今年93歳で亡くなった大物の一人にオリン・キープニュースがいる。恥ずかしながら疾うに川の向こうに渡ったと思っていた。ジャズを聴きだしたころから名前は度々目にするし、当時の写真からは相当年配に見えたので、自分の中では既に歴史上の人物化していたのだ。ブルーノート、プレスティッジと並ぶジャズ・レーベルの名門中の名門、リバーサイド・レコードの設立者であり、名プロデューサーでもある。
プロフィールは他のサイトを参照していただくとして、リバーサイド最初の専属契約アーティストとしてキープニュースが選んだのは意外や意外、ランディ・ウェストンだ。恥をかいたついでにこれも知らない。てっきり多くの諸作を残し、12インチ盤カタログナンバー、トップRLP-201のモンクだと記憶していた。今でもウェストンは有名とは言えないが、53年当時はマサチューセッツの小さなクラブで料理番をしながらピアノを弾いていたという全くの無名だ。写真はお徳用CDだが、ランディの初録音は10インチ盤「Cole Porter In A Modern Mood」のタイトルで発売された。これがリバーサイド最初のモダンジャズのレコードだ。
ポーターの作品集は無名のピアニストを売り出すには無難な企画といえるだろう。そもそもトラディショナル・ジャズを売りにしていたレーベルだけに、いきなりオリジナルを詰め込んだアルバムはセールが見込めないからだ。この選曲なら聴いてみようと手にした人はいるはずだ。問題は聴いての驚きである。あのモンクのような、と語られるようにタッチやフレーズ、間はそっくりだ。ランディを最初に聴いた人のほとんどが持つ印象である。なかでも「I've Got You Under My Skin」はシナトラを聴きなれた耳には同じ曲だと思えない解釈で、これが「Modern Mood」なスタイルでありキープニュースの路線を決定づけたともいえよう。
リバーサイド・レコードは1964年に倒産した。プレイヤーの意見を尊重し、ビッグバンドやストリングスのアルバムを作った経費も一因と言われている。実質的な活動期間は僅か10年にすぎないが、圧倒的な質と量を誇る。「Brilliant Corners」、「Kelly Blue」、「Cannonball In San Francisco」、「Portrait in Jazz」、「Blue's Moods」、「Full House」・・・レコード棚からリバーサイドを抜いたらモダンジャズは成立しない。
プロフィールは他のサイトを参照していただくとして、リバーサイド最初の専属契約アーティストとしてキープニュースが選んだのは意外や意外、ランディ・ウェストンだ。恥をかいたついでにこれも知らない。てっきり多くの諸作を残し、12インチ盤カタログナンバー、トップRLP-201のモンクだと記憶していた。今でもウェストンは有名とは言えないが、53年当時はマサチューセッツの小さなクラブで料理番をしながらピアノを弾いていたという全くの無名だ。写真はお徳用CDだが、ランディの初録音は10インチ盤「Cole Porter In A Modern Mood」のタイトルで発売された。これがリバーサイド最初のモダンジャズのレコードだ。
ポーターの作品集は無名のピアニストを売り出すには無難な企画といえるだろう。そもそもトラディショナル・ジャズを売りにしていたレーベルだけに、いきなりオリジナルを詰め込んだアルバムはセールが見込めないからだ。この選曲なら聴いてみようと手にした人はいるはずだ。問題は聴いての驚きである。あのモンクのような、と語られるようにタッチやフレーズ、間はそっくりだ。ランディを最初に聴いた人のほとんどが持つ印象である。なかでも「I've Got You Under My Skin」はシナトラを聴きなれた耳には同じ曲だと思えない解釈で、これが「Modern Mood」なスタイルでありキープニュースの路線を決定づけたともいえよう。
リバーサイド・レコードは1964年に倒産した。プレイヤーの意見を尊重し、ビッグバンドやストリングスのアルバムを作った経費も一因と言われている。実質的な活動期間は僅か10年にすぎないが、圧倒的な質と量を誇る。「Brilliant Corners」、「Kelly Blue」、「Cannonball In San Francisco」、「Portrait in Jazz」、「Blue's Moods」、「Full House」・・・レコード棚からリバーサイドを抜いたらモダンジャズは成立しない。