国の借金が多くても、今は低金利だから問題ないが、
金利が上昇すれば大変なことになる。
これは日本の財政危機を強調する立場の者から良く
聞く話である。これについて考えてみよう。
平成27年度の利払い費は8.8兆円であり、税収56
兆円の15.7%を占める。ピーク時点の平成3年度は
11兆円であり、税収60兆円の18.3%よりはましで
ある。ちなみに27年度のアメリカの利払い費は3027
億ドルで社会保障税を除く歳入の12%
日本国債はほとんどが固定金利なので、金利が上昇
しても既発行債の利払いには影響はなく、単に金利が
上がったから利払い負担が増えるということはない。
しかし、日本の国債は固定金利の10年債が主流であ
るが、原則60年償還を前提としており、償還時期に借
換債を発行して借換される。ちなみに平成27年では
116兆円程度の借換債発行が予定されていた。
だから、金利が上昇し、新発債や借換債を償還前の
国債より高い金利で発行しなければならないと利払い
は増加することは間違いない。
利払いが税収の何%に達したら、その国の財政が破
たんしたと言えるのか明確な基準は見当たらないが、
20%を超えれば危機的水準と言わざるをえないだろう。
つまり、現在利払い費が税収の15%を超える日本にと
って長期金利が上昇することが危機であることは否定
できない。
それでは本当に長期金利が上昇するリスクは高いの
だろうか。
日銀が国債を購入し続ける限り、投資的な仕掛けを除き
国債の需給関係で国債価格が低下し長期金利が上昇す
るリスクは低い。
可能性があるのは、将来の短期金利の推移や物価変動
長期資金を投じて行う設備投資の収益などについての
「予想」に基づく金利の上昇である。
短期金利については日銀のコントロールが可能なの
で、問題は物価と設備投資であるが、現状では資源
価格の継続的な上昇や、設備投資の収益率拡大は
世界的にも日本単独でも困難であり、数年以内とい
う期間を前提とすれば、長期金利の上昇可能性は少
ない。
しかし、10年20年という期間を前提にすれば、何らかの
方法で税収と利払いのバランスを改善することが必要で
あることは否定できない。
当面考えられる手段としては、国債の償還期間を10年
ではなく長期化することである。
低金利の今の内に50年から100年程度の固定金利
債券に変更することに成功すれば、将来の長期金利
上昇リスクへの備えになる。
既にアイルランド等の国が100年債を発行している。
金利が上昇すれば大変なことになる。
これは日本の財政危機を強調する立場の者から良く
聞く話である。これについて考えてみよう。
平成27年度の利払い費は8.8兆円であり、税収56
兆円の15.7%を占める。ピーク時点の平成3年度は
11兆円であり、税収60兆円の18.3%よりはましで
ある。ちなみに27年度のアメリカの利払い費は3027
億ドルで社会保障税を除く歳入の12%
日本国債はほとんどが固定金利なので、金利が上昇
しても既発行債の利払いには影響はなく、単に金利が
上がったから利払い負担が増えるということはない。
しかし、日本の国債は固定金利の10年債が主流であ
るが、原則60年償還を前提としており、償還時期に借
換債を発行して借換される。ちなみに平成27年では
116兆円程度の借換債発行が予定されていた。
だから、金利が上昇し、新発債や借換債を償還前の
国債より高い金利で発行しなければならないと利払い
は増加することは間違いない。
利払いが税収の何%に達したら、その国の財政が破
たんしたと言えるのか明確な基準は見当たらないが、
20%を超えれば危機的水準と言わざるをえないだろう。
つまり、現在利払い費が税収の15%を超える日本にと
って長期金利が上昇することが危機であることは否定
できない。
それでは本当に長期金利が上昇するリスクは高いの
だろうか。
日銀が国債を購入し続ける限り、投資的な仕掛けを除き
国債の需給関係で国債価格が低下し長期金利が上昇す
るリスクは低い。
可能性があるのは、将来の短期金利の推移や物価変動
長期資金を投じて行う設備投資の収益などについての
「予想」に基づく金利の上昇である。
短期金利については日銀のコントロールが可能なの
で、問題は物価と設備投資であるが、現状では資源
価格の継続的な上昇や、設備投資の収益率拡大は
世界的にも日本単独でも困難であり、数年以内とい
う期間を前提とすれば、長期金利の上昇可能性は少
ない。
しかし、10年20年という期間を前提にすれば、何らかの
方法で税収と利払いのバランスを改善することが必要で
あることは否定できない。
当面考えられる手段としては、国債の償還期間を10年
ではなく長期化することである。
低金利の今の内に50年から100年程度の固定金利
債券に変更することに成功すれば、将来の長期金利
上昇リスクへの備えになる。
既にアイルランド等の国が100年債を発行している。