

知床、初秋のオショロコマ その弐
オショロコマをすべて丁寧にリリース
20XX-9-23 (木) 曇り
知床半島のN川上流域でワゴン車が一台止まってたき火をしていた。
山仕事をしているとおぼしき60歳台の男性が昼食の用意をしていた。
川には20歳台の息子と何故かスカート姿の母親がいて息子はせっせとルアー竿を振っていた。
朝からがんばって釣ったという15cmほどのオショロコマ2匹をビニール袋に入れていた。昼ご飯のおかずに焼いて食べるという。
私たちが次々とオショロコマを釣るのを目を丸くしてみていた。彼の仕掛けではオショロコマをゲットするのはなかなか大変であろう。
ここで20匹ほど釣って撮影。ここのオショロコマは知床を特徴ずけるヒレや腹部が真紅になるものはおらず、どちらかというと斜里川水系などと同様の一見地味な外見である。



































斑紋は特定のパターンに収束する傾向はない。いまだ遺伝子の多様性を保っているかに見える野性的な個体群である。
ルアー竿の息子は、私たちがいつも通りにオショロコマをすべて丁寧にリリースするのを不思議そうに見ていた。
この渓流も他の知床の渓流と同じく、多数のダム群その他で棲息環境は悪化の一途で、個体数も年々明らかに減少傾向にある。ここのオショロコマを釣って食べるのはなんとか控えていただけませんかと、哀願しておいたが どうなるか。
この時の釣りでF氏は愛用の竿を折ってしまってガックリ。

この項、続く。

