
2006-7-22 曇り のち小雨
熊出沢川から荒れた林道を30分ほど走って山ひとつ越えて渚滑川水系の別の支流原子川源流域へ向かった。この川はこれまで何度か撮影に入ったことがあるがこの時期は初めてだ。林道沿いの森の中にはあちこちに今が盛りのウバユリがきれいに咲いていた。原子川源流域のうっそうとした緑濃いオショロコマの森の中は圧倒的な緑のエネルギーで息がつまりそうだ。この渓流のオショロコマは、かなり一定な傾向の外見的特徴がある。全体的な色調は黄褐色調だ。赤点紋理とヒレ、および腹部の着色は淡いオレンジ色。腹部は赤くはならない。背部虫食い紋理は細かく特に項部は細かくなる。背ビレの紋理はとても良く発達している。この渓流独特の色調・斑紋の個体群と言える。この渓流にはオショロコマしか棲まないが、何故か釣り人の痕跡が濃厚だ。糸付き針の紙ケースや、木の枝に引っかかって切れた仕掛けや、ウキのついたまま木の枝に引っかかって放置された仕掛け、釣りエサの入っていたケース類、その他のゴミがあちこちに見えて目障りだ。当然ながら、そんなところにはオショロコマは少ない。このような場荒れした渓流では、川を知り尽くしていることの他に、オショロコマに関して相当な知識と経験がなければ沢山の個体に会うことは出来ないだろう。一見立派な渓流だが一般の釣り人がよく入る水域の場荒れは目にあまる。今日は約100匹ほどを釣って水中で手早く撮影した。撮影させていただいたオショロコマたちは全て丁寧にもとの場所にリリースした。ウバユリの多い熊出沢川と異なり、この川の流れる森には今が最盛期の薄青色のヤマアジサイの花が多かった。朝から湿度が高く、曇っていたが夕方からは小雨が降り始めた。

































