リュウ君の話の続き
「インポでフィリピーナの奥さんから失望されない?」
リュウ君「あいつは、そんなことはどうでもよいことだって」
「それはまた優れた見識だけど、どうして?」
リュウ君「多分、彼女は苦労人なんだよ。両親が早く死んじゃったし、それで親戚達のベビーシッターをしながら、学校に通っていたんだ。それも高校ぐらいになると学校に行く時間がなくて、中退したから学歴はないよね。だけど小さいときから、いろんな苦労をして育ったてきたんだよ」
「苦労人なんだ」
リュウ君「苦労人だから、人の心が読めるんだろう。例えば僕がPCで仕事をしているじゃん。するとあいつは、済まなさそうにこう言うんだ『私の事で悩むことがありますか?』だって。でっ、僕がどうしてって尋ねたら『貴方は眉間に皺をよせているじゃないですか』というわけだ。まだあるよ、僕が朝仕事に行こうとしたら、解熱剤を持ってくるんだ。『あなたは熱がある。この薬が4時間効く』というわけだ。たしかにそのとき僕は熱があって仕事を休もうかなと考えていたときなんだ。ベビーシッターをしていたから、相手の状態が敏感にわかるんだ。そういうことがシームレスにできるんだよ」
「人の心が読める・・、それは苦労人しか出来ないことだよね」
リュウ君「日本人の女性のように教養があって、セックスも旨くても、人の心がわからない女って沢山いるじゃないですか」
「仮面夫婦が多いからね。仮面というのは言葉だけの愛情ね。社交辞令といってもよいかな。心では愛さない夫婦ね。今は、そんなのばかりでしょう」
リュウ君「人の心が読めないから、みんな仮面でとりつくろうわけだよ。だけど僕の妻は小さいときからの苦労人だから、人の心を察する能力がおのずと磨かれてきたんだ」
「子供って大人の反応に敏感だよね、そこで苦労して、我慢して、そして人の心を読む力を成長させていった。今の日本の子供達には、まずない感性だよね」
リュウ君「それは、日本の教養ある女達よりも勝っていると思うよ」
「いい女だよね」
リュウ君「うん、僕には宝物だよ。おのろけかなぁー」
「いやいや。大切にしてあげてくださいね」
リュウ君の話は、心が温まる。
そんな午後の時間を過ごしてリュウ君は、最愛の奥さんの元へ帰ってった。
すこし心がホットな気分で、ナンタルの坂道を上がっていった。
小樽も木々が色づき初めてすっかり秋だねーーー。
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