過去に制作したオブジェクトをVueで展開した。これは21世紀の初めに行った中国のプロジェクトだった。都市計画では計画している都市人口を各街区に貼り付けながら街区の詳細計画ができる。そのときの一部で高層居住街区の提案だった。上海での打合せでは、限られた土地に人口5万人の都市をつくれ!、1住戸1,000㎡の邸宅もつくれ!!、無理難題ばかり。
じゃあ邸宅も造るが超高層街区もつくろう。そうしないと限られた土地に人口5万人は入らないよ、私はそういった。当然私もこんな風景は好きではないが、それでもつくった。そのときの街区提案を、今回新たに3DCG化したものである。
提案は、低層部と高層部で構成され。低層部は15階建ての集合住宅。全ての住戸が一定の方向を向けるように建築のデザインをおこなっており、建築構造が、手前と奥とて角度が異なり、外からみれば傾いているように見える。これを二つ背中合わせにして構成している。背後はいわずとしれた40階建ての高層集合住宅だ。
傾いたように見える建築というのは私のコンセプトだが、これに中国人ディベロッパーは目を剥いた。限られた土地に大きな邸宅をつくるならば、こうした高密度集合街区を3つつくらないと、人口5万人の都市にならないよ、といった。
その後このプロジェクトは、私達の手を離れ実現されていったがGoogle mapでみると、小さな戸建て住宅の切り売り状態の街ができいった。もちろん人口5万人の都市ではない。
こうした高密度集合街区は、私のテイストではない。後に広州の大学で中国の若い建築学生達に講義をしたときには、こんな高密度街区は、既に時代遅れだと講釈した。にもかかわらず中国は、その後高密度街区の建設に邁進し、そして経営破綻を引き起こした。
この低層集合住宅は、全ての住戸が一定の方向を向いており、景観と日照の確保のためである。そして建築自体が手前と奥とで傾斜角が違い、つまり傾いて倒れそうな建築である。これを二つ背中合わせにして構成している。これが私のこだわったコンセプトである。倒れそうに見える建築も面白いではないか。
この後、倒れそうな建築コンセプトは、シンガポールのマリーナベイサンズで他者の手によって実現されている。韓国建設会社が施工したから倒れるぞとYouTubeで盛んに話題になっている。ビー玉をもってこのホテルに宿泊した動画がアップされていた。もちろんビー玉は動かない。ああっ、外国にも文科系人種がいたのかと私は笑った。
現代社会は科学の時代だよ。あまりにも稚拙なことをメディアで披露してほしくないですね。
使用ソフト:Strata Design&Vue2024
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