いま仕事が終わったあと仲間達と、電気自動車の試作品をつくっているんだって。そういって優子さんがスマホで、一太郎君のク・ル・マをみせてくれた。
「ニューモデルだ!。随分と格好がいい!、前より進化したじゃん!!」
優子「そうなのかしら、私クルマのデザインなんか全然わかんないのよ。それでぇー最近、彼はこれに没頭しているわけ。ボディはFRPだって。なにそれ!?、の世界よ。何でもガラス繊維を何枚も貼り合わせて加工するんだって。ボディはガラスなのといったら、首を振ってものすごく堅いプラスチックだって。私もうすぐ生まれそうだというのに、彼は、今これよ!」
「あら、電気自動車なのに排気口がバッチリあるよ、何これ?」
優子「ああっ、それ室内の空気の排気をするんだって」
「ふぅーーん、でっ、走るの?」
優子「一応充電すれば、動くらしいの。バッテリーの置き場がないといって嘆いていたわ。なんでも車体の半分ぐらいはバッテリーなんだって。だからもう子供ができる事なんかすっかり忘れて、こっちに夢中なの・・・」
「まあ、エンジニアなんて、そんなものさ。子供ができたらできたで、不思議な顔をして育てると思うけどなぁー」
優子「そうであって欲しいけどねぇー。私も美容師の仕事があるから実は、どこかで夢中になるものがあってよかったって思っているの。うぅーーん・・・」
そういって優子さんは、アチキの手を握って座り込んでしまった。
つわりだ・・・・。
「オッ!、生まれるか!!」
優子「ま・だ・よぉーー・・・、ウウッ、動いている、一寸ジッとしてれば治るから、手を握ってて!」
そんなわけで、類の時と同様に、また亭主の代理をさせられてしまった。
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