、人間だけじゃなく列車も自動車も走りまくってる。こういうスピード感っていうより躍動感が満載の映画は、年を取るにつれて観るのが苦しくなってきた。心臓がどきどきしちゃうからだ。

 ま、それもさておき、佳境、前からのわだかまりのために仲間割れしかけていた同僚を誤射してしまうんだけれども、これはちょいとまずいんじゃないか。それどころか、罪にはならないのかねといいたくなるほどとんでもない奴がポパイなんだよっていう作品なんだろうね。むつかしいところだけど、欧米ではこのキャラクターは大受けで、いやまあ各賞総なめよ。でも、ぼくはどうにもその性格について拘りが強くて、列車と車の追撃とかのもの凄いリアリズムに興奮したにしてはちょっと後味が悪いかも。

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王朝の陰謀 判事ディーと人体発火怪奇事件

2012年10月27日 17時47分13秒 | 洋画2010年

 ◎王朝の陰謀 判事ディーと人体発火怪奇事件(2010年 中国、香港 122分)

 原題 狄仁傑之通天帝國

 英題 Detective Dee and the Mystery of the Phantom Flame

 監督 ツイ・ハーク

 出演 アンディ・ラウ、リー・ビンビン、カリーナ・ラウ、ダン・チャオ、レオン・カーフェイ

 

 ◎ディー・レンチェ(狄仁傑)は実在した

 則天武后の即位に合わせた完成間近の通天仏から始まれば、もうそれだけでラストは嫌ってくらい察せられる。それどころか、真犯人もその予定調和を裏切らない。けど、そんなことは些細な問題だ。なぜなら、火炎虫、化身術、神鹿、降龍杖、溶鉱炉、亡者の市とわくわくするような設定がきわめてよく練られているからだ。

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捜査官X

2012年10月26日 22時07分00秒 | 洋画2011年

 ◎捜査官X(2011年 香港、中国 115分)

 原題 武侠

 英題 Dragon

 監督 ピーター・チャン

 出演 ドニー・イェン、金城武、タン・ウェイ、ジミー・ウォング、クララ・ウェイ

 

 ◎1917年初夏、中国雲南省

 針のくだりがえんえんと続くのが佳境の戦いの伏線になるなんて、なんてまあハリウッド的な展開だろう。

 七十二地刹の正体が明かされてからの物語の極端な膨張は、ちょっとばかり違和感があるものの、金城武は実に好演で、ドニー・イェンと堂々たる対峙ぶりだったような気がするわ。それと、この作品の掘り出し物のようなおもしろさは、スタントコーディネーターの谷垣健治や、スタントをこなした大内貴仁、佐久間一禎、稲留正樹らによるところが大きいんだろうな~っておもうわ。

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劇場版 SPEC~天~

2012年10月24日 00時46分26秒 | 邦画2012年

 ◇劇場版 SPEC〜天〜(2012年 日本 119分)

 監督 堤義彦

 出演 戸田恵梨香、加瀬亮、竜雷太、神木隆之介、栗山千明、伊藤淳史、福田沙紀、浅野ゆう子、椎名桔平

 

 ◇猿の惑星かい!?

 小出しのギャグが何だか滑り気味に感じたのは錯覚だろうか?

 それはともかく登場人物たちの結末が曖昧なままなのはやはりケツがあるからなんだろうな。ただおもうのは、ファティマ第3の予言が今の観客たちの雑学の常識であるならそのおかしみは増すんだろうけど、はたしてどこまで通じているのかわからないんだけど、これについてもまあどうでもいいのかもしれないし、そもそもわざわざファティマについて考える必要なんていことなんだろうね、たぶん。

 山梨県の根津記念館には行ってみたいが。

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アイアン・スカイ

2012年10月10日 12時38分29秒 | 洋画2012年

 ◇アイアン・スカイ(2012年 フィンランド、ドイツ、オーストラリア 94分)

 原題 Iron Sky

 監督 ティモ・ヴオレンソラ

 出演 ユリア・ディーツェ、ゲッツ・オットー、ウド・キア

 

 ◇月面のナチス

 もうこれは世界中のどこでも聞かされる都市伝説で、月の裏側にナチ基地があって円盤がその偵察機というやつだ。もうぼくが幼い頃からこの噂はあって、でもそんなことを真に受ける地球人はいないから、わざわざそれを映画化しようなんてことはありえないとおもってたんだけど、物の見事にその伝説を投入してる。

 まあ、わからないでもないんだけど、どうせだったらもっとお金をかけてど派手なスペースオペラにでもしちゃえばよかったっておもうんだけど、まあ、クラウドファンディングで集まったお金が一億円だったっていうんだから、コメディにするしかなくなってしまったのはわからないでもない。

 でも、ナチスってやっぱり過去の存在なのかな?

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夏の妹

2012年10月04日 12時29分12秒 | 邦画1971~1980年

 ◎夏の妹(1972年 日本 96分)

 監督・脚本 大島渚

 出演 栗田ひろみ、石橋正次、りりィ、小山明子、殿山泰司、佐藤慶、小松方正、戸浦六宏

 

 ◎昭和47年(1972)5月15日、沖縄返還

 その昔、小松方正は学生運動で投獄された佐藤慶の好きだった小山明子を犯し、それを知った佐藤慶は出獄後にその好きだった小山明子をまた犯し、今はあれこれあって沖縄で近くに暮らし、三人で酒を酌み交わすという異常さ。また、戦時中の沖縄でいろいろな不条理を目撃した殿山泰司は誰かに殺されたいと希望し、いろいろな不条理を体験したことで憎悪の塊と化している照屋林徳こと戸浦六宏は誰かを殺したいと渇望している者同士が釣り船で沖へ出て殺されたい側を殺したい側を海へ突き落とすことになる不条理さ。父親つまり小松方正の後妻になろうとしているピアノ教師りりィを、娘つまり栗田ひろみの生き別れになって沖縄に暮らしている小山明子の息子石橋正次がやはり犯すという近親相姦にもにた相関図。

 いやまあ、アイドル映画とはおもえないめちゃくちゃさ。

 くわえて、殺されに来たんだという殿山泰司は「そうか、沖縄だから女の子ひとりじゃな」と納得する状況の沖縄。え?そんなに当時の沖縄って危険だったのか。てか、おい、麦酒呑んでるけど栗田ひろみ何歳だよ。昼間っから生ビールだけじゃなくて缶ビールまで呑むかい?そんなことより、ゴザの女性の25人に1人が売春していたという話とかしていいわけ?という作品世界。

 そんなくそったれな世界がまぶしい光にあふれた沖縄に展開するんだけど、目のやり場に困って仕方のない超ミニの栗田ひろみの健康的すぎる腿と、舌っ足らずなことこの上ない台詞まわしと、あまりにも素人じみてて無邪気で頭の悪そうな表情の作り方が最後まで気になるものの、当時ぼくたちの憧れの青春スターだった石橋正次のいかにも当時を匂わせるワルぶった可愛いワルに救われる気分だ。

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エイリアン

2012年10月03日 18時38分49秒 | 洋画1971~1980年

 ☆エイリアン(1979年 イギリス、アメリカ 117分)

 原題 Alien

 監督 リドリー・スコット

 出演 トム・スケリット、ヴェロニカ・カートライト、ハリー・ディーン・スタントン、ジョン・ハート

 

 ☆西暦2122年、宇宙貨物船ノストロモ号

 いまさらこの作品についてはなんにも書くことがないんだけど、シガニー・ウィーバーのタイトルは2番手だったんだね。ほんとをいうと、もう少し後かとおもってた。だって主人公って感じでもなかったし、だったら誰が主人公なんだっていえば、ハンス・ルドルフ・ギーガーのデザインしたエイリアン以外の何物でもないんだもん。

 それはともかく、ウォルター・ヒルがプロデューサーだったってのは知らなかった。凄いな。当時、どんな感じでこの映画の製作が決まったんだろうね。リドリー・スコットっていう名前を知ったのはこの映画だったっておもうんだけど、ぼくの中で燦然と輝くようになったのはたぶんこの後『ブレード・ランナー』を観てからだったような気がする。

 けど、実際のところ、リドリー・スコットはこのシリーズをどうしたかったんだろう?

 たしかに、なんとかぎりぎり『プロメテウス』はリンクできてるものの、やっぱり過去へ遡るしか物語に参加することができなくなってるんだろうか。それとも、過去へ遡ることのできるのは、リドリー・スコットにしかできないことだからなんだろうか?このまま過去への旅を続けて、次回作も過去へ遡るんだろうか?

 にしても惑星の様子を比較するとちょいと違うような気もするけどね。

 (以下、2022年7月7日)

 ところで、女子乗組員ヴェロニカ・カートライトを殺す最後のカットは凄いな。触手に見えるけど、陰茎なんだね。ズボンの上から挿入しちゃうんだあ。種を植える本能は凄いね。基本、エイリアンは女は殺さない。生殖しなければあかんからやね…とはいえないか、寄生するわけだからなあ。

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プロメテウス

2012年10月01日 18時51分19秒 | 洋画2012年

 ◇プロメテウス(2012年 アメリカ、イギリス 123分)

 原題 Prometheus

 監督 リドリー・スコット

 出演 ノオミ・ラパス、シャーリーズ・セロン、マイケル・ファスベンダー、ガイ・ピアース

 

 ◇西暦2089年12月21日、宇宙探査船プロメテウス号、LV-223へ

 いったい誰の招待だったんだ!?

 エイリアンを見なくちゃいけないとあらためておもわせてくれる辻褄合わせの前日譚のような印象を受けたのは僕だけだったんだろうか?

 まあ、当初から人類の起源ではなくエイリアンの中興についての物語なんじゃないかっていう予想はなんとなくついてはいたんだけど、ただ、古代人類とのリンクがいまひとつ不十分な気がしてならないんだよね。

 それどころか、これ、前作ならぬ続いていくはずの『エイリアン』とは惑星が違うようだ。今回の惑星は、レクチル座ゼータ第2星系のLV-223なんだけど、シリーズ第一作の『エイリアン』はLV-426。これ、いったいどういう謎かけなんだろう?

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