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タイムマシン

2024年10月28日 16時28分42秒 | 洋画2002年

 ◇タイムマシン(The Time Machine) 

 

 最初にガイ・ピアースの許嫁が殺されたときに数日さかのぼって殺されるのを阻止しようとしたのに馬車転倒の事故に巻き込まれて死ぬ。運命には逆らえないのかっていう、別な主題になりそうで危ぶんだんだけど、なんだかいきなり未来に飛ぶ。時間跳躍の引き金になってるのか?てゆーか、許嫁のくだりを描いた分は余計なんじゃないか?にしても、近未来で登場する自転車ウェアのお姉さんの方が綺麗だ。2037年に月面爆発して地球が大変な危機になるのはいいけど、もうすぐ2037年来ちゃうぞ。せめて2237年とかにしといた方がよかったんじゃないか?

 で、ようやく80万年後の世界。空には壊れたままの月。崖っぷちに竹の住居を営むエロイ族。英語は石の言葉。教師の女は言葉を理解できると。何族だと訊かれればニューヨーカーだと。なるほど。

 それにしても8億年後のモーロックに支配された世界を見てしまったことで、未来を変えるとかいって、時間跳躍装置に梃子をぶちこんでその反陽子爆弾級の破壊力でモーロックを根絶やしにするんだけど、そんなに危険な代物だったのか、タイムマシンは。

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タイム・マシン 80万年後の世界

2024年10月27日 19時57分21秒 | 洋画1951~1960年

 ◎タイム・マシン 80万年後の世界(The Time Machine)1960年

 

 原作よりもわかりやすい。特撮も当時としてはかなりがんばってる。アカデミー視覚効果賞。そうだろうなあ。

 そんなことより、なるほど、イーロイ人とモーロック人が地上と地底に棲み分けられた原因が、1966年から始められた東西大戦の原爆のせいだっていうのは、ウェルズの時代には考えつかなかった構図で、物語として納得できる。また、それを説明するのが、リングをくるくるっと回せば声になるってのはすげえ感心した。ジョージ・パルはほんとにウェルズの愛読者だったんだね。つぎつぎに作品を映画化してる。ロッド・テイラーはなんともイギリスのタフガイで、学者って感じじゃないけど、まあいいとしよう。ウィーナを演じたイベット・ミミューは、そうか、この一作で人気になったのか。

 しかしまあ、タイムマシンの造形が、なんともアラビアンナイト的で、なるほど、ドラえもんのタイムマシンはこれが元だったのかと納得しちゃったわ。

 つか、藤子・F・不二雄の『ミノタウロスの皿』をおもいだしたんだけど……。

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卑弥呼

2024年10月24日 00時26分02秒 | 邦画1971~1980年

 ◎卑弥呼(1974)

 

 阿蘇に風が吹き上げて、雲を渦巻かせる。好いショットが撮れたもんだ。それにしても予算がとことんなかったのか、粟津潔が舞台のように前衛的なセットにしてる。これはお見事だし、阿蘇山のロケとかはロケセットをほとんど無しにしてる。まあ流木とかでセットめいたものにしてるんだけど、これもこれで見事だ。

 しかしあらかた三國連太郎の独壇場なんだけど、ラストの前方後円墳はどこなんだろう?つぎつぎに古墳が出てくるけど、いやまあ、むざんに開発されまくった前方後円墳まであるんだね。

 ま、なんといっても体当たりで見事なのは岩下志麻の演技なんだけとね。いや、横山リエと、おもいきり端正な草刈正雄の演技も好い。小林芳雄が照明助手、小栗康平が助監督。そういう時代なんだね。

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詩人、愛の告白

2024年10月23日 17時10分11秒 | 洋画2012年

 △詩人、愛の告白(Confession d'un enfant du siècle)

 

 ジョルジュ・サンドとアルフレッド・ド・ミュッセの恋愛劇。雰囲気を味わえば充分。それなりにセットもカメラもいいしね。

 ま、多弁になるけど、それはそれで、ミュッセは詩人だし、言葉の花が咲き乱れて、かたっぱしから散っていくのは、それでいいかなって。

 サンドを演じてるのは、シャルロット・ゲンスブール何だけど、なんだかむかしの面影が先行しちゃうなあ。

 しかし100年前のこの時代はコルセットで脱がすのも脱ぐのもましてや付けるのはひと苦労で、逢引するのも楽じゃなかったろうに。まあ、それはそれとして、サンドは最初とにかくよそよそしい。人の噂の的にされるのが嫌でミュッセとの恋愛をためらってたっていうんだけど、まあ男と女の仲になっちゃうと、コルセットなんかまるでしめないし、階段だろうがベッドの上だろうが、こうもじゃれ合うもんかねって感じになるし、男の無神経なうわつきと女の嫉妬は、ほんと、どれだけ時代が変わってもおんなじだっていってるのかなあ。

 ただまあ、年上だってことを気に病むサンドの痛々しさはつらいなあ。

 この映画がつまんないのは、サンドもミュッセも仕事をしてないことで、好いた惚れたの一点張りで、恋愛の理屈をこきあうのに終始してるのはさすがに飽きる。もっと創作の苦労を出した方がよかったんじゃないか?

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松本清張のゼロの焦点

2024年10月01日 17時55分43秒 | 邦画1981~1990年

 ◎松本清張のゼロの焦点(1983)

 

 監修・野村芳太郎、脚本・橋本忍、山田洋次とかってあったら、2時間ドラマでも観るしかないじゃん。

 ということで観たんだけど、まさか、1961年版の脚本がほとんどそのまま再利用されて1983年当時のドラマにしてあるとはおもわなんだ。もちろん、役者は総入れ替えされてて星野知子、竹下景子、大谷直子、勝野洋、河原崎長一郎、風見章子…。おお、懐かしい顔ぶれだ。

 で、当時のドラマでは多用されていたかもしれないんだけど、夫の死に顔の確認に向かうところから棺桶を覗き込むまで、鼓動音が徐々に高鳴る。あんがい効果的だわ。

 この能登の赤崎地区は好い感じだねっておもったら、このロケ地も1961年版とおんなじなのね。

 それにしても、ほとんどおなじ脚本ながら、立川のパンパンが横須賀のアメリカ・ガールに変更されてるって、なんだよ、これ。いや、そんなことは仕方ないにしても、殺人を犯すほど知られたくない過去なのかな?でもそうかなあ。たぶんそうなんだろうなあ。てなことをおもいながら観たんだけど、なんというのか、監督やカメラや音楽の差って、こんなにあからさまに見えちゃうものなのかなあ? 

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