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単騎、千里を走る。

2016年04月10日 20時08分06秒 | 邦画2005年

 ◎単騎、千里を走る。(2005年 中国、日本 108分)

 中国語題 千里走単騎

 英題 Riding Alone for Thousands of Miles

 監督 張芸謀、降旗康男

 

 ◎チャン・イーモウのオファー

 高倉健は東映を辞めてから矢継ぎ早に代表的な作品に出演していったけど、そんな健さんの晩年の代表作なんじゃないかっておもうんだよね。ただ、晩年、健さんの映画はどうしても降旗さんの色が濃くって、その匂いが強かったような気がするんだけど、もちろん、それが好いとか悪いとかって話じゃなくて、この作品の場合、たしかに日本の部分の監督は降旗さんだけれども、本編の中国部分はまぎれもなくチャン・イーモウだ。それがなんとも新鮮なんだよね。

 なんていうか、ドキュメンタリーを観てるような錯覚すら受けた。健さんが作中の人物を超えて健さん本人になっちゃったような感じがあって、それって健さんの身の入れ具合が強かったからなのかもしれないんだけど、途中からどうにもだぶった。健さんは決して上手な人とはおもえないところがあるんだけど、ただ健さんの場合、上手下手を超越したところがあるから、こういうドキュメンタリータッチな撮り方だとなんだか不思議な感覚すらおぼえる。

 内容はいたって単純で、雲南の民俗学を研究していた息子中井貴一がいたんだけど、疎遠になってるうちに死んじゃって、その息子を成仏させてあげるのが父親のとしての役目だってことで、健さんは単身、雲南へいって、関羽千里を行くの京劇を撮影してやろうとするものの、肝心の役者が収監されてるっていうとんでもない障碍にぶちあたり、でもやがて刑務所の所長たちまで息子をおもう健さんの心情にほだされ、刑務所の中で披露しかつ撮影するのを認めるっていう人情話だ。でもさ、単純なように見えて、ちゃんとできてるし、このあたり、さすがチャン・イーモウだなっておもったわ。

 ただ、この映画、日本国内で最初に噂されたとき、健さんが関羽になるんだってよ!みたいな感じで広まった。まじか!とおもった。信じられないことに劉備の夫人が小百合さんだってよ!みたいな話まで耳に入ってきた。ほんとか?とさすがにおもったし、正直なところ、やめといたらどうよっておもってた。そんな映画作ったところで誰も観ないぜと。でもそれはまったくのデマで、関羽千里行をやるんじゃなくて、関羽千里行の京劇を追っていく現代劇だってことがまるでわかってなかった。誰がわかってなかったのかは、いまでもよくわからない。

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小さき勇者たち~ガメラ~

2014年08月21日 11時53分27秒 | 邦画2005年

 ◇小さき勇者たち~ガメラ~(2005年 日本 96分)

 英題 Gamera the Brave

 staff 監督/田竜太 脚本/龍居由佳里 特撮演出/金子功

    撮影/鈴木一博、村川聡 美術/林田裕至、春日佳行

    怪獣造形/原口智生 音楽/上野洋子 主題歌/mink『Eternal Love』

 cast 夏帆 津田寛治 寺島進 奥貫薫 石丸謙二郎 田口トモロヲ 正名僕蔵 渡辺哲

 

 ◇特撮とボク、その32

 好いも悪いも、

 いつからガメラはファンタジーになったんだ?

 とでもいいたくなってしまうような中身だった。

 ガメラの系譜からいえば、

 他社の怪獣映画よりも子供っぽさが濃厚な感じはいなめない。

 まあ、これは好き好きなんだろうから、

 原点に回帰したような感じとでもいえばいいんだろうか。

 ともかく、

 人間の味方と安易に決めつけずに、

 子供との絆に重点を絞った方が、

 佳境の子供たちの行動も納得できる気がするんだけどな。

 ただまあ、

 なんでこの映画を作ったんだろう?

 報道されたケヅリガメの撮影についての管理と処理についてもそうで、

 わざわざ作る必要がどれだけあったんだろう?

 っていう素朴な疑問は浮かばないではない。

 初期2作のガメラはとっても好きな怪獣だったんだけど、

 それは頼もしさと同時に、不気味な怖さを秘めていたからで、

 こんなに優しい健気なガメラを独立した作品として作ってしまって、

 はたしてよかったんだろかっていう疑問の方が、

 ついつい先に立っちゃうんだよね。

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ニライカナイからの手紙

2013年11月28日 18時15分26秒 | 邦画2005年

 ◎ニライカナイからの手紙(2005年 日本 113分)

 staff 監督・脚本/熊澤尚人 原作・プロデューサー補/堀込寛之

     撮影/藤井昌之 美術/花谷秀文 音楽/中西長谷雄

     主題歌/永山尚太『太陽ぬ花』作曲:織田哲郎

 cast 蒼井優 平良進 南果歩 金井勇太 かわい瞳 比嘉愛未 中村愛美 前田吟

 

 ◎八重山諸島、竹富島

 題名がすべてを物語っているから、メモを取っておくこともないだろな~、

 とかおもって観たんだけど、途中で「ん?」とおもった。

「あれ?ニライカナイって、黄泉の国のことだよね?」

 話は、ごく単純だ。

 東京へ行ってしまったまま帰ってこない母の南果歩から、

 毎年、娘の蒼井優のもとへ誕生日に手紙が届く。

 母親が家を出ていった理由については20歳の誕生日に送る手紙に書くとある。

 そんなことをいわれても6歳の娘にはよくわからないし、

 長ずるに従い、母親のいなくなった理由を知りたくなるのと同時に、

 母親にも腹が立つし、郵便局長の祖父にも腹が立ってくるようになる。

 すでに他界した父親の遺品のカメラをいじっている内にカメラマンを希望し、

 やがて祖父の反対をおしきって上京するんだけど、

 まあそれは母親がいるにちがいない東京へ行けば、

 もしかしたら母親に会えるかもしれないという漠然とした希望もあった。

 けれど、唯一の手掛かりは消印の捺された渋谷の郵便局だけで、

 そんなところへ行ったところで何もわかるはずはないんだけど、

 実はこの郵便局に秘密があり、

 そこの局長の前田吟はどうやら蒼井優を知っているらしい。

 このあたりで、おおくの観客は「なるほど、そういうことね」と気づくんだけど、

 ニライカナイの意味を知っているぼくらは「ようやくか」とおもってしまうんだ。

 ま、結論からいえば、母親は不治の病で、すでに他界しており、

 郵便局長だった祖父の案で、

 蒼井優が二十歳になるまで毎年、誕生日に手紙が届くように書けといわれ、

 病床の母親は気力をふりしぼって愛情のこもった手紙を書き、

 その手紙を渋谷の郵便局長が投函し、祖父が届けるということにしていた。

 だけでなく、どうやら、島のひとびとはみんながその事実を知ってるようで、

 誰もが蒼井優の成長を見守り、母親はとうに死んでしまったにも拘わらず、

 彼女の中だけでは生き続けているようにしてくれていたらしい。

 こうした事実が語られてきたとき、

「あ、そういうことだったのか」

 と、ようやくわかった。

 自分のあほさと単純さと早とちりさが、身に沁みた。

 ニライカナイについて、もう一度、考え直した。

 そもそもニライカナイは、琉球のはるか東にある異界で、

 神の国でもあるとともに、死者の国でもある。

 ニライは根の国を意味し、カナイは彼方を意味する。

 だから、彼方にある根の国、つまり、東の海の中にある黄泉の国なわけだ。

 要するに、あの世だ。

 でも、ここの神は年の初めにやってきて、年の終わりに帰るんだけど、

 そのとき、琉球に豊饒をもたらしてくれる。

 だから、そこから手紙が届けば、当然、母親は死んだんだな~とおもうし、

 あの世からの手紙ってタイトルはそのままじゃんっておもうんだけど、

 実は、そうじゃない。

「あ、そういうことだったのか」

 とおもったのは、ニライカナイの持っている意味の深さだ。

 ぼくたちのよく知っている昔話では、海の底にあるのは龍宮で、

 それはいいかえれば、理想郷とか楽土とかいった意味を含んでいる。

 単なる死後の世界つまりあの世っていうわけじゃない。

 たしかに母親は死の寸前に手紙を書いたから、

 その手紙が以後14年間にわたって届くとき、母親はすでに死んでいる。

 なるほど、あの世から届けられる手紙に間違いはない。

 でも、この手紙が娘のもとまで届くためには、

 渋谷と西富島の郵便局員たちの協力がなければならない。

 また、島のひとびとのあたたかく見守る心がなければならない。

 たったひとり残された蒼井優の心を守るために、みんなが一致団結した。

 そうした心は、美しい。

 この美しい人々のいる国こそが、理想郷であり楽土であるといえるんじゃないか。

 しかも。

 舞台になってる竹富島には、

 旧暦8月8日に、ユーンカイ(世迎え)という神事がある。

 西海岸のニーラン石の所で、

 ニーランの国から船に五穀豊穣を積んでくるニーランの神を迎える。

 つまり、ニライカナイがきわめて色濃く残された島っていうことになるよね。

「やられたな~」

 と、ぼくはおもった。

 この映画が感動的なのは、

 なにも、死の床についた母親が手紙をしたためるということではなく、

 また、その健気なひたむきさに娘が衝撃を受けるということでもない。

 島のひとびとと郵便局の無垢な愛情をしみじみと感じ取れることだ。

 だから、この作品は好い。

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亡国のイージス

2013年02月17日 02時31分48秒 | 邦画2005年

 △亡国のイージス(2005年 日本ヘラルド映画、松竹 126分

 監督 阪本順治

 出演 真田広之、寺尾聰、原田芳雄、佐藤浩市、中井貴一

 

 △出だしだけ良

 自衛隊の協力による実物を利用した場面だけは見ごたえあるけど、CGも筋立ても辛い。

 某国の破壊工作員にいとも容易く利用されてしまう自衛官ってなんだよありかよっていいたいし、この物語に自衛隊がよく協力したなとちょっとびっくりしたわ。

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四日間の奇蹟

2010年02月07日 12時06分21秒 | 邦画2005年

 ◇四日間の奇蹟(2005年 日本 118分)

 監督/佐々部清 音楽/加羽沢美濃

 出演/吉岡秀隆 石田ゆり子 西田敏行 中越典子 松坂慶子 西村和彦 石橋蓮司 平田満

 

 ◇サヴァン症候群による救済

 ヒロインの人生は何だったのかよくわからないまま、いたずらに感動させようと物語を展開させてる感じを受けて、ちょいとつらかった。

 自分を助けてくれた介護士の魂にサヴァンの子が体を貸して想いを語らせる訳だけど、旦那との愛情がないがしろになってるような気もする。

 ちなみに一般的な疑問、初恋と結婚相手、女性はどっちを選ぶんだろうね?

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いぬのえいが

2010年02月01日 17時47分22秒 | 邦画2005年

 ◇いぬのえいが(2005年 日本 96分)

 監督/黒田昌郎 祢津哲久 黒田秀樹 犬童一心 佐藤信介 永井聡 真田敦

 音楽/S.E.N.S. 塩谷哲 coba

 

 ◇犬に絡んだオムニバス

 犬は短編にし易いのかもしれないね。

 中村獅童がほぼ主役の『ポチは待っていた』が全編を通じたメインになるんだけど、宮崎あおいの『ねえ、マリモ』の方が抒情的な感じかな。伊藤美咲のCMやミュージカルとかはかえって余計な気がしたわ。

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タッチ(2005)

2008年07月16日 16時22分59秒 | 邦画2005年

 ◇タッチ(2005年 日本 116分)

 原作/あだち充 監督/犬童一心

 脚色/山室有紀子 撮影/蔦井孝洋

 美術/小川富美夫 衣装デザイン/新井正人 音楽/松谷卓

 出演/長澤まさみ 風吹ジュン 萩本欽一 安藤希 小日向文世 宅麻伸 福士誠治

 

 ◇期待してなかった分…

 意外に感動しちゃったりするんだ、これが。

 昔だったら、上杉兄弟に全然似てないし、とかって全否定したかもしれないんだけど、いやまあ寛容になったもんだ。

 でも、野球を画にするのは、臨場感の点で面倒なんだよね。

 にもかかわらず、モブシーンは、よく撮れてる。

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県庁の星

2008年06月27日 00時54分28秒 | 邦画2005年

 ◇県庁の星(2005年 日本 131分)

 監督/西谷弘 音楽/松谷卓

 出演/織田裕二 柴咲コウ 紺野まひる 奥貫薫 石坂浩二 佐々木蔵之介 和田聰宏 濱田岳 渡辺哲

 

 ◇原作は桂望実

 町づくりってのは、21世紀初頭の流行りだったんじゃないかと、そんな気がしないでもない。地方がこのままじゃいけないってことにようやく気づき、なんだなんだとあがき、もがきはじめた時代だ。

 そういうことからいえば、時代の風景がそのまま反映してるんだろうけど、でも、可も無く不可も無く、なんか、そう、大画面のテレビを観てるような、そんな気がした。

 県庁での企画立案、派遣先での成長、県庁へ戻ってからの挫折、未来の交際を予感させるラストまで、すべてが予定調和な観のある物語は、平明でいかにも織田君の作品らしいんだけど、破綻がない分、わくわく観に欠けるかもね。

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ローレライ

2008年06月26日 11時05分05秒 | 邦画2005年

 △ローレライ(2005年 日本 128分)

 監督/樋口真嗣 音楽/佐藤直紀

 出演/役所広司 妻夫木聡 柳葉敏郎 香椎由宇 伊武雅刀 國村隼 橋爪功 上川隆也 堤真一

 

 △福井晴敏『終戦のローレライ』

 たぶん、SFファンタジーなのだろうが、全体的に中途半端な印象はぬぐえない。すくなくとも、ぼくはそうおもった。

 発想としては、決して悪くない。戦利潜水艦「伊五〇七」や「ローレライ・システム」にくわえて、超能力をそなえた美少女なんてくれば、かなり、胸はおどる。

 が、活劇かといえばそういうわけでもなく、恋愛劇かといえばそうなってもおらず、さりとて人類愛をうったえるとかいう高邁なものは見られず、音楽はさすがに佐藤直紀だけあってしっかりしてたような気がするんだけど、それにくらべて絵づくりがどうにもこうにもつらかった。

 CGは稚拙なのか予算がないのか、ともかく、いくなんでも、

「もうすこし頑張らないとあかんがね」

 といいたくなるほどのひどさで、悲しいかな、目を覆いたくなった。

 文化庁の支援ってのがどういう理由で得られたのか、これについてもまるで理解できんし、もしも、戦争と美少女を合わせれば作品になるという考えなら、これはあきらかなまちがいだったんじゃないかしらね。

 なんてことを書くと「おまえ、いいすぎだろ」とかいわれそうだけど、でもまじでつらかったわ。

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THE 有頂天ホテル

2008年06月04日 10時19分38秒 | 邦画2005年

 △THE 有頂天ホテル(2005年 日本 136分)

 監督・脚本/三谷幸喜 音楽/本間勇輔

 出演/役所広司 松たか子 佐藤浩市 香取慎吾 唐沢寿明 津川雅彦 西田敏行 オダギリジョー

 

 △大晦日のグランドホテル

 ビリー・ワイルダーは遠い道の彼方にいて、自分をめざしてくる若者たちに手を広げながらも、ゆっくりと後ずさりしていく。まるで逃げ水みたいなもんで、水に映った月をどれだけ追いかけても追いつけない。でも、若者たちはビリー・ワイルダーを目指さずにはいられない。そんなことを、ふとおもった。

 ま、それはさておき、

「古き良き米喜劇をめざしたのかしら?」

 と愚考してしまいそうな作品で、それが正解だとすると、登場人物は多すぎて顔見世だけになってるし、強引な設定と笑わせ方みたいな印象を受けちゃうのは、ぼくだけなんだろうか?

 たぶん、そうなんだろね。

 でも、年の瀬の茶番劇の夢はわかるんだけど、映画というより舞台の方がいい感じなんじゃないかな~とかもおもわずおもった。

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容疑者 室井慎次

2008年04月08日 14時08分36秒 | 邦画2005年

 ◇容疑者 室井慎次(2005年 日本 117分)

 監督/本広克行 音楽/松本晃彦

 出演/柳葉敏郎 田中麗奈 哀川翔 八嶋智人 吹越満 佐野史郎 田中圭 柄本明 大杉漣 真矢みき

 

 ◇THE ODORU LEGEND CONTINUES

 小宇宙の愉しみとして、スピンオフは愉しまないといけない。

 ただ、日本人にありがちな他者を排除して知人と温泉に浸かる的発想としてはありえるんだろうけど、一般公開するには室井讃歌は小恥ずかしい気もしないではない。

 これは本路線の青島シリーズにいえることながら、映画を商品として捉える、あるいはファンへの贈り物として捉えるなら、それもまたよしとするべきなのかもしれないんだけど、独立した作品として捉えるとき、なんでここまで室井讃歌たりえるのかっていう疑問が観客に浮かんでしまったら、作り手としては困っちゃわないんだろうか?

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交渉人 真下正義

2008年04月05日 10時21分40秒 | 邦画2005年

 △交渉人 真下正義(2005年 日本 128分)

 監督/本広克行 音楽/松本晃彦

 出演/ユースケ・サンタマリア 寺島進 小泉孝太郎 水野美紀 石井正則 八千草薫 國村隼

 

 △クモE4-600

 題名をパロディとするのかオマージュとするのか、よくわからないんだけど、ぼくだったら、このタイトルはつけにくい。

 さらにいえば、本作から『サブウェイ・パニック』をおもいおこす人は少なくないっておもうんだけど、これってリメイクじゃないんだよね?

 だとしたら、筋立てについてもオマージュ?

 そういうことならタイトルロールに出ててもいいし、誰かがそういう話をしてもいいような気がするんだけど、よくわからん。

 ま、それはさておき、絵作りは良好だったとおもうんだけど、犯人像が最後まで見えず、すべてがプロポーズを間近にした自信過剰で目立ちたがりな印象の主役による自作自演でもおかしくない。

 でもまあ、当シリーズにありがちなオタクによる愉快犯も匂わせる。

 そういうところ、なんとなく中途半端な印象は否めないし、もしかしたらこの作品については続編ありきで製作されたのかな?

 そんなふうにおもえちゃうくらい消化不良な感じはあった。

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星になった少年 Shining Boy & Little Randy

2008年03月24日 11時23分09秒 | 邦画2005年

 ◇星になった少年(2005年 日本 113分)

 監督/河毛俊作 音楽/坂本龍一

 出演/柳楽優弥 常盤貴子 高橋克実 蒼井優 倍賞美津子 加藤清史郎 武田鉄矢 佐藤二朗

 

 ◇Shining Boy & Little Randy

 なんだか小品な印象がある。タイロケまでしてるのに、その割に、小粒な感じを受けちゃうんだよな~。

 星になるっていう事実を、題名からして使ってるわけだから、そこらへんを話の臍に据えないのは、いったいなんでなんだろう?

 そういう筋立ての疑問はさておくと、象の使い方は、いや、見事だった。一斉に泣く所とか。でも、そのあたり、感情を抑えたのは、果たして良かったんだか悪かったんだか、よくわからないけど。

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明日の記憶

2008年03月08日 20時50分39秒 | 邦画2005年

 ◇明日の記憶(2005年 日本 122分)

 監督/堤幸彦 音楽/大島ミチル

 出演/渡辺謙 樋口可南子 吹石一恵 大滝秀治 香川照之 袴田吉彦 坂口憲二 木梨憲武

 

 ◇製作総指揮、渡辺謙、大健闘

 映画はやはりプロデューサーの物だ。だって、作品賞を贈られるのはプロデューサーなんだから。ま、日本では製作総指揮にあたるのかもしれないね。にしても、渡辺謙、よく頑張ってるわ。拍手。

 で、物語なんだけど、現実の辛さがこれからってあたりで、物語を切らざるを得ないのが少しね。

 夫婦仲の良過ぎるのも、ちょっとね。

 現実の若年性アルツハイマーがどんなものかはわからないけど、そりゃもう筆舌につくしがたい苦労があるんだろうし、そのあたりには食い込まずにいるのが、ちょっと異色の恋愛映画として成立してる所以なんだろう。

 病気物はぼくはあんまり得意じゃないんで、これくらいしかいえない。

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蝉しぐれ

2007年09月12日 13時25分34秒 | 邦画2005年

 ◇蝉しぐれ(2005年 日本 131分)

 原作/藤沢周平『蝉しぐれ』

 監督・脚色/黒土三男 撮影/釘宮慎治 美術/櫻木晶

 衣装デザイン/林田晴雄 岩崎敬二 内海真敏 斉藤育子

 音楽/岩代太郎 主題歌/一青窈『かざぐるま』

 出演/市川染五郎 木村佳乃 緒形拳 原田美枝子 加藤武 柄本明 大滝秀治 原沙知絵

 

 ◇丁寧な絵作り

 時間を掛けて撮ったって感じは、とってもよく出てて、そうしたところ、好感がもてた。役者たちもそれなりに落ち着いた感じだったし。

 でも、前半がちょっと長過ぎるような気がしないでもない。物語の展開に対する姿勢の差なんだろうけど、子役と大人役とをわけるのであれば、尚更、延々と続く前半は考えて欲しかったかな~とか、関係のない素人はおもっちゃうんだけど、これはおそらく、原作に対する思い入れの差かもしれないね。

 それと、殺陣はかなりリアルに作られてる気がするんだけど、そうであるだけに、妙な剣法に違和感がないこともない。

 ちなみに、この原作の映画化は15年の歳月が掛かったとかいうことを予告編で観た。まあ、映画というのは、そういうものなのかもしれないから、びっくりするわけではないし、映画ってのはもともとそうあるべきものなんじゃないかなともおもったりする。

 小説だって、作者の頭に発想が浮かんでから20年30年経ったときに、ようやく脱稿されるってこともあるんだから。

 ものを作るってのは、ほんと、難しいよね。

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