先だって札幌に所用がありネットでホテルを探した。連休前なのでどのホテルも空きがあり、雪祭りやよさこいの時期から比べると料金も格安だ。滞在を愉しむというより、寝るだけが目的なので、駐車場があるなら何処でも構わない。場所と料金を比べながら見ているうち「京王プラザホテル」に目が留まった。マイルス・デイヴィスの「カインド・オブ・ブルー」をかけていたので、このメンバーのライブ盤「ジャズ・アット・ザ・プラザ」を思い出し、迷わず予約をクリックした。意外と単純にできている自分に気がついた。
ジャズレコード史上最も重要な「カインド・オブ・ブルー」のメンバーによるライブ盤「ジャズ・アット・ザ・プラザ」は58年の録音。翌年に吹き込まれる名作までの軌跡を窺える貴重な録音なのだが、途中でマイクがオフになり録音状況は悪い。一曲目の「ストレート・ノー・チェイサー」のテーマ部分はコルトレーンとキャノンボールが吹き、御大マイルスはソロパートから吹き出すという拍子抜けする出だしで、最後に当時のエンディング・テーマが出てくる。どうやらこの曲がラストらしい。ラストの曲がオープニングとは貴重な録音とはいえいい加減なアルバム作りだ。
注目すべきはビル・エヴァンスなのだが、どうにも乗り切れないまま終わっている。良いのはバラードの「マイ・ファニー・バレンタイン」のソロくらいなもので、他はリズムセクションの一部といった印象で、これではウイントン・ケリーやレッド・ガーランドの方が増しとも思える。セロニアス・モンク同様、孤高のピアニスト、エヴァンスはマイルスとは肌が合わなかったようだが、マイルス・バンドで得たものは大きい。見合い写真のようなジャケットの傑作「ポートレイト・イン・ジャズ」を生み出したのは「カインド・オブ・ブルー」から半年後だった。
「ジャズ・アット・ザ・プラザ」には「イフ・アイ・ワー・ベル」も収められていて、プレスティッジ盤「リラクシン」とは違ったマイルスのソロが楽しめる。宿泊した京王プラザホテルは、部屋もゆったりしていてリラクシンできた。荷物を運んで頂いたベルガールが素敵な人で、これだけで随分得をした気になれる。やはり単純だった。
ジャズレコード史上最も重要な「カインド・オブ・ブルー」のメンバーによるライブ盤「ジャズ・アット・ザ・プラザ」は58年の録音。翌年に吹き込まれる名作までの軌跡を窺える貴重な録音なのだが、途中でマイクがオフになり録音状況は悪い。一曲目の「ストレート・ノー・チェイサー」のテーマ部分はコルトレーンとキャノンボールが吹き、御大マイルスはソロパートから吹き出すという拍子抜けする出だしで、最後に当時のエンディング・テーマが出てくる。どうやらこの曲がラストらしい。ラストの曲がオープニングとは貴重な録音とはいえいい加減なアルバム作りだ。
注目すべきはビル・エヴァンスなのだが、どうにも乗り切れないまま終わっている。良いのはバラードの「マイ・ファニー・バレンタイン」のソロくらいなもので、他はリズムセクションの一部といった印象で、これではウイントン・ケリーやレッド・ガーランドの方が増しとも思える。セロニアス・モンク同様、孤高のピアニスト、エヴァンスはマイルスとは肌が合わなかったようだが、マイルス・バンドで得たものは大きい。見合い写真のようなジャケットの傑作「ポートレイト・イン・ジャズ」を生み出したのは「カインド・オブ・ブルー」から半年後だった。
「ジャズ・アット・ザ・プラザ」には「イフ・アイ・ワー・ベル」も収められていて、プレスティッジ盤「リラクシン」とは違ったマイルスのソロが楽しめる。宿泊した京王プラザホテルは、部屋もゆったりしていてリラクシンできた。荷物を運んで頂いたベルガールが素敵な人で、これだけで随分得をした気になれる。やはり単純だった。