Creator's Blog,record of the Designer's thinking

毎月、おおよそドローイング&小説(上旬)、フィールド映像(中旬)、エッセイ(下旬)の3部構成で描き、撮り、書いてます。

ドローイング962..小説:小樽の翠867.流民

2025年02月05日 | field work

 翠は休みだ。といっても勤務のローテーションだから今日は平日だ。世間の休日とズレたところがアチキ的に素晴らしい。
そして朝早く起きた。
翠「海岸を散歩してみようか・・・」。
あいかわらずアウトドア志向だ。ならば雪積もる銭函海岸へでかけてみよう。幸い雪は降り止んでいるが空は曇天だ。函館本線の電車がトロトロと内海を走り抜けてゆく。
海岸へ続く道も雪だし、朝だから踏み固められてないので足がブツブツとしずむ。小さな堤防風を越えると荒れた冬の日本海だ。
「冬の海は、すごい力で荒れている」。
翠「なんか怖いぐらいに海が吠えているよん」。
「海岸で青姦ですかぁー・・・・」
翠「オッシリがしもやけになりそうだよー。今日は寒すぎるよ・・・、翼君のコテージは空いているかなぁ?」。
「今年はコテージの仕事は、お休みだってさ。沖縄へゆく準備で忙しいらしいよ」。
翠「小樽を離れてゆく人達が多くなったなあ」。
「最後に小樽に残るのは翠の周りだけだったりしてさ・・・。それが人間の定めかな。流民なんだよ、我々は。」
翠「流民が冬の海を眺める。映画みたいだな、アチキー・・・風が痛いよ・・・!!!」。
「また風が強く吹き出したか・・・・、雪が降る前に帰ろうよ!。青姦どころではなかったな」。
翠「お家で青姦・・・」
「なんだ、それは・・・」
強い風の海沿いの通をぬけて銭函の駅にたどり着いた。
30分に1本は列車がある。
早々にナンタルに向かった。
・・・
小樽も午後から雪がまた降りだした。
コメント
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