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☆=☆☆☆☆☆
◎=☆☆☆☆
◇=☆☆☆
△=☆☆
▽=☆

破戒(1962)

2008年04月30日 23時48分40秒 | 邦画1961~1970年

 ◎破戒(1962年 日本 119分)

 監督/市川崑 音楽/芥川也寸志

 出演/市川雷蔵 藤村志保 三國連太郎 長門裕之 中村鴈治郎 岸田今日子 杉村春子 加藤嘉

 

 ◎追悼市川崑その6

 撮影と編集は素晴らしく、脚色も役者も見事。

 でも、芥川也寸志の八つ墓村の主題は、本作が最初なんだろか?

 黒い十人の女でも使用してるんだけど、主題の使い回しなのかな?

 伊福部昭が『始皇帝』で『ラドン』の主題を使用しているのと同じで、当時の邦画界の音楽に対する考え方が垣間見えてくるようで、あんまりしっくりこない。

 それがなかったら、もはやいうことなしの名画になったんじゃないかって気がするんだけどな~。

 ちなみに、藤村志保はこの映画でデビューした。芸名は、島崎藤村の藤村と、役のお志保による。

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花田少年史 幽霊と秘密のトンネル

2008年04月29日 10時33分31秒 | 邦画2006年

 ◇花田少年史 幽霊と秘密のトンネル(2006年 日本 123分)

 監督/水田伸生 音楽/岩代太郎

 出演/須賀健太 安藤希 篠原涼子 西村雅彦 北村一輝 杉本哲太 もたいまさこ 濱田マリ

 

 ◇一色まこと『花田少年史』

 トンネルに幽霊はつきもの?

 黒澤明の『夢』でもあったし、たいがい都市伝説をひっぱりだすと、トンネルは出てくる。まあ、実際、霊界とをつなぐのが隧道ってのはなんとなくわからないでもない。神話の時代から地の国との往来には地下道が不可欠だし、小野篁だって井戸を通っていったんだもんね。

 ま、そんなことはさておき、安藤希がいいわ~。あとの役者は、おしなべて手堅く固めた感じがするよ。

 物語の展開は、少し湿り気を帯び過ぎた感があるのと、現実離れした世界なのにリアルさをひきずっている不安定さが、なんだか気になっちゃったかな~。

 あと、これはぼくの感覚だからどうしようもないんだけど、生理的に、厠は画面で見たくないなぁ。

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江戸城大乱

2008年04月27日 10時45分18秒 | 邦画1991~2000年

 ◇江戸城大乱(1991年 日本 114分)

 監督/舛田利雄 音楽/池辺晋一郎

 出演/松方弘樹 十朱幸代 三浦友和 池上季実子 加藤武 神山繁 丹波哲郎 江原真二郎 平泉成

 

 ◇一千万両で将軍位を買いたい

 たしかに、台詞回しは、さすが高田宏治だ。

 でも『将軍家光の乱心 激突』もそうなんだけど、どうして、一連の時代劇は将軍の血筋に他人を入れたがるんだろう?

 主役の心情がいまひとつ理解できず、魅力的でないまま推移するのはちょっと痛い。

 それと、脇役の出し入れが目まぐるしくて、映画全体に落ち着きがなくなってる感じがして、そのあたり、ちょっと辛いかもしれない。

 というより、なんとも不思議なのは、この題名とポスターでは中身がまるでわからなくて、まあそれは『将軍家光の乱心 激突』も似たようなことがいえるんだけど、なんだか、観る側としては、おいてきぼりを食らったような気がしないでもない。

 とはいえ、蚊帳の外のぼくが宣伝についてとやかくいうのもおかしな話か。

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将軍家光の乱心 激突

2008年04月25日 21時58分24秒 | 邦画1981~1990年

 △将軍家光の乱心 激突(1989年 日本 111分)

 監督/降旗康男 音楽/佐藤勝

 出演/緒形拳 加納みゆき 二宮さよ子 長門裕之 丹波哲郎 京本政樹 松方弘樹 千葉真一

 

 △命がけだからおもしれぇ

 馬がかわいそうやんか~とおもった。

 隠し砦は湯殿なんだろか?

 音楽を蔑ろにしてる印象が強いかな~と。

 織田くんは、この頃はまだ端役なんだね。

 でも、なんで、酔拳を使う中国人が家光の時代に雇われてるんだろ?

 そんな素朴な疑問なんてどうでもいいのかもしれないんだけど、まあ、なんていうか、役者はみんながみんなちからが入りすぎな気がしないでもない。まあ、時代を超越したプログラム・ピクチャーとおもえばそれでいいんだろうけど、なんだかなあ。

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アンフェア the movie

2008年04月17日 12時41分01秒 | 邦画2006年

 ◇アンフェア the movie(2006年 日本 112分)

 監督/小林義則 音楽/住友紀人

 出演/篠原涼子 椎名桔平 成宮寛貴 阿部サダヲ 濱田マリ 加藤雅也 大杉漣 寺島進 江口洋介

 

 ◇秦建日子『推理小説』

 どうもこの頃の邦画はテレビ局の主導みたいな観がありありで、いったいどうなっちゃってんだよ~ていいたくなっちゃうんだけど、たいがい、連続ドラマの方がおもしろい。

 でもって、そのドラマの世界を愉しんでいたのに、なんか図体ばかりが大きくなって、多くの場合、どの映画もゲストで登場する顔ぶれはおんなじかそれに近い。

 このキャスティングもなんだかな~とはおもうんだけど、なんにしても、映画だからか、肩に力が入リ過ぎな気がするんだよね。

 身近な人間の裏切りもさすがに飽きてくるけど、ただ、

「人は人を何処まで信じられるか」

 というTV以来の底を流れる主題は、なんとか見て取れた。

 それにしても、この頃の邦画は「占拠物」が多すぎじゃないかな?

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容疑者 室井慎次

2008年04月08日 14時08分36秒 | 邦画2005年

 ◇容疑者 室井慎次(2005年 日本 117分)

 監督/本広克行 音楽/松本晃彦

 出演/柳葉敏郎 田中麗奈 哀川翔 八嶋智人 吹越満 佐野史郎 田中圭 柄本明 大杉漣 真矢みき

 

 ◇THE ODORU LEGEND CONTINUES

 小宇宙の愉しみとして、スピンオフは愉しまないといけない。

 ただ、日本人にありがちな他者を排除して知人と温泉に浸かる的発想としてはありえるんだろうけど、一般公開するには室井讃歌は小恥ずかしい気もしないではない。

 これは本路線の青島シリーズにいえることながら、映画を商品として捉える、あるいはファンへの贈り物として捉えるなら、それもまたよしとするべきなのかもしれないんだけど、独立した作品として捉えるとき、なんでここまで室井讃歌たりえるのかっていう疑問が観客に浮かんでしまったら、作り手としては困っちゃわないんだろうか?

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交渉人 真下正義

2008年04月05日 10時21分40秒 | 邦画2005年

 △交渉人 真下正義(2005年 日本 128分)

 監督/本広克行 音楽/松本晃彦

 出演/ユースケ・サンタマリア 寺島進 小泉孝太郎 水野美紀 石井正則 八千草薫 國村隼

 

 △クモE4-600

 題名をパロディとするのかオマージュとするのか、よくわからないんだけど、ぼくだったら、このタイトルはつけにくい。

 さらにいえば、本作から『サブウェイ・パニック』をおもいおこす人は少なくないっておもうんだけど、これってリメイクじゃないんだよね?

 だとしたら、筋立てについてもオマージュ?

 そういうことならタイトルロールに出ててもいいし、誰かがそういう話をしてもいいような気がするんだけど、よくわからん。

 ま、それはさておき、絵作りは良好だったとおもうんだけど、犯人像が最後まで見えず、すべてがプロポーズを間近にした自信過剰で目立ちたがりな印象の主役による自作自演でもおかしくない。

 でもまあ、当シリーズにありがちなオタクによる愉快犯も匂わせる。

 そういうところ、なんとなく中途半端な印象は否めないし、もしかしたらこの作品については続編ありきで製作されたのかな?

 そんなふうにおもえちゃうくらい消化不良な感じはあった。

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踊る大捜査線 THE MOVIE2レインボーブリッジを封鎖せよ!

2008年04月04日 23時17分57秒 | 邦画2003年

 ◇踊る大捜査線 THE MOVIE 2 レインボーブリッジを封鎖せよ!(2003年 日本 138分)

 監督/本広克行 音楽/松本晃彦

 出演/織田裕二 柳葉敏郎 深津絵里 水野美紀 小西真奈美 岡村隆史 真矢みき 甲本雅裕

 

 ◇いかりや長介、最期の出演

 ブリッジが封鎖しているのはほんとはなにか?

 てな暗喩が籠められてると期待したいんだけど、どうなんだろね?

 それと、日本人が閉鎖的かつ排他的な民族だと感じてしまうのは「踊る」の世界を知らない人にはなんのおもしろさも感じてもらえないおそれがあるのに、まったくそんな事を考えないイケイケ上に作品を構築してしまう事かなと、ふとおもってしまった。

 まあ、それだけこの作品はばかあたりしたわけで、その証拠に、ひと昔どころかふた昔前の作品であるにもかかわらず、いまだにレインボーブリッジの話になると、封鎖しろとかできないとかいった冗談が漏れてくる。

 それについては、ほんとに、この作品の波及度は強い。

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踊る大捜査線 THE MOVIE

2008年04月03日 11時43分17秒 | 邦画1991~2000年

 ◇踊る大捜査線 THE MOVIE(1998年 日本 119分)

 監督/本広克行 音楽/松本晃彦

 出演/織田裕二 柳葉敏郎 深津絵里 水野美紀 北村総一朗 筧利夫 小泉今日子 いかりや長介

 

 ◇湾岸所史上最悪の三日間

 ある種のエポックメイキングではあるとおもうんだよね。テレビから映画になり、さらにスピンオフが作られていくっていう形態は、おそらく、これまでの邦画界にはなかったんだから。

 もちろん『スケバン刑事』がその走りにはなるんだけど、さすがにスピンオフまでは作られなかった。

 それだけ邦画各社のちからが衰えてしまった証なんだろっていわれるのは、ちょっと辛いものがあるし、あんまり認めたくはないんだけどさ。

 充分に才能は開花していながらも、一般的にそれが認められるにはどうしても運の巡り合わせが必要になるもので、また運に恵まれるだけでなく、起爆剤がないと、せっかくの才覚が埋もれてしまうものだ。

 本作はそういう意味において、恰好の作品になったような気がするんだよね。

 

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UDON

2008年04月02日 11時09分12秒 | 邦画2006年

 △UDON(2006年 日本 134分)

 監督/本広克行 音楽/渡辺俊幸

 出演/ユースケ・サンタマリア 小西真奈美 トータス松本 要潤 小日向文世 鈴木京香 江守徹

 

 △うどん県物語

 香川県は自治体が下水道を作れないため、茹で汁を河川に流す製麺所に浄化槽の設置を強く要請するとかいう、さぬきうどんが危急存亡の事態に追い込まれたとかいうニュースがあった。

 となったら饂飩文化を守る良い方法を考えなくちゃならないし、まあ、香川県も「うどん県」を名乗ったわけだし、もう、決着はついてるんだろね。

 方言なき地方映画ってのが、どうもよくわからない。

 現代の御伽話と考えればいいんだろうけど、後半に向かうにつれ、ちょっとずつ視点がずれていっちゃってるような気がするし、いたずらにうどんがエンターテイメント化されてて、どうもしっくりこなかった気がしないでもない。

 もうすこし饂飩文化に正面からぶちあたった方が、ぼくとしては好みなんだけど、ま、そんなことはどうでもいいか。

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