☆スイマーズ 希望を託して(The Swimmers)
マナル・イッサ演じるユスラ・マルディニは、途中までシリアの代表として五輪に出場したいと望んでるのがやがて難民チームの代表となるのを誇りにおもうようになるんだけど、その決意よりもかなり早い段階で、すでに彼女は難民チームの代表になってるってことを行動で示してるんだよね。このあたりはよく練られてる上手な脚本だっておもうんだけど、現実はどうだったんだろう?
まあそれはともかく、五輪に対する憧れは世界の選手たちには共通したものだと信じてるんだけど、でもどうなんだろう、なんだか、日本と世界とは見えない壁みたいなものってないのかな。運動の世界に、政治や経済を入れるなっていう忘れ去られてしまったような大義名分はちょっとおいといて、祖国が存続するかどうかっていう瀬戸際の、自分の家族がダマスカスのようないつなんどき内戦に巻き込まれてしまうかもしれないような、そんな状態に追い込まれて、レスポス島へ行くために、ゴムボードに人数が溢れちゃうからって姉とふたりで泳いで人数を減らすっていう離れ業までして、それでリオ五輪にまで至るっていう、もはや、これは五輪をめざしたっていうだけの映画じゃないよね。
サリー・エル・ホサイニ、頑張って監督したね。