
朝アチキは、窓から外の風景をみている。
今年の小樽は豪雪だ。昨年より積雪量が多い。
翠は、日勤だからすでに病院へ出勤した。
つくっておいてくれたジャムサンドと夕べの鍋の残りのスープで朝飯だ。
メールが入っていた。青森のリュウ君からだった。
青森の人は、豪雪ぐらいでは行動が止まることはない。
それにしても毎月のインポの治療にしてはすこしはやないか・・・。
なにしろ靑森市は過去に3m以上積もった事もあった。
心よくお昼を食べる約束をした。
ナンタルのいつもの小さなレストラン風カフェのテラスは雪が積もったまま埋まっている。それでも店はやってる。多分雪の時は、仕事も休みのこともあるからみんな暇だからお茶を飲みに来るのだろう。
「こんな豪雪でどうやってきたの?」
リュウ君「海は荒れているから船は欠航だよん。鉄道は疑わしい。だから飛行機さ。青森空港はほとんど欠航しないよ。朝一の飛行機で新千歳にやってきた。それはそうとさ・・・、娘に彼氏ができたんだ。」
「高校生ならできるだろう。」
リュウ君「娘がフィリピンの上さんと相談していたんだ。」
「ほう、一々相談するとは殊勝な娘さんじゃないですか。」
リュウ君「それがさぁー・・・、つまり先ず彼氏に欲しいものをねだりなさい。次に結婚を約束しなさい。その次に家を建ててもらいなさい。それがOKならセックスしてよい、というわけだよ。」。
「将来、そうなら望ましいジャンか・・・」。
リュウ君「それが、いまそうしろというわけだよ」。
「はあ!?、ソレデ相手は?」。
リュウ君「同じ高校の3年生。今年卒業して地元の公務員になるんだってさ」。
「じゃ、可能かぁ・・・」
リュウ君「だからねぇー、アチキと翠さんに友人の一人として娘の結婚式に出席してよ。これ招待状!。マイクロバスで送迎するからさぁー・・・。」
「もちろんめでたいから翠と一緒に出席させていただくけどさぁー、なになに!、モヤヒルズの食堂だって・・・か。そこ雲谷峠の麓のスキー場じゃん」。
リュウ君「嫁がフィリピンから10人も親族を呼ぶので雪を見せたい、スキーもやりたい、というので・・・。」
「雪って・・・!?、いつ結婚式をするんダよ!」。
「2週間後。あそこコテージが6棟あって泊まれるからさ。だから嫁と親戚達が料理をつくって持ってゆくんだって。所帯道具の鍋、釜、コンロ、カラオケセットを秋葉原で調達して・・・。アチキのコテージもとっておくからさ・・・。翠さんと一緒におこしください」。
「OK。まあ所帯道具持参で、昔のステップで結婚するわけだ」。
リュウ君「そうだよ。結婚式の後は初夜だってうちの嫁と騒いでいた」。
「まあ、微笑ましいこと」。
リュウ君「そしたら、うちの嫁が『パパマネー』だって。結婚式の費用はかからないけど、親族を呼ぶ往復の交通費とか、レンタカーの借りっきりの費用とか、コテージに泊まるから料理とか、アパートがいる、所帯道具は親戚達のギフトだ。それで嫁は早速不動産屋にでかけて新居を決めてきたよ。」
「超スピーディー。」
・・・
小樽も豪雪の中だ。結婚式の会場も八甲田山の麓だから雪が多いだろうな。
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