中古レコード店のバーゲン箱にニノ・テンポのCD「Nino」があった。たまに掘り出し物がある。「'round Midnight」や「Stella By Starlight」といったスタンダードが入っている。ニノは前稿で触れたレッキング・クルー出身でジャズ畑のテナー奏者ではないが、MJQ結成40周年記念盤「& Friends」のゲストに呼ばれ「Darn That Dream」を夢見心地で吹いていた。
90年代の録音と思われる Atlantic Jazz 盤はメンバーの豪華さに驚く。ピート・ジョリーにマイク・ラング、ジョン・ピサノ、テリ・リン・キャリントン・・・交友の広さからキャリアを改めて調べてみると1963年に、「Deep Purple」という曲でビルボード1位を獲得している。「夢のディープ・パープル」という邦題がついているので、日本でも流行ったのだろうか。60年代のポップスも多少は聴いているものの残念ながら記憶にない。何と姉のエイプリル・スティーブンスとデュオという。ジャケ買いした「Teach Me Tiger」のあの妖艶なシンガーがニノの姉とは知らなかった。
「Nino」に数曲の自作ナンバーが収められていてスタン・ゲッツを甘くしたような音色で悠々と吹いている。姉のアルバムのタイトル曲もニノの作品だ。更にメイナード・ファーガソンがビッグバンドを組む前のコンボ作品「Dimensions」や、75年にジョン・レノンがオールディーズをカバーした「Rock 'n' Roll」、AORのカリスマであるケニー・ランキンの「愛の序奏」に参加し、クルーのスタジオ要員ではなくテナー奏者としてクレジットされている。曲を書き、歌い、テナーを吹き、時にはキーボードも弾く。多才な音楽家だ。
エイプリルは今年4月17日に亡くなっていた。初耳だ。ジャズ誌の訃報欄はチェックしているが、見落としたのかも知れない。ジャケットを眺めてはうっとりして、聴いてはマリリン・モンローが歌っているのかと錯覚するほどのセクシーさで要らぬ妄想をする。享年は伏せておこう。レコードを買い、壁に飾った時から彼女は歳を取らないのだから・・・
90年代の録音と思われる Atlantic Jazz 盤はメンバーの豪華さに驚く。ピート・ジョリーにマイク・ラング、ジョン・ピサノ、テリ・リン・キャリントン・・・交友の広さからキャリアを改めて調べてみると1963年に、「Deep Purple」という曲でビルボード1位を獲得している。「夢のディープ・パープル」という邦題がついているので、日本でも流行ったのだろうか。60年代のポップスも多少は聴いているものの残念ながら記憶にない。何と姉のエイプリル・スティーブンスとデュオという。ジャケ買いした「Teach Me Tiger」のあの妖艶なシンガーがニノの姉とは知らなかった。
「Nino」に数曲の自作ナンバーが収められていてスタン・ゲッツを甘くしたような音色で悠々と吹いている。姉のアルバムのタイトル曲もニノの作品だ。更にメイナード・ファーガソンがビッグバンドを組む前のコンボ作品「Dimensions」や、75年にジョン・レノンがオールディーズをカバーした「Rock 'n' Roll」、AORのカリスマであるケニー・ランキンの「愛の序奏」に参加し、クルーのスタジオ要員ではなくテナー奏者としてクレジットされている。曲を書き、歌い、テナーを吹き、時にはキーボードも弾く。多才な音楽家だ。
エイプリルは今年4月17日に亡くなっていた。初耳だ。ジャズ誌の訃報欄はチェックしているが、見落としたのかも知れない。ジャケットを眺めてはうっとりして、聴いてはマリリン・モンローが歌っているのかと錯覚するほどのセクシーさで要らぬ妄想をする。享年は伏せておこう。レコードを買い、壁に飾った時から彼女は歳を取らないのだから・・・