今月1日に亡くなられた森寿男さんが、1970年にブルーコーツの三代目リーダーに就任したとき抱負を述べている。「いざリーダーになって改めて人間関係など、責任の重さを感じています。近ごろはフル・バンド界にもかなり新風が吹きこまれているようですが、当ブルーコーツは、機械的ではなしに、あくまでも体で感じさせる暖かみのあるジャズを演奏していくつもりです。」
瀬川昌久著「ジャズに情熱をかけた男たち ブルーコーツの70年」(長崎出版 2004年刊)から引いた。当時はフルバンドをバックにする歌手が多かったので、シャープ&フラッツやニューハードと並びブルーコーツもテレビやコンサートの仕事でスケジュールを追われていた。その忙しいなか、これぞブルーコーツ・ジャズと誇りうるものを録音したいと語っている。元々ベイシーやエリントンのジャンプ曲やブルース・ナンバーを十八番に据えて、ジャズ路線を印象付けてきたバンドなので、リーダー就任とともにこの路線の継承発展を宣言したのだろう。
「Dance along with Blue Coats Special」は、結成50周年記念のアルバムで、76年から77年にかけてレコーディングした3枚のLPからベスト曲を選択したCDだ。「Sentimental Journey」をはじめ「It's Been A Long, Long Time」、「Take the A Train」とお馴染みのナンバーが並ぶ。強力にスウィングするリズム陣とブラスのアンサンブルに身体が揺れるし、トランペットの北里典彦やアルト・サックスの五十嵐明要というベテランのソロは各段の味わいがある。SJ誌の人気投票ビッグバンド部門で、1952年から3年連続首位の座を獲得した矜持を見せる演奏だ。
1946年に発足した日本最古のビッグバンドからは黛敏郎をはじめ秋吉敏子、白木秀雄、笈田敏夫、ナンシー梅木、ダークダックス、上條恒彦等、数多くの音楽家が育っていった。その名門バンドを半世紀に亘ってまとめた森寿男は、2004年にSJ社の南里文雄賞を受賞している。ジャズに情熱をかけた男・・・享年90歳。ブルーコーツは今日もスウィングしている。
瀬川昌久著「ジャズに情熱をかけた男たち ブルーコーツの70年」(長崎出版 2004年刊)から引いた。当時はフルバンドをバックにする歌手が多かったので、シャープ&フラッツやニューハードと並びブルーコーツもテレビやコンサートの仕事でスケジュールを追われていた。その忙しいなか、これぞブルーコーツ・ジャズと誇りうるものを録音したいと語っている。元々ベイシーやエリントンのジャンプ曲やブルース・ナンバーを十八番に据えて、ジャズ路線を印象付けてきたバンドなので、リーダー就任とともにこの路線の継承発展を宣言したのだろう。
「Dance along with Blue Coats Special」は、結成50周年記念のアルバムで、76年から77年にかけてレコーディングした3枚のLPからベスト曲を選択したCDだ。「Sentimental Journey」をはじめ「It's Been A Long, Long Time」、「Take the A Train」とお馴染みのナンバーが並ぶ。強力にスウィングするリズム陣とブラスのアンサンブルに身体が揺れるし、トランペットの北里典彦やアルト・サックスの五十嵐明要というベテランのソロは各段の味わいがある。SJ誌の人気投票ビッグバンド部門で、1952年から3年連続首位の座を獲得した矜持を見せる演奏だ。
1946年に発足した日本最古のビッグバンドからは黛敏郎をはじめ秋吉敏子、白木秀雄、笈田敏夫、ナンシー梅木、ダークダックス、上條恒彦等、数多くの音楽家が育っていった。その名門バンドを半世紀に亘ってまとめた森寿男は、2004年にSJ社の南里文雄賞を受賞している。ジャズに情熱をかけた男・・・享年90歳。ブルーコーツは今日もスウィングしている。