1967年のデトロイト暴動の最中、7月25日から26日にかけて密室空間で警官による集団暴行が起きた。アルジェ・モーテル事件である。黒人男性3人が白人警官に殺されたこの事件を題材にした映画「デトロイト」を観た。50年も前のことなので第一級殺人で起訴された警官全員が無罪になるという人種差別社会の裁判も暴動も覚えていないが、実際のニュース映像も取り込まれているので当時の凄まじさが伝わってくる。
デトロイトといえばモータウン・レーベルの発祥地でソウルミュージックが有名だが、ジャズメンも多い。ハワード・マギーにドナルド・バード、カーティス・フラー、トミー・フラナガン、バリー・ハリス、ローランド・ハナ、メイジャー・ホリーにポール・チェンバース、ダグ・ワトキンス。ミルト・ジャクソンにケニー・バレル、ルイス・ヘイズもいる。デトロイト出身者は結束が強くサヴォイに「Jazzmen Detroit」、ベツレヘムには「Motor City Scene」という同郷のメンバーによるレコードがあるほどだ。共に車をイラストしたジャケットで、自動車産業で栄えた町を象徴している。
サド・ジョーンズもその一人で、UA盤にベツレヘムと同タイトルの「Motor City Scene」があるが、今回はブルーノート盤「Detroit-New York Junction」を聴いてみよう。フラナガンにバレル、カンザスシティ生まれだがデトロイトで学んだビリー・ミッチェル、そして盟友のオスカー・ペティフォードにシャドウ・ウィルソンというメンバーだ。サドといえばベイシー楽団やサド・メル・オーケストラでコントロールの利いたソロイストというイメージが強いが、コンボではかなり自由に吹きまくっている。デトロイトで切磋琢磨したメンバーとNYで共演することは特別な意味を持つのだろう。
舞台となったモーテルのラジオからコルトレーンの「I Want To Talk About You」が流れるシーンがある。それに気付いた一人がヴォリュームを上げてコルトレーンの死因の話題になり、「ヤクで死んだ」とか「FBIに殺された」などと熱い議論が交わされる。コルトレーンが亡くなって8日後の事件だけにリアルだ。映画に描かれている時代に知らず知らずのうちに入り込めるのは間違いなくいい作品だ。
デトロイトといえばモータウン・レーベルの発祥地でソウルミュージックが有名だが、ジャズメンも多い。ハワード・マギーにドナルド・バード、カーティス・フラー、トミー・フラナガン、バリー・ハリス、ローランド・ハナ、メイジャー・ホリーにポール・チェンバース、ダグ・ワトキンス。ミルト・ジャクソンにケニー・バレル、ルイス・ヘイズもいる。デトロイト出身者は結束が強くサヴォイに「Jazzmen Detroit」、ベツレヘムには「Motor City Scene」という同郷のメンバーによるレコードがあるほどだ。共に車をイラストしたジャケットで、自動車産業で栄えた町を象徴している。
サド・ジョーンズもその一人で、UA盤にベツレヘムと同タイトルの「Motor City Scene」があるが、今回はブルーノート盤「Detroit-New York Junction」を聴いてみよう。フラナガンにバレル、カンザスシティ生まれだがデトロイトで学んだビリー・ミッチェル、そして盟友のオスカー・ペティフォードにシャドウ・ウィルソンというメンバーだ。サドといえばベイシー楽団やサド・メル・オーケストラでコントロールの利いたソロイストというイメージが強いが、コンボではかなり自由に吹きまくっている。デトロイトで切磋琢磨したメンバーとNYで共演することは特別な意味を持つのだろう。
舞台となったモーテルのラジオからコルトレーンの「I Want To Talk About You」が流れるシーンがある。それに気付いた一人がヴォリュームを上げてコルトレーンの死因の話題になり、「ヤクで死んだ」とか「FBIに殺された」などと熱い議論が交わされる。コルトレーンが亡くなって8日後の事件だけにリアルだ。映画に描かれている時代に知らず知らずのうちに入り込めるのは間違いなくいい作品だ。