今年初めから素晴らしい映画に出会った。舞台は西部開拓時代のオレゴン州。背景に合わせたかのようにゆっくりとした展開の静かな物語だ。冒頭、イギリスの詩人ウィリアム・ブレイクの言葉「鳥には巣、クモには網、人間には友情」が引用される。そして、いきなりラストにつながるシーンが出てくる。ネタバレになるのでこれ以上は書けないが、厚い友情を描いた作品だ。
ライオネル・ハンプトン楽団で同じ釜の飯を食ったベニー・ゴルソンは、不慮の事故で亡くなったクリフォード・ブラウンを偲んで曲を書いた。ジャズの深い絆で結ばれたモンクとニカ男爵夫人。男と女の情を超えた莫逆の友なのだろう。映画の題材にもなったバド・パウエルと、フランス人デザイナー、フランシス・ポウドラの交流。「オレがトレーンの代わりに雇ったのは、すっかりヤクと切れて刑務所から出てきたばかりの古い友達ジミー・ヒースだった」と語ったマイルス。そのマイルスにハンク・モブレーでは心配だからと呼び出され、「Someday My Prince Will Come」のレコーディングに駆けつけた僚友コルトレーン。
ジャズ界には多くの友情物語がある。同時代のドラマーでライバル的にみられるジーン・クルーパとバディ・リッチだが、度々ライブやレコーディングで共演するほど仲がいい。「シング・シング・シング」のソロでドラムをリズム楽器から花形楽器に押し上げたクルーパ、片や映画「セッション」の主人公が目標にする速く正確に叩く超絶技巧の持ち主である。両雄並び立たずと言われるが、それだけに並んだ迫力は凄い。更にリッチの奥さんはクルーパの元恋人だという。ロック界ではジョージ・ハリスンとエリック・クラプトンとパティ・ボイドの関係が有名だが、男同士の「情」は時に男と女のそれを遥に超える。
映画館を出てジャズバーに向かう道すがら何人かの旧友の顔を思いだした。若いころ、マイルスの電化はどうのこうの、フリージャズの行方は、フュージョンはジャズを殺すと激論を交わした何十年も会っていない友。年賀状だけの付き合いになった飲み歩いた友人。麻雀卓を囲んだ遊び仲間。ビル・パーキンスの「Just Friends」をリクエストしようか。盟友リッチー・カミューカとの息の合ったアンサンブルが聴こえてきた。
ライオネル・ハンプトン楽団で同じ釜の飯を食ったベニー・ゴルソンは、不慮の事故で亡くなったクリフォード・ブラウンを偲んで曲を書いた。ジャズの深い絆で結ばれたモンクとニカ男爵夫人。男と女の情を超えた莫逆の友なのだろう。映画の題材にもなったバド・パウエルと、フランス人デザイナー、フランシス・ポウドラの交流。「オレがトレーンの代わりに雇ったのは、すっかりヤクと切れて刑務所から出てきたばかりの古い友達ジミー・ヒースだった」と語ったマイルス。そのマイルスにハンク・モブレーでは心配だからと呼び出され、「Someday My Prince Will Come」のレコーディングに駆けつけた僚友コルトレーン。
ジャズ界には多くの友情物語がある。同時代のドラマーでライバル的にみられるジーン・クルーパとバディ・リッチだが、度々ライブやレコーディングで共演するほど仲がいい。「シング・シング・シング」のソロでドラムをリズム楽器から花形楽器に押し上げたクルーパ、片や映画「セッション」の主人公が目標にする速く正確に叩く超絶技巧の持ち主である。両雄並び立たずと言われるが、それだけに並んだ迫力は凄い。更にリッチの奥さんはクルーパの元恋人だという。ロック界ではジョージ・ハリスンとエリック・クラプトンとパティ・ボイドの関係が有名だが、男同士の「情」は時に男と女のそれを遥に超える。
映画館を出てジャズバーに向かう道すがら何人かの旧友の顔を思いだした。若いころ、マイルスの電化はどうのこうの、フリージャズの行方は、フュージョンはジャズを殺すと激論を交わした何十年も会っていない友。年賀状だけの付き合いになった飲み歩いた友人。麻雀卓を囲んだ遊び仲間。ビル・パーキンスの「Just Friends」をリクエストしようか。盟友リッチー・カミューカとの息の合ったアンサンブルが聴こえてきた。