ジャズファンなら一度は聴いているレコードがある。ジャズ喫茶通いをされていた方なら間違いなく耳だこだろう。「ブルースエット」このタイトルを聞くだけで蝶が舞うようなジャケットが浮かび、ゴルソン・ハーモニーの魔法にかかったファイヴ・スポット・アフター・ダークのメロディばかりかフラーやフラナガンのソロも聴こえてくるかもしれない。さて、次の曲は?と訊かれて迷わず答えられるだろうか。
これが不思議なことにメロディは出てくる。それはおそらく「ブルースエット」という完成されたレコードが持つ心地良い音の流れであり、片面に収められた曲全てが1曲目からの延長といえるほどハーモニーに統一感があるからだ。その2曲目の「アンディサイデッド」の作者は?迷わずチャーリー・シェーバースと答える方は少ない。「アンディサイデッド」と「シェーバース」のキーワードでネット検索をしてみると拙稿がヒットするくらいで、あとは電気カミソリである。それだけ曲も作者も話題にならないのだろう。かく言う小生も若いころ作者は知らず、他の演奏で聴いたとき思わずゴルソンの曲だと言って笑われた。
そのアルバムはスペックス・パウエルの「ムーヴィン・イン」である。パウエルはバップ初期から多くのセッションに起用されたドラマーで、その人望は厚く、ライナーノーツはガレスピーが担当したほどだ。またパーシー・フェイスやポール・ウェストンからも賛辞の声が寄せられていることから活躍の場は相当広かったのだろう。小編成のビッグバンドスタイルだが、レイ・コープランドをはじめジミー・クリーヴランド、サヒブ・シハブ、ハンク・ジョーンズ、ナット・ピアースという名手が参加し、「カンパニー」のボスを大いに盛り立てている。力強く、正確で安定したドラミングは派手さこそないが貫禄がありボスに相応しい。
「アンディサイデッド」はスウィング期に作られた曲ということもあり、最近はあまり聴かれないがシンプルなメロディながら躍動感があり美しさも兼ね備えている。多くのバンドで名ソロを刻んできたシェーバースならではの曲だ。モダンスタイルで演奏しても何ら遜色のないこの曲の作者を訊かれたなら、「Undecided」には「迷う」という意味もあるが、迷わずチャーリー・シェーバースと答えよう。
これが不思議なことにメロディは出てくる。それはおそらく「ブルースエット」という完成されたレコードが持つ心地良い音の流れであり、片面に収められた曲全てが1曲目からの延長といえるほどハーモニーに統一感があるからだ。その2曲目の「アンディサイデッド」の作者は?迷わずチャーリー・シェーバースと答える方は少ない。「アンディサイデッド」と「シェーバース」のキーワードでネット検索をしてみると拙稿がヒットするくらいで、あとは電気カミソリである。それだけ曲も作者も話題にならないのだろう。かく言う小生も若いころ作者は知らず、他の演奏で聴いたとき思わずゴルソンの曲だと言って笑われた。
そのアルバムはスペックス・パウエルの「ムーヴィン・イン」である。パウエルはバップ初期から多くのセッションに起用されたドラマーで、その人望は厚く、ライナーノーツはガレスピーが担当したほどだ。またパーシー・フェイスやポール・ウェストンからも賛辞の声が寄せられていることから活躍の場は相当広かったのだろう。小編成のビッグバンドスタイルだが、レイ・コープランドをはじめジミー・クリーヴランド、サヒブ・シハブ、ハンク・ジョーンズ、ナット・ピアースという名手が参加し、「カンパニー」のボスを大いに盛り立てている。力強く、正確で安定したドラミングは派手さこそないが貫禄がありボスに相応しい。
「アンディサイデッド」はスウィング期に作られた曲ということもあり、最近はあまり聴かれないがシンプルなメロディながら躍動感があり美しさも兼ね備えている。多くのバンドで名ソロを刻んできたシェーバースならではの曲だ。モダンスタイルで演奏しても何ら遜色のないこの曲の作者を訊かれたなら、「Undecided」には「迷う」という意味もあるが、迷わずチャーリー・シェーバースと答えよう。