「Jazz Erotica」に「Moods In Jazz」ときたら次はあれだろう、と予想された方を裏切れないので、「The Hard Swing」を出した。これらの3枚はジャケットで売ろうというレコード会社の魂胆が見え見えではあるが、どこぞのレーベルの薄ぺっらな音の金太郎飴と違って中味もしっかりしている。ただ残念なことにこの類のジャケットは正統派ジャズファンからは好奇の目で見られるため蒐集の対象にならないし、聴かれることも少ない。
特にこのアルバムは1958年発売当時全て未発表音源とはいえオムニバスなので尚更である。このレコードをお持ちの方に購入動機をアンケート調査したとしよう。50パーセントはジャケ買いだ。次いで「Chet Baker and Crew」からの2曲が収録されていると答えた方が20パーセント。ボビー・ティモンズが参加したセッションだ。次いで10パーセントはジャズ・メッセンジャーズの「Ritual」で、ジャッキー・マクリーンのファンにとっては堪らないテイクである。あとの20パーセントはエルモ・ホープとジャック・シェルドン、ペッパー・アダムスのアルバム化されなかった音源が目当てだろうか。
タイトル通りハードにスウィングするトラックばかりを集めたもので、アレンジ重視のウエストコーストでは珍しい。この中では比較的地味なジャック・シェルドンを聴いてみよう。お馴染の「It's Only a Paper Moon」だ。シェルドンといえば1960年代に俳優として活躍した人だが、トランぺッターとしてもなかなかのもので一時はチェット・ベイカーのライバル的存在だった。アート・ペッパーのジャズ・ウエスト盤「The Return」でペッパーを鼓舞した溌溂としたプレイを思い出される方もあろう。ここではケニー・ドリュー、リロイ・ヴィネガー、ローレンス・マラブルのリズム隊を背にクリフォード・ブラウンと共演歴があるジョー・マイニと火の出るようなアドリブを展開している。
パシフィック・ジャズ、及びワールド・パシフィックには「Jazz West Coast Series」と題されたオムニバス・アルバムが10枚以上ある。そのほとんどに未発表曲が入っているので侮れない。今はCDでセッションの全貌を聴くことができるが、レコードは収録時間の制限から素晴らしい演奏でも已む無く没になったテイクが数知れずある。1曲を聴くためにオムニバス盤を買うのは最高の贅沢だった。
特にこのアルバムは1958年発売当時全て未発表音源とはいえオムニバスなので尚更である。このレコードをお持ちの方に購入動機をアンケート調査したとしよう。50パーセントはジャケ買いだ。次いで「Chet Baker and Crew」からの2曲が収録されていると答えた方が20パーセント。ボビー・ティモンズが参加したセッションだ。次いで10パーセントはジャズ・メッセンジャーズの「Ritual」で、ジャッキー・マクリーンのファンにとっては堪らないテイクである。あとの20パーセントはエルモ・ホープとジャック・シェルドン、ペッパー・アダムスのアルバム化されなかった音源が目当てだろうか。
タイトル通りハードにスウィングするトラックばかりを集めたもので、アレンジ重視のウエストコーストでは珍しい。この中では比較的地味なジャック・シェルドンを聴いてみよう。お馴染の「It's Only a Paper Moon」だ。シェルドンといえば1960年代に俳優として活躍した人だが、トランぺッターとしてもなかなかのもので一時はチェット・ベイカーのライバル的存在だった。アート・ペッパーのジャズ・ウエスト盤「The Return」でペッパーを鼓舞した溌溂としたプレイを思い出される方もあろう。ここではケニー・ドリュー、リロイ・ヴィネガー、ローレンス・マラブルのリズム隊を背にクリフォード・ブラウンと共演歴があるジョー・マイニと火の出るようなアドリブを展開している。
パシフィック・ジャズ、及びワールド・パシフィックには「Jazz West Coast Series」と題されたオムニバス・アルバムが10枚以上ある。そのほとんどに未発表曲が入っているので侮れない。今はCDでセッションの全貌を聴くことができるが、レコードは収録時間の制限から素晴らしい演奏でも已む無く没になったテイクが数知れずある。1曲を聴くためにオムニバス盤を買うのは最高の贅沢だった。