アンドレ・プレヴィンと写っている女性は誰なのだろう?目元が何処となく似ているのでお嬢さんか。それともミア・ファローやベティ・ベネット、ヴァイオリニストのアンネ=ゾフィー・ムターとも結婚歴があるプレヴィンの新しい恋人か。等といらぬ詮索というよりも、数々の浮名を流したプレイボーイへの嫉妬と羨望に近い眼差しでジャケットをしげしげと見た。赤い傘が大きなアクセントになった構図的に優れたデザインである。
シルヴィア・マクネアーというアメリカのソプラノ歌手だ。クラシックには疎いので名前は知らなかったが、その分野ばかりでなくポピュラー・ミュージックの世界でも有名だという。プレヴィンもクラシックの分野で活躍しているので、この企画が持ち上がったものと思われるが、これが優れた内容で単なる顔合わせに終わっていない。クラシックの歌手というと高音が強調され、ポピュラー・ソングには向かない傾向にあるが、マクネアーは必要以上に高音を引っ張らず、抑えることでジャジー感さえ出している。そしてプレヴィンといえば、美女のバックでピアノを弾くのが嬉しくてたまらないといわんばかりだ。
サブタイトルにあるようにハロルド・アーレンのソング・ブックで、「虹の彼方に」をはじめ「ペーパー・ムーン」、「ストーミー・ウェザー」という有名なものから普段あまり歌われることがない曲まで20曲を集めている。特に素晴らしいのはタイトル曲の「降っても晴れても」で、作詞はジョニー・マーサーだ。対句を繰り返して愛の深さを訴える歌詞で、いつもはアーレンにメロディを書いてもらって、宿題のようにそれを持ち帰って翌日に歌詞を完成させたマーサーだが、この曲はアーレンの書斎でピアノのメロディに耳を傾けながらその場で作ったという。当初はヒットしなかった曲も今では大スタンダードになっているが、そんな曲ほどいとも簡単にできたりする。
ジャケットに惹かれて手にしたアルバムだが、収録曲を確認するために裏ジャケットを見て驚いた。こちらもマクネアーとプレヴィンのツーショットで、カバー裏らしく後姿を写しているのだが、これがいい。二人の歳は親子ほどの27歳離れているが、娘が年老いた父を支えるような愛情が背中から伝わっているようでほのぼのとする。昨今、顔をしかめたくなるエロ・ジャケットが跋扈するなか、粋を切り取った写真に頬が緩むだろう。
シルヴィア・マクネアーというアメリカのソプラノ歌手だ。クラシックには疎いので名前は知らなかったが、その分野ばかりでなくポピュラー・ミュージックの世界でも有名だという。プレヴィンもクラシックの分野で活躍しているので、この企画が持ち上がったものと思われるが、これが優れた内容で単なる顔合わせに終わっていない。クラシックの歌手というと高音が強調され、ポピュラー・ソングには向かない傾向にあるが、マクネアーは必要以上に高音を引っ張らず、抑えることでジャジー感さえ出している。そしてプレヴィンといえば、美女のバックでピアノを弾くのが嬉しくてたまらないといわんばかりだ。
サブタイトルにあるようにハロルド・アーレンのソング・ブックで、「虹の彼方に」をはじめ「ペーパー・ムーン」、「ストーミー・ウェザー」という有名なものから普段あまり歌われることがない曲まで20曲を集めている。特に素晴らしいのはタイトル曲の「降っても晴れても」で、作詞はジョニー・マーサーだ。対句を繰り返して愛の深さを訴える歌詞で、いつもはアーレンにメロディを書いてもらって、宿題のようにそれを持ち帰って翌日に歌詞を完成させたマーサーだが、この曲はアーレンの書斎でピアノのメロディに耳を傾けながらその場で作ったという。当初はヒットしなかった曲も今では大スタンダードになっているが、そんな曲ほどいとも簡単にできたりする。
ジャケットに惹かれて手にしたアルバムだが、収録曲を確認するために裏ジャケットを見て驚いた。こちらもマクネアーとプレヴィンのツーショットで、カバー裏らしく後姿を写しているのだが、これがいい。二人の歳は親子ほどの27歳離れているが、娘が年老いた父を支えるような愛情が背中から伝わっているようでほのぼのとする。昨今、顔をしかめたくなるエロ・ジャケットが跋扈するなか、粋を切り取った写真に頬が緩むだろう。