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20XX-7-13 晴れ
多数のダムで生息水域を分断された斜里川水系オショロコマの異常型
錦鯉オショロコマと扁平頭オショロコマ
ここでは最近、異様なオショロコマが見られる。背部は黄色タイプの普通の斑紋だがそれ以外の部分は斑紋が消え失せてヒレまで含めて暗灰黒色一色の不思議な奇形(斑紋異常)だ。そこだけ正常斑紋が欠損している。背部の健常部分の黄色紋様が金色に輝いてまるで錦鯉のように見える。このタイプの斑紋異常はこの付近の斜里川源流域に独特のもので、私たちは錦鯉タイプの斑紋異常と名付けている。( 斜里川水系のオショロコマ異常型 ヒレ、魚体に暗青色斑が出現 参照) 斜里川水系源流域では一回の釣り行でこのタイプの斑紋異常型個体は大抵1-2匹が釣れる。






また多数のダムで生息水域を際限なく分断された斜里川水系における源流域のオショロコマの遺伝的異常を示唆する個体として頭部が扁平になった扁平頭オショロコマも時々見られる。図示するように不気味な感じの異常型個体である。


この日はオショロコマ40匹ほどを釣って水中で手早く撮影し、全て丁寧に元の場所にリリースした。40匹中3匹に遺伝的異常がみられたが、もし人間社会でこんな頻度で奇形が出れば、さぞかしおぞましいと思うだろう。魚も同じだ。
斜里川上流~源流域には信じられないほど多数のダムがありダムのすぐ上・下流はもちろん、水系全域において原始河川環境を破壊している。
アメマス、ヤマベ(孵化・放流事業によるものは除く)、オショロコマが激減していることはもちろんのこと、場所によっては河床低下による乾燥化で川のみならず河畔域に生息するあらゆる生物(樹木・草本、カエル、エゾサンショウウオなど両生類、湿地の生物、トンボ、ザリガニ etc. etc....)に限りない悪影響を与えていると思われる。
最近の知床半島羅臼川などの大改修工事( 知床自然遺産指定をはずされることを恐れ、川を全て大破壊し巨額の費用をかけて多数のダムを魚道付きダムに造り直した。その結果、川全域がダムになった感じ。)の惨状は目にあまるというよりあまりにも本末転倒、陳腐、もはや苦笑いするしかない。
おびただしい数のダム建設により、さしあたって多少の、ごく目先の利益や面目が確保され、土建屋さんは仕事が確保され、関係省庁 etc. は存在意義が多少確保され、一見すべてが丸く治まってありがたいかに見えても、長い目でみればそれの何倍もの貴重なものを失っているような気がしてならない。
今の日本では残り少なくなった貴重な自然を食いつぶしてまでお金を得る行為はそろそろ限界だと思う。
物事の価値を目先のお金でしか判断出来ない人たちには馬の耳に念仏だが、さしあたって目につく問題として天塩川水系最後の天然サクラマス聖地を破壊するサンルダム建設は絶対にやめるべきだと思う。たとえばサンルダムによって永遠に失われる自然の価値を金銭価格に換算すれば、ダム建設で得られる多少の利益(本当になにかあるのかな???)を遙かに凌駕していかに巨大になるかは小学生でもわかる算数になるのではなかろうか。
たまりにたまった斜里川のオショロコマの写真整理をしているうちに、北海道の渓流の悲しい現実が浮き彫りになり、なんだか腹がたちはじめた。そのため、話が膨らんで、ついに知床羅臼川の大破壊やサンルダム反対にまで大きく脱線してしまった。
物事には多面性があり、立場が変われば意見も変わります。上記の意見は私たちの率直な意見であり別の視点からの意見はきっとあるでしょう。ただ、最近5年間、北海道内各地の渓流の現実を春夏秋冬にわたって多少ともこの目で見てきたという自負心が私たちにはあります。私たち以外にはこのような経験のある方はきっといないでしょう。
実は斜里川のダム建設による問題点は単に魚の激減や上記の遺伝的異常のみではありません。今現在斜里川源流域のオショロコマには、さらに恐ろしいことが起こってきています。近日中にそのおぞましい実態をお知らせします。
この日、斜里川沿いの林道にはミヤマカラスアゲハ春型が多数吸水に集まり、水たまりや湿った地面に集団を作っていた。今日はまだ新鮮な美しいカラスアゲハ、ミヤマカラスアゲハが多い。




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