Creator's Blog,record of the Designer's thinking

フィールドワークの映像、ドローイングとマーケティング手法を用いた小説、エッセイで、撮り、描き、書いてます。

最近のドローイング22. 身勝手な東京人

2011年03月11日 | drawing
 京都人は、見ず知らずの人間に声をかけるのが好きだ。先日も病院のエレベータに乗っていたら、医療機器を引っ張ってきた業者が乗ってきた。降りしなに、乗り合わせた若い妊婦に「よい子産んでおくれやす」といって、機器をひっぱって降りていった。どこかホットな風景だ。こういう暖かい挨拶を、見ず知らずの人間から受けることは京都人に多い。
 それに引きかえ東京人は、まず見知らぬ他人に言葉をかけることがない。言葉をかけるときは、昨日もブログにかいたように、喫煙できる飲み屋で「すいませんが、たばこやめてくれます!」とか、車中で私が車窓を楽しんでいるときに「まぶしいからカーテン引いてくれます」といった類の、つまり自分の願望を満たすときだけ赤の他人に声をかけるわけだ。それも自分の願望に赤の他人を従わせようとする、まことに身勝手でわがままな性格の東京人である。当然本人は、それがわがままだとは思っていないのであるから不作法の最たるものだ。だから、私などは喧嘩を売っているのかと思うぐらいだ。
 私も東京の古い町で生まれ育ったので、もちろん東京に古くから住んでいる人は、そのあたりの、あ・うんの呼吸がわかる人間も多いのだが、田舎から東京にでてきて開放感のあまり不作法なまま暮らしていると、突然変異のように身勝手な東京人ができあがるのかもしれない。

2011年3月10日,F6,5分ポーズ.
OLYMPUS PEN E-PL1,17mm/f2.8
ISO200,露出補正+1.5, f3.5,1/90, iFinish
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