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☆=☆☆☆☆☆
◎=☆☆☆☆
◇=☆☆☆
△=☆☆
▽=☆

夏至

2008年07月31日 16時22分57秒 | 洋画2000年

 ◎夏至(2000年 フランス、ベトナム 112分)

 原題/Mùa hè chiều thẳng đứng

 仏題/À la verticale de l'été 

 英題/The Vertical Ray of the Sun

 監督・脚本/トラン・アン・ユン 製作/クリストフ・ロシニョン

 撮影/リー・ピンビン 美術/ブノワ・バルー

 音楽/トン=ツァ・ティエ 編集/マリオ・バティステル 衣裳/スーザン・ルー

 出演/トラン・ヌー・イェン・ケー、グエン・ヌ・キン、レ・カイン、ゴー・クアン・ハイ

 

 ◎淡々ながらリアルでない世界

 ハノイ、ハロン湾の数日を、母の命日から父の命日まで集った3姉妹を描くわけだけれども、ともかく、清冽な水が流れるように美しい映像だ。

 でも、その美しさとは相反して、集う三姉妹と夫が、それぞれ、不倫だの、二重家庭だの、妊娠だの、兄妹愛だの、処女喪失だの、を抱えているのは良いとしても、それが最後にわっと出てくるのは、少し嘘っぽいかなと。

 でも、喋らない不倫の設定は見事だった。

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インクレディブル・ハルク

2008年07月23日 12時00分01秒 | 洋画2008年

 ◇インクレディブル・ハルク(2008年 アメリカ 112分)

 原題/The Incredible Hulk

 監督/ルイ・レテリエ 原案・脚本/ザック・ペン

 撮影/ピーター・メンジース・ジュニア 美術/カーク・M・ペトルッチェリ

 視覚効果監修/カート・ウィリアムズ 音楽/クレイグ・アームストロング

 出演/エドワード・ノートン リヴ・タイラー ティム・ロス ウィリアム・ハート

 

 ◇ハルク・スマッシュって…

 特撮ヒーロー物かい!

 みたいな技で地割れを起こすのは止めてほしかった…。

 冒頭のブラジルの貧民窟の雰囲気と逃亡は、凄い。

 美女を連れて逃げるキングコングみたいで、超人プロレスな観もあるんだけど、まあ、原作がマーブルコミックとかいう漫画なんだから仕方ないにしても、ね。

 相手はテロリストじゃないの?と、聞きたくなったのは僕だけなんだろうか。

 予告編だけだと、もっとハードボイルドな線なのかとおもってたら、あにはからんや、そうでもなかったっていうのが印象だ。

 ちなみに、ハルクといえば、ぼくらの年代は『超人ハルク』をおもいだすんだろうけど、実をいうと、ぼくはそのテレビシリーズを観ていない。だって、なんだか子供だましみたいな気がしてたんだもん。

 だから、比べようもないんだけど、できればもうすこしリアリズムに徹してほしかった気もしないではないかな。

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タッチ(2005)

2008年07月16日 16時22分59秒 | 邦画2005年

 ◇タッチ(2005年 日本 116分)

 原作/あだち充 監督/犬童一心

 脚色/山室有紀子 撮影/蔦井孝洋

 美術/小川富美夫 衣装デザイン/新井正人 音楽/松谷卓

 出演/長澤まさみ 風吹ジュン 萩本欽一 安藤希 小日向文世 宅麻伸 福士誠治

 

 ◇期待してなかった分…

 意外に感動しちゃったりするんだ、これが。

 昔だったら、上杉兄弟に全然似てないし、とかって全否定したかもしれないんだけど、いやまあ寛容になったもんだ。

 でも、野球を画にするのは、臨場感の点で面倒なんだよね。

 にもかかわらず、モブシーンは、よく撮れてる。

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少年探偵団 鉄塔の怪人

2008年07月08日 10時57分21秒 | 邦画1951~1960年

 △少年探偵団 鉄塔の怪人(1957年 日本 61分)

 監督/関川秀雄 音楽/山田栄一

 出演/岡田英次 宇佐美淳也 加藤嘉 中村雅子 小森康充 檜有子 古賀京子 小宮光江

 

 △『かぶと虫の妖奇』の完全な続編

 で、こちらから観ると、

「なんじゃこれ」

 てなことになる。

 まあ、それはいいんだけど、ただな~、タイトルは「鉄塔」だけよりもやっぱり「鉄塔王国」にしてほしかったな~。鉄塔王国っていうとなんだか昭和的な感じがしてよくない?

 ま、これは個人的な感覚なんで、ぼくだけなんだろうけどね。

 そんなことより、二十面相が勝手に放送している自前TV局は8チャンネルなんだけど、この時代はまだフジテレビは開局前なんだろか?

 あ、それと、鉄塔王国と山間の嵌込合成は、いやまじ、上手だ。

 上手なんだけど、中部山岳地帯にあるはずの王国の位置は、北緯37度40分、東経137度50分。

 これって…富山沖じゃん!

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少年探偵団 かぶと虫の妖奇

2008年07月07日 14時49分04秒 | 邦画1951~1960年

 △少年探偵団 かぶと虫の妖奇(1957年 日本 52分)

 監督/関川秀雄 音楽/山田栄一

 出演/岡田英次 宇佐美淳也 加藤嘉 中村雅子 小森康充 檜有子 古賀京子 小宮光江

 

 △かぶと虫ロボット出現

 いやまあ、当時の子供向け映画では、絵づくりはがんばってる。

 とはおもうんだけど、素朴な疑問がある。

「かぶと虫の足って8本だっけ?」

 なんてことはまあご愛嬌なんだろうけど、驚いたのは、関川秀雄の演出だってことだ。

 へ~。

 それと、加藤嘉の二十面相は、なんだか、好々爺みたいで妙な感覚にとらわれた。

 もうちょっとダンディな役者の方が好かったんじゃないかと。

 ただまあ、こういう50年代の映画ってのは、戦後の焼跡が到るところにあって、空撮なんか観ると、なおさら、ああ焼けとるな~とおもったりする。

 冒頭の刑務所ロケは良なんだけど、現場の足跡から人工物ではなく虫の足と断言してしまう世界は、凄い。

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少年探偵団 妖怪博士 二十面相の悪魔

2008年07月04日 20時25分28秒 | 邦画1951~1960年

 △少年探偵団 妖怪博士 二十面相の悪魔(1956年 日本 55分)

 監督/小林恒夫 音楽/山田栄一

 出演/岡田栄次 中原ひとみ 小森康充 宇佐美淳也 檜有子 古賀京子 南原伸二 山形勲 飛鳥圭美

 

 △撃っちゃいけない!

 ちょいと、驚いた。

 ぼくの知ってる怪人二十面相は子供のことが大好きで、だからまじめに怖がらせようとするんだけど、子供の命を取ろうなんてことはちっともおもってなくて、それだけは天地神明に誓ってそうなんだと、誰に対しても宣言しているなんともかっこいい泥棒で、徒党は組んでるけどお金儲けには興味はなくて、ただ世の中の美しいものを集める収集癖の講じた人間のはずだ。

 なのに、この映画では国際スパイ団の首領になってるし、子供に向かって機関銃をぶっぱなすし、なんでそんなことをしてんだよ。

 小林恒夫の演出がそうさせたのか、小川正がそんなふうに脚色してしまったのか、はたまた根津昇の企画がそうだったのか、ともかく、いくら東映が無節操だからって、いったい作り手として何を考えていたんだろう?

 もしかしたら、原作をちゃんと読んでないんじゃない?ともおもっちゃったりした。

 いや、そりゃ、ぼくは活字嫌いだし、世の中のほとんどの小説はほとんど読んだことはないけど、さすがに江戸川乱歩は読んでる。まあ、たしかに、映画は監督のもので、映画と原作は違って当たり前だし、作品の世界は監督だけが左右できることも知ってる。とはいえ、原作の心は受け継がないとね。

 そりゃまあ、山間の橋の特撮や洋館の美術は、当時としては大したものだともおもうけど、乱歩の基本設定をないがしろにしちゃったのは、なんとも遺憾としかいいようがない。

 ちなみに、明智小五郎は岡田栄次。

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冒険者(1970)

2008年07月01日 15時47分43秒 | 洋画1961~1970年

 △冒険者(1970年 アメリカ 171分)

 原題/The Adventurers

 監督/ルイス・ギルバード 音楽/アントニオ・カルロス・ジョビン

 出演/シャルル・アズナヴール キャンディス・バーゲン オリヴィア・デ・ハヴィランド

 

 △1950年代のヨーロッパ

 なぜか知ってる、ハロルドロビンス。

 というのも、高校時代にこの本を拾ったのだ。それも原書で、もともと活字嫌いなぼくは、それにもまして英語が嫌いだったから、いくらお風呂の中で泡にまみれた美女が片足あげて誘いかけてるような表紙でも、読む気にならないどころか、読めなかった。

 で、いまだにこの本は実家の本棚に眠ってる。どんな内容なのかはまるでわからないし、題名も知らない。ただ、Haroid Robbins という作家の名前だけ、かろうじて読めた。ま、つまらない恥の記憶なんだけど、物語が波乱万丈なのはロビンスの特徴なんだろか?

 この長ったらしい映画もそうだ。

 ベキム・フェーミュ演じる主人公が、幼い頃、故国に革命が起こって母親や姉を殺され、父親とローマまで逃げたものの、悪友どもと遊び狂って、つぎつぎに女を替える貴公子になり、キャンディス・バーゲンと結婚したのに離婚し、やがて父親まで暗殺されたことから故国へ帰り…となれば、三銃士や忠臣蔵みたいな話が展開するかと思いきや、なんだか、ルイス・ギルバードの演出は、そうじゃない。

 父親の片腕だった男がいまや独裁政治をおこなっていて、しかもその男の娘リー・テイラー・ヤングが自分のむかしの恋人で、あらたな革命家に手を貸して革命をひきおこし、恋人の父親を殺して、故国を自由に導いたものの、その革命家がまたもや独裁者になり、むかしの恋人との再会もつかのま、殺されちゃう。

 なんだか、どっちにつくのかつかないのか、好きなのか好きじゃないのか、煮え切らない主役像なんだなこれが。

 アーネスト・ボーグナインやシャルル・アズナブールとか揃えてるのに、これじゃ観客も乗りきれないんじゃないかと。

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