そこにジャズの神様がいたとしか思えない出会いがある。例えばキャノンボール・アダレイとウェス・モンゴメリー。キャノンボールがツアー中、インディアナポリスでギグがはねたあと地元のジャズクラブを訪れたとき聴いたのがウェスだ。そのテクニックに驚いて早速、親分のオリン・キープニュースに「ビッグニュースでっせ」と電話をする。地方で羽目を外して女遊びにでも興じていたならウェスのデビューはなかったかも知れない。
同じくギタリスト、グラント・グリーンをセントルイスで聴いたのはルー・ドナルドソンで、「グリーンを元気よく走り回っている若獅子です」とライオンに紹介する。粒立ちのシングルトーンに魅せれたライオンは、ブルーノートのオールスターを次から次へと組み合わせてレコーディングをはじめた。リーダー作だけでも20枚近くあるし、恩人のルーはもとよりハンク・モブレイ、リー・モーガン、ハービー・ハンコック、親戚でも何でもないがドド・グリーンのヴォーカルにも参加している。ブルーノートというレーベル自体駄作はないが、グリーンの参加アルバムも然りだ。
数あるグリーンの作品中一番売れたのは、一般受けするジャケットと当時の大ヒット曲をタイトルにした「I Want to Hold Your Hand」と思われる。売るためのタイトル曲はともかく、「Speak Low」や「Stella By Starlight」というスタンダード中心の選曲と、曲によりモブレイも入っているがオルガンのコルトレーンとも称されたラリー・ヤングとエルヴィン・ジョーンズの参加はソウル系が苦手なジャズファンも納得の1枚といえるだろう。ベストトラックは「This Could Be The Start Of Something Big」で、軽快ながらブルージーなギター、オルガン、ドラムという編成の妙を味わえる。
方やオクターブ奏法、方や甘美なシングルトーンでジャズギター界を牽引した二人だが、後期は同じような道を辿った。「California Dreaming」に「A Day In The Life」、「Main Attraction」に「Easy」とイージーリスニング・ジャズに路線変更したことで、リヴァーサイドやブルーノートのファンからそっぽを向かれる。一方、理屈抜きで楽しい作品からジャズに入った人もいるだろう。ともに間口を広げた偉大なギタリストである。
同じくギタリスト、グラント・グリーンをセントルイスで聴いたのはルー・ドナルドソンで、「グリーンを元気よく走り回っている若獅子です」とライオンに紹介する。粒立ちのシングルトーンに魅せれたライオンは、ブルーノートのオールスターを次から次へと組み合わせてレコーディングをはじめた。リーダー作だけでも20枚近くあるし、恩人のルーはもとよりハンク・モブレイ、リー・モーガン、ハービー・ハンコック、親戚でも何でもないがドド・グリーンのヴォーカルにも参加している。ブルーノートというレーベル自体駄作はないが、グリーンの参加アルバムも然りだ。
数あるグリーンの作品中一番売れたのは、一般受けするジャケットと当時の大ヒット曲をタイトルにした「I Want to Hold Your Hand」と思われる。売るためのタイトル曲はともかく、「Speak Low」や「Stella By Starlight」というスタンダード中心の選曲と、曲によりモブレイも入っているがオルガンのコルトレーンとも称されたラリー・ヤングとエルヴィン・ジョーンズの参加はソウル系が苦手なジャズファンも納得の1枚といえるだろう。ベストトラックは「This Could Be The Start Of Something Big」で、軽快ながらブルージーなギター、オルガン、ドラムという編成の妙を味わえる。
方やオクターブ奏法、方や甘美なシングルトーンでジャズギター界を牽引した二人だが、後期は同じような道を辿った。「California Dreaming」に「A Day In The Life」、「Main Attraction」に「Easy」とイージーリスニング・ジャズに路線変更したことで、リヴァーサイドやブルーノートのファンからそっぽを向かれる。一方、理屈抜きで楽しい作品からジャズに入った人もいるだろう。ともに間口を広げた偉大なギタリストである。