ジャズ誌「Jaz.in」に岡崎正通氏が「Close Up ! Jazz Composer’s」を連載している。2月26日発売の017号は「スタン・ケントン楽団を再評価しよう」だ。アート・ペッパーやケントン・ガールズを追いかけた時にかなり聴きこんだ。ジャズ喫茶に置いていないし、国内盤は数枚しか出ていない、輸入盤も多くはない頃だったので音源を探すのに苦労した。
「Discogs」によるとリイシューを含めてだがアメリカでは500以上のタイトルが並ぶ。一方日本はCD時代でも国内プレスは10枚にも満たないのだ。これほど本国と日本の評価と人気が著しく違うのは珍しい。岡崎氏が指摘している通り、難解さが付きまとっているからだ。エリントンやベイシーのように身体で感じるスウィング・バンドではなく、コンサートホールで厳かに鑑賞する音楽だ。ジャズ喫茶向きでもなければビッグバンドが手本にするスタイルでもないから現在まで大きく取り上げられたことがないのだろう。
これから聴いてみようという方にお勧めは1955年録音の「Contemporary Concepts」でスタンダードに魔法をかけた演奏だ。前後するがペッパーを始めメイナード・ファーガソンやシェリー・マンの名を曲名にしている50年の「Stan Kenton Presents」は、縦横無尽なソロと耳に鮮やかなアレンジを満喫できる。そしてタイトルからして新しい「New Concepts Of Artistry In Rhythm」は何と52年だ。46年から51年までの音源をまとめたアルバムは「A Presentation of Progressive Jazz」である。常に急進的なスタンスを保っていたのだ。
斬新な音楽を創造し続けたことが一番に評価されるが、誕生しては消えていく大所帯のビッグバンドを長年に亘り安定経営したのが凄い。ジューン・クリスティとデュエット・アルバムを作るほどのピアニストとしての感性も見逃せない。そしてジャズ史を彩る多くのソロイストやヴォーカリストを育てた。その功績を絶賛されても「彼らの実力です」とケントンは謙遜したという。
「Discogs」によるとリイシューを含めてだがアメリカでは500以上のタイトルが並ぶ。一方日本はCD時代でも国内プレスは10枚にも満たないのだ。これほど本国と日本の評価と人気が著しく違うのは珍しい。岡崎氏が指摘している通り、難解さが付きまとっているからだ。エリントンやベイシーのように身体で感じるスウィング・バンドではなく、コンサートホールで厳かに鑑賞する音楽だ。ジャズ喫茶向きでもなければビッグバンドが手本にするスタイルでもないから現在まで大きく取り上げられたことがないのだろう。
これから聴いてみようという方にお勧めは1955年録音の「Contemporary Concepts」でスタンダードに魔法をかけた演奏だ。前後するがペッパーを始めメイナード・ファーガソンやシェリー・マンの名を曲名にしている50年の「Stan Kenton Presents」は、縦横無尽なソロと耳に鮮やかなアレンジを満喫できる。そしてタイトルからして新しい「New Concepts Of Artistry In Rhythm」は何と52年だ。46年から51年までの音源をまとめたアルバムは「A Presentation of Progressive Jazz」である。常に急進的なスタンスを保っていたのだ。
斬新な音楽を創造し続けたことが一番に評価されるが、誕生しては消えていく大所帯のビッグバンドを長年に亘り安定経営したのが凄い。ジューン・クリスティとデュエット・アルバムを作るほどのピアニストとしての感性も見逃せない。そしてジャズ史を彩る多くのソロイストやヴォーカリストを育てた。その功績を絶賛されても「彼らの実力です」とケントンは謙遜したという。