旧北前船主:酒谷長兵衛宅が北前船の里資料館になっている。ここが海に最も近く、建築形態がよく地域の風土を表している。さて画像をと思ったが、狭隘な路地からは建物が大きすぎて画面に入らないと、思っているうちに撮りそびれてしまった。
でも昔船頭だったと思われる周辺の民家をみると、この地方の建築の特徴が垣間みられる。農家を基本にしているから、壁は真壁造の土壁で仕上げられている。その土壁の上に北前船で用いられた水に強い木材で、板張りがされている。そうしたなかば二重の材料によって風雨を耐えしのごうという造りである。それが海岸沿いに立つ特徴ある建築形態として成立している。つまり海をさけて暮らそうというのが基本的考え方であった。
海を眺めながら暮らしたいというのは、ライフスタイルが変わった現代住宅である。そのなかで傑作は、建築家吉村順三の設計による、湘南秋谷の家と称される建築が秀逸である。まず堤防の上に家をつくる事自体がユニークだか、台風や強風や錆の対策として壁と屋根がコンクリートであり、海に向けて設けられた大きな開口部は、強固なガラスと雨戸とで守られている。家自体が防波堤のようだ。しかしそこでは、相模湾の波の音、磯の香り、新鮮な空気を十分に暮らしの中で感じることが出来る。
これらは建築材料の変化が要因としてあるが、それ以上にデザインの考え方、さらには人間の考え方次第なのである。風土に即して言えば、海とどう向き合うかなのである。海を避けるもよし、眺めるもよし。ただしそれによって使われる建築材料とデザインは全く違ってくるのである。
加賀市橋立,2012年9月27日
OLYMPUS OM-D E-M5,M.ZUIKO DG14-150mm.F4.0-5.6,
ISO250,焦点距離52mm,露出補正-0.3,f5.6,1/125,リーニュクレール
でも昔船頭だったと思われる周辺の民家をみると、この地方の建築の特徴が垣間みられる。農家を基本にしているから、壁は真壁造の土壁で仕上げられている。その土壁の上に北前船で用いられた水に強い木材で、板張りがされている。そうしたなかば二重の材料によって風雨を耐えしのごうという造りである。それが海岸沿いに立つ特徴ある建築形態として成立している。つまり海をさけて暮らそうというのが基本的考え方であった。
海を眺めながら暮らしたいというのは、ライフスタイルが変わった現代住宅である。そのなかで傑作は、建築家吉村順三の設計による、湘南秋谷の家と称される建築が秀逸である。まず堤防の上に家をつくる事自体がユニークだか、台風や強風や錆の対策として壁と屋根がコンクリートであり、海に向けて設けられた大きな開口部は、強固なガラスと雨戸とで守られている。家自体が防波堤のようだ。しかしそこでは、相模湾の波の音、磯の香り、新鮮な空気を十分に暮らしの中で感じることが出来る。
これらは建築材料の変化が要因としてあるが、それ以上にデザインの考え方、さらには人間の考え方次第なのである。風土に即して言えば、海とどう向き合うかなのである。海を避けるもよし、眺めるもよし。ただしそれによって使われる建築材料とデザインは全く違ってくるのである。
加賀市橋立,2012年9月27日
OLYMPUS OM-D E-M5,M.ZUIKO DG14-150mm.F4.0-5.6,
ISO250,焦点距離52mm,露出補正-0.3,f5.6,1/125,リーニュクレール