▽ぼくのおばあちゃん(2008年 日本 123分)
監督/榊英雄 音楽/榊いずみ
出演/菅井きん 岡本健一 阿部サダヲ 清水美沙 深浦加奈子 石橋蓮司 柳葉敏郎 桐谷健太
▽結髪出身の
髪結いさんをしてきたおばあちゃんの思い出と木下工務店の営業マンが回想していく話なんだけど、だれる。
しみじみしたものを期待してた。でも、無駄な軽さとおどけが邪魔をして、さらには編集のキレが悪すぎて、かなりきつかったわ。
原作を読んでないからわからないものの、つらいな。
▽ぼくのおばあちゃん(2008年 日本 123分)
監督/榊英雄 音楽/榊いずみ
出演/菅井きん 岡本健一 阿部サダヲ 清水美沙 深浦加奈子 石橋蓮司 柳葉敏郎 桐谷健太
▽結髪出身の
髪結いさんをしてきたおばあちゃんの思い出と木下工務店の営業マンが回想していく話なんだけど、だれる。
しみじみしたものを期待してた。でも、無駄な軽さとおどけが邪魔をして、さらには編集のキレが悪すぎて、かなりきつかったわ。
原作を読んでないからわからないものの、つらいな。
◇ハッピー・フライト(2008年 日本 103分)
監督・脚本 矢口史靖
出演 綾瀬はるか、田辺誠一、時任三郎、吹石一恵、寺島しのぶ、田畑智子、小日向文世、岸部一徳、田山涼成
◇ANA、全面協力
やるな、ANA。
要するに、機長の昇格試験を受ける副機長田辺誠一と、新人客室乗務員の綾瀬はるかの初フライトが重なり、さらには鳥の群れに突っ込んでしまったことでエンジントラブルが発生して羽田空港へ引き返すことになったものの、おりからの台風による雷のせいでオペレーションコントロールセンターが停電し、手動で着陸しなければならないという非常事態を迎えるものの、なんとかそれに成功するという物語だった、ような気がする。
ま、趣味の問題だからどうしようもないのだけれども、ぼくが編集を任されたら83分の作品に仕上げるな。
◇私は貝になりたい(2008年 日本 139分)
監督 福澤克雄
◇橋本よ、これじゃあ貝になれないんじゃないか?
黒澤明のそのひと言で、脚本を書き直さないのが信条の橋本忍がたった一作だけ書き直したという曰くつきの作品ながら、やっぱりぼくの個人的な趣味はフランキー堺の『私は貝になりたい』だな~。でもまあ、それについてはいい。今回は、中居正広と仲間由紀恵の方だ。
なんていうのか、かっちり撮られてた。
それと、中居くんの役作りもちゃんとしてた。痩せたんだよね、9キロとか。へ~って感心した。ぼくはほんとに意志薄弱で、そりゃまあ比べるのも愚かなんだけど、役作りのためには絶食も辞さないという役者の基本的な姿勢をまっとうしているのは、うん、効果があったとおもうんだよね。ただ、こういう姿勢はほかの役者にも共通していないと、たったひとり、主役だけがおもいいれたっぷりになっちゃうっていう妙なことになる。それがね、なんていうか、映画ってのはたぶん同じ画面に映り込んでくるすべての人達が「戦後」を演じないと駄目なんだよね。
△K-20 怪人二十面相・伝(2008年 日本 137分)
監督・脚本 佐藤嗣麻子
△架空の昭和24年
まあそういう設定がどこまで原作どおりなのかは、ぼくは知らない。
原作を読んでいないからだけど、それはともかく大東亜戦争が回避されたために戦前の帝都がそっくりそのまま残っているという設定は嫌いじゃない。20面相が生きた時代はたしかに戦後の焼け跡もあったりして、それが20面相という人間を構築している何事かになっていると僕は考えるのだけれども、この作品の設定はそういうことがないためにちょっと20面相自体、江戸川乱歩の20面相とはかなり違った性質になっているにちがいないと考えざるをえない。
ただまあ、なんていうのかな~、ちょいと違うんだよね。軽さっていったらいいのか、日独伊の同盟が維持されているとしたらもうすこし別な文化になってるような気がするし、犯罪者の傾向も警察も世の中もなんだか連合国的な匂いがしない?ドイツ語が使われてるからって、なんかね。ま、そんな薄っぺらさからちゃちな感じがして、なんかね。
△櫻の園(2008年 日本 102分)
監督 中原俊
△奇蹟は二度起きない
1990年に『櫻の園』が撮られたとき、ぼくはその面白さにびっくりした。
実をいえばまるで期待していなくて、なかば偶然に観ただけだったのだけれども、上映が終わって席を立つ段になって「いや~すごいおもしろかった」とおもわず声を洩らしたくらいの出来映えだった。中原俊がここまで抒情的な映画を撮り上げるとはおもってもみなかったし、このままこういう方向で映画を撮っていってくれればいいのにとおもったりもした。その中原俊がふたたび『櫻の園』を撮ったという。期待しない方がおかしいだろう。
ところが、この2008年版だが、ぼくはその出来にびっくりした。
出来が良かったか悪かったかについて書くのはやめよう。ものをつくる人間にとって悪口を書かれることほど嫌なものはないだろうし、その映画がどうして現在のような仕上がりになってしまったかは、監督がいちばんよくわかっているはずだから。映画は、雑に作ろうとか、冗漫に仕上げようとか、美しさを否定しようとか、そんな気持ちで撮っているはずはないんだけれども、ときに、その女優の起用について監督の意見など歯牙にもかけられないことはままある。というより、そういう場合は、演出よりも出演者の方が先に決まっていたりする。この作品がどんな経緯でどうして制作されたのかは知らないけれど、ともかく、1990年のような奇蹟は起きなかった。それだけのことだ。
△ギララの逆襲 洞爺湖サミット危機一発(2008年 日本 98分)
英題 The Monster X Strikes back / Attack the G8 Summit
staff 監督/河崎実 脚本/河崎実、右田昌万
プロデューサー/鈴木忍、河崎実、叶井俊太郎、鈴木政信、塩田康一
撮影/須賀隆 美術/内田哲也 音楽/福田裕彦
主題歌/デブパレード『cosmic mind』
cast 加藤夏希 和崎俊哉 夏木陽介 黒部進 古谷敏 堀内正美 井上純一 森下悠里
△特撮とボク、その37
チープな世界をチープに楽しめる怪獣といえば、
もはや、ギララの右に出る怪獣はないんじゃないかってくらい、
かつての『宇宙大怪獣ギララ』はすごかった。
ま、それはいいとして、
その『宇宙大怪獣ギララ』観たんなら、
ついでにこっちも観とかないといけないよね。
故意にチープに作り上げられた世界を提示されたとき、
その陳腐さに眉をしかめるのはもってのほかだってことは、
この手の作品を観る際の鉄則だ。
あとは、作品で描かれてる世界が、自分の範疇なのかどうかってことを判断し、
自分と笑いの価値観が似ているときにはおおいに楽しめばそれでいい。
で、この作品なんだけど、
あえて前作というが『宇宙大怪獣ギララ』に出演していた和崎俊哉に敬意を表して、
博士役を演じてもらっているのは、いい。
ギララも前作どおり踊りを踊るような(ギララ踊りとぼくは呼んでるが)破壊行為を繰り返し、
舞台が洞爺湖サミットである以上、さまざまなお国柄の作戦が展開されるのも、またいい。
加藤夏希がまじな演技に徹しているのも、
どちらかといえば悪趣味ぶり世界との均衡が図られているようで、そうした工夫も受け止められた。
黒部進がマイクを持って命令しなければいけないところ、
ウルトラマンに変身する際のベーターカプセルを構えるのは定番とはいえ、それで満足だし、
同時に、核ミサイル「はげわし」はウルトラマンに登場した「はげたか」なのもやはり満足だろう。
けどまあ、
特撮で育ってきたぼくたちは、自分の贔屓の作品はいろいろあって、
みうらじゅんやリリー・フランキーや水野晴郎のフアンならばなおさら嬉しかったりするんだろうけど、
こういうたぐいの話は、やはり、自分がどこまで乗れるかってことにつきる。
それはおそらく、海外で上映されたりしたときもそうだったんだろう。
ま、そういうことだ。
◇アフタースクール(2008年 日本 102分)
staff 監督・脚本/内田けんじ 撮影/柴崎幸三
美術/金勝浩一 音楽/羽岡佳
主題歌/monobright 『あの透明感と少年』
ロケ協力/牛久フィルムコミッション、川崎市シティセールス、
調布フィルムコミッションほか
cast 大泉洋 佐々木蔵之介 堺雅人 田畑智子 常盤貴子 山本圭 伊武雅刀
◇見知らぬ同級生
ぼくの中学は8クラスあった。
だから、この映画みたいに、
いきなり見知らぬ人間がやってきて同級生だといわれたら、
たぶん、おおそうか~とかいっちゃうかもしれない。
でも、ぼくの中学校はふしぎな組の数え方をしてた。
どういうことかっていうと、
ぼくは1年6組、2年4組、3年6組だったんだけど、
それを16組、24組、36組というふうに呼んだ。
これは正式な呼称で、
いまだに見知らぬ同級生に会うと、
「なん組だった?おれ、36組だったんだけど」
といえば、おお、36組か~と反応してくれる。
この呼称は、もしかしたら、うちの中学だけなんじゃないかとおもう。
だから、いきなり佐々木蔵之介が登場しても、
この会話があれば、そうそう簡単には騙されないんだけど、
でも、ここでの大泉洋はそんなことは百も承知で、
佐々木蔵之介と行動を共にしていくんだろね。
そういうところ、内田けんじの脚本はよく練られてる。
軽さで包んでいながら、どんどんシビアになっていくあたり、
上手な人だな~とおもうんだよね。
ところで、
ロケ協力のひとつに調布フィルムコミッションがあるんだけど、
調布のどこでロケしたんだろ?
まったく気がつかなかったわ~。
◇明日への遺言(2008年 日本 110分)
staff 原作/大岡昇平『ながい旅』
監督/小泉堯史 脚本/小泉堯史、ロジャー・パルバース
撮影/上田正治、北澤弘之 美術/酒井賢 衣裳/黒澤和子
音楽/加古隆 主題歌/森山良子『ねがい』 題字/今井凌雪
cast 藤田まこと 蒼井優 富司純子 近衛はな 頭師佳孝 西村雅彦 竹野内豊
◇法戦の人
おそらく、真摯な人だったのだろう。
岡田資陸軍中将は、肖像写真を観てても、
その眼光の快活さと表情の明朗さから、
なんだか気持ちの爽やかな青年がそのまま老いていった観がある。
肖像だけでは人間の本質はわからないという人もいるけど、
ぼくはそんなことはないんじゃないかっておもうんだ。
やっぱり、気持ちの爽やかな人は、そういう顔をしてる。
で、岡田資という軍人さんもたぶんそうだったろうと、ぼくはおもってる。
この人は、ほとんど敵との交戦はしていない。
武官として名の知れた人というべきで、
岡田がB級戦犯になったのは、
1945年5月14日の名古屋空襲の際、B-29の乗組員27名を処刑したという点で、
これについて岡田は、横浜の軍事法廷において徹底的に争った。
主張するところは2点で、
「一般市民を無慈悲に殺傷しようとした無差別爆撃である」
「搭乗員はハーグ条約違反の戦犯であり、捕虜ではない」
というもので、けれどこの法戦は岡田に利なく、
1949年9月17日、巣鴨プリズンで絞首刑に処せられた。
で、ぼくはおもうんだけど、
この作品はどうしてセミ・ドキュメントにしなかったんだろう?
あるいは、どうしてドキュメンタリー調にしなかったんだろう?
岡田の人となりを描くのはもちろんだけど、
軍事法廷についてまっこうから挑むつもりで描くならば、
情緒に左右されず、空襲と処刑の真実を探求しようとする方が好かったんじゃないか。
そんなふうにおもうんだよね。
ちなみに、この映画は、すーちゃんこと田中好子の遺作だ。
彼女には『黒い雨』っていう代表作があるけど、
なんだか戦争をしてた時代がしっくりくる凛としたところのある女優さんだったね。
ま、ぼくはキャンディーズではいちばんのご贔屓だったけど。
◇まぼろしの邪馬台国(2008年 日本 118年)
英題 Yamataikoku
staff 原案/宮崎康平『まぼろしの邪馬台国』 監督/堤幸彦
脚本/大石静 撮影/唐沢悟 美術/相馬直樹 音楽/大島ミチル
主題歌/セリーヌ・ディオン『ワールド・トゥ・ビリーヴ・イン ヒミコ・ファンタジア』
cast 吉永小百合 竹中直人 宮崎香蓮 黒谷友香 麻生祐未 余貴美子 由紀さおり
◇ついに吉永小百合が卑弥呼に
その昔、
卑弥呼を演じたのは岩下志麻や高峰三枝子とかだったような気がするけど、
そんなことはどうでもいい。
書籍をめったに読まない僕の本棚に『まぼろしの邪馬台国』が入ってる。
昭和55年に出された改訂版だ。
当時、ぼくは大学生で、邪馬台国にとっても興味があって、
まあそんなことから買い求めたんだけど、
いやあ、なんていうのか、邪馬台国論争もさることながら、
宮崎康平その人に興味を抱かせられたような覚えがある。
で、実をいうと、その頃、
「これ、映画にならないかな~」
とか、漠然とおもってた。
だから、この映画化が発表されたとき、うわっとおもった。
けどまあ、予想どおりの出来栄えだったし、
どうして、宮崎和子さんの半生が中心になってるのかがよくわからない。
吉永さんの映画なんだから当たり前だろ!
とかいわれそうだけど、でも、なんてゆうのか、
ちょっと、ぼくの望んでた感じとちがうんだよね。
夫婦の物語となるのはかまわないんだけど、
問題は邪馬台国であって、それを調べ始る切っ掛けに至るまでが、
長い。
ていうか、要らない。
邪馬台国九州説に没頭してるふしぎな男がいて、
それを支える献身的な奥さんがいて、
ふたりがもうぼろぼろになっても認められず、
たったひとつの証を探そうとしているほんの数日の話でいいじゃん。
余計な枝葉をくっつけちゃうと、
吉永さんの卑弥呼も印象が薄くなっちゃう気がするんだけどな。
どうしても、邦画は箇条書きのような半生記になっちゃうんだけど、
そのあたりもうちょっとだけ頭をひねられないかな~と、
くそなまいきにもおもってしまうわけなんですよ。
ちなみに、
さだまさしの曲に「まぼろしの邪馬台国」を歌った作品がある。
ぼくはとっても好きな歌なんだけど、
こちらの方が、ストレートに宮崎康平を印象づけてる。
さすが、さだまさしだ。
で、なんで、この映画の主題歌が、さだまさしでなかったのかが不思議だ。
まあ、そもそも映画の主題歌がタイアップされる日本の習慣は、
ぼくは好きじゃないけどさ。
△フレフレ少女(2008年 日本 114分)
staff 監督/渡辺謙作 脚本/橋本裕志
撮影/藤澤順一 美術/花谷秀文 衣裳デザイン/宮本まさ江
音楽/上田禎 主題歌/アクアタイムズ
cast 新垣結衣 永山絢斗 染谷将太 内藤剛志 モロ師岡 柄本時生 斉藤嘉樹
△あのヘアメイクは辛い
なんだかよくわかんないんだけど、
すくなくとも、新垣結衣のおでこをまるきり出して、
髪の毛をぴったり撫でつけるのは、
やめといた方がよかったような気がするんだけど、
そんなことないのかしら?
まあ、応援団物ってのは、これまでにもいろいろあったし、
たいがい、へっぽこへなちょこ応援団が、
ゼロから出発してそれなりに認められていくってのが定番だ。
でもさ、
それって昭和時代からおんなじなわけで、
どうせだったら、女の子だけの応援団にした方が好かったんじゃない?
ま、そんなことをおもいながら、見た。
◎本格科学冒険映画20世紀少年 第1章 終わりの始まり(2008年 日本 142分)
英題 Twentieth Century Boys 1: Beginning of the End
staff 原作/浦沢直樹 監督/堤幸彦 脚本/長崎尚志、福田靖、浦沢直樹、渡部雄介
撮影/唐沢悟 美術/相馬直樹 主題歌/T・レックス「20th Century Boy」
音楽/白井良明、長谷部徹、Audio Highs、浦沢直樹
cast 唐沢寿明 豊川悦司 常盤貴子 香川照之 佐々木蔵之介 宇梶剛士 生瀬勝久
◎1970年、大阪万博。
新幹線ひかりに乗って、5月と8月に見学に行った。
もうほとんど覚えてないんだけど、覚えてることのひとつが
「アメリカ館に行くときは、朝一番に行かないと何時間も並んじゃうぞ」
っていわれてたことだ。
映画の中でも、そんな台詞があった。
台詞だけじゃなくて、当時、ぼくは映画の少年たちとほとんど同じことをしてた。
家の前の空き地や、蔵元の瓶箱置き場や、電話局のドラム置き場や、銀行の廃屋に、
やっぱり、大人の雑誌を持ち込んで秘密基地をつくった。
あ、でも、映画に出てた「麻田奈美ブラジルで最後のヌード」はちょっと後の時代だ。
神社やお寺で、くそったれのいじめっ子小僧を相手にケンカもした。
BB弾のコルトで戦ったし、アトムや鉄人のどちらも好きでロボットの絵ばかり描いてた。
みんなで、世界が悪人によって滅亡に追い込まれる漫画も描いた。
Gペンに開明墨汁じゃなくて鉛筆に消しゴムで描いたんだけどね。
夜の学校は怖かったし、鮒の解剖をした理科室は特に怖かった。
学校の旧校舎や汲み取り式トイレには、決まって幽霊の噂が立って、
荒れ放題の大きな空き屋敷に忍び込むと、たいがい不気味な絵が飾ってあった。
アポロ11号が月面着陸したとき、
横丁の串の屋台で、酔っ払いが「あんなもんはスタジオで撮っとるんだ!」と叫んでた。
部屋の壁に貼った少年チャンピオン創刊のポスターも、ちょうどアポロ11号だった。
ちょうど、付録で勝負してた少年や冒険王やぼくらが相次いで廃刊されてった時代。
宇宙人襲来や氷河期突入や未来予想を特集していたのが、そうした月刊誌だ。
ランニングシャツだけのガキはいっぱいいたし、シュミーズだけの女の子まで道端にいた。
プロレスが好きで、メンコやコマ回しや草野球くらいしか遊びらしい遊びはなく、
ボーリング場がぽつぽつと建てられ始めてたけど、そこはやっぱり大人の娯楽場で、
雷魚を釣りに探検に出て、ウインカー付き自転車で駆け回り、
校舎の窓から飛び降り、学校の北運動場の樹の下にタイムカプセルを埋めた。
あのときのタイムカプセル、まだ埋まってんじゃないかな。
中学生になって、給食の音楽がつまらないイージーリスニングだったもんだから、
職員室のとなりの放送室を占拠して、好きな曲をかけまくり、進路指導室に連行された。
初めて買ったギターはやっぱり情けなくもクラシックギターだったけど、でも嬉しかった。
たぶん、日本中の男の子はみんな同じことをしてたんだろう。
ぼくらにとってきらきら輝いていた忘れられない昭和40年代の夏は、
まちがいなく常滑市や江南市や台東区とかでロケをしたこの20世紀少年の世界だった。
とかいうことを考えながら見られる作品があっただけで、
何十年も映画を見てきてよかったな~とおもえるんだよね。
◎007 慰めの報酬(2008年 イギリス、アメリカ 106分)
原題 007 Quantum of Solace
監督 マーク・フォースター
出演 ダニエル・クレイグ、オルガ・キュリレンコ、ジャンカルロ・ジャンニーニ
◎コチャバンバ水紛争
どうやら実際の事件がモチーフのひとつになってるらしい。
007シリーズにしては珍しいっておもうんだけど、それもさることながらシリーズ初の続編なんだよね。
まあ上中下三部作の中っていう感じがするし、MI-6よりもKGB的な雰囲気すら感じる新ボンドだけど冒頭のアストンマーティン・DBSとアルファロメオ・159の過激なカーチェイスからして凄いし、アクションが現実味たっぷりに見せてくれる分よくなってるし、ボリビアの水資源が鍵だなんて、なんだか現代的なリアリズムが背景にあってボンドも環境に配慮するのかと納得しちゃったわ。
◇陰日向に咲く
題名と内容がちぐはぐ。
慎ましやかに咲く事の美しさを語ろうとするのなら、これは違う気がするな。
複層した世界が互いに繋がる筋立ての妙は認めるんだけど、描かれているひとびとの特殊な世界と事情は日本の陰日向のひとびとと大きな乖離があるんじゃないだろうか。
▽ドロップ(2008年)
昔から不良物は個人的に共感できる種類ではないから的確な感想は書けない。
ただ、子供に見せていい類いかどうかは、本作に限らず昔から感じる。
等身大の役者であるが故ありえないような暴力が罷り通りそうで嫌だな。
◇ハンサム★スーツ
洋服の青山がそのまんま鍵になってるんだね。すげー!
けど、なんというか、男は結局美人が好きってことでしょう。
性格が良くてその上美人だったらいうことなしって、それだけの話になってないか?
日本人は他国民より美醜を悩むのかな。つか、あのスーツはHできるんだね。