先週話題にしたクロード・ウィリアムソンの「'Round Midnight」にメル・ルイスが参加している。ルイスといえば40年代後半からボイド・レイバーンやレイ・アンソニー、スタン・ケントンという一流の楽団を渡り歩き、60年代初頭にジェリー・マリガンのコンサート・バンド、次いでモンタレー・ジャズフェスのハウス・ドラマーとして3年間務めたあと65年にはサド・ジョーンズと双頭バンドを結成した。
ダイナミックなビッグバンド・ドラマーのイメージが強いが、堅実なプレイが要求されるスタジオ・ミュージシャンとしてシェリー・マンほどではないが幾つかのセッションに参加している。ドン・ランディの枯葉、ビル・パーキンスのオン・ステージ、ズート・シムズの「Choice」、ステュ・ウィリアムソンのベツレヘム盤等、地味ながらいぶし銀の味わいがあるレコードばかりだ。そして意外なことに歌伴でも叩いている。スウィング期のビッグバンドであれば専属のシンガーもいるので手慣れたものと思われるが、小編成となると目立ってはいけないし、さりとて控え目では歌が生きてこない。
ナンシー・マルコム唯一のアルバム「The West Coast of Broadway」にクレジットがあった。このナンシー嬢、本業はピアニストなのでここはピアノ弾き語りで録音されている。歌は付け焼刃的な印象を受けるが、表現力はなかなかのものでクルト・ワイルとアイラ・ガーシュウインの「My Ship」は、小舟に揺られているようで気持ちがいい。声はハスキーで歌い方はクリス・コナーやジューン・クリスティに似たケントン・ガールズ系だ。ジャケット写真通りの清楚な歌とシナトラやジュリー・ロンドン御用達のアル・ヴィオラのギターを引き立てるルイスのブラッシュが小気味良く響く。
12曲中、「If I Were A Bell」や「Old Devil Moon」等4曲はインストで、ピアニストとしての腕前を披露している。このアルバム1枚しかリリースされなかったのが不思議なくらいセンスがよくアイデアも豊富だ。経歴を見てみるとケントンの紹介でピアノ教師のサム・サックス(Sam Saxe)に2年間師事している。サックスといえばアーノルド・ロスやクロード・ウィリアムソンを育てた人だ。ジャズ界はどこかでつながっている。
ダイナミックなビッグバンド・ドラマーのイメージが強いが、堅実なプレイが要求されるスタジオ・ミュージシャンとしてシェリー・マンほどではないが幾つかのセッションに参加している。ドン・ランディの枯葉、ビル・パーキンスのオン・ステージ、ズート・シムズの「Choice」、ステュ・ウィリアムソンのベツレヘム盤等、地味ながらいぶし銀の味わいがあるレコードばかりだ。そして意外なことに歌伴でも叩いている。スウィング期のビッグバンドであれば専属のシンガーもいるので手慣れたものと思われるが、小編成となると目立ってはいけないし、さりとて控え目では歌が生きてこない。
ナンシー・マルコム唯一のアルバム「The West Coast of Broadway」にクレジットがあった。このナンシー嬢、本業はピアニストなのでここはピアノ弾き語りで録音されている。歌は付け焼刃的な印象を受けるが、表現力はなかなかのものでクルト・ワイルとアイラ・ガーシュウインの「My Ship」は、小舟に揺られているようで気持ちがいい。声はハスキーで歌い方はクリス・コナーやジューン・クリスティに似たケントン・ガールズ系だ。ジャケット写真通りの清楚な歌とシナトラやジュリー・ロンドン御用達のアル・ヴィオラのギターを引き立てるルイスのブラッシュが小気味良く響く。
12曲中、「If I Were A Bell」や「Old Devil Moon」等4曲はインストで、ピアニストとしての腕前を披露している。このアルバム1枚しかリリースされなかったのが不思議なくらいセンスがよくアイデアも豊富だ。経歴を見てみるとケントンの紹介でピアノ教師のサム・サックス(Sam Saxe)に2年間師事している。サックスといえばアーノルド・ロスやクロード・ウィリアムソンを育てた人だ。ジャズ界はどこかでつながっている。