先週話題にしたパティ・ペイジが、カントリー&ウエスタンを歌ったアルバムで、「Go Hank !」と叫ぶと華麗なギターソロに入るパートがある。ハンクとは誰だろうか。エルビス・プレスリーをはじめナッシュビルで多くの録音に参加しているハンク・ガーランドだ。ジャズファンにはあまり知られていないが、ロカビリーファンにつとに有名なギタリストで、60年前後にビルボード誌にチャートインしたほとんどのヒット曲のバックで軽快なリズムを刻んでいた。
ジャズファンの間でにわかに注目を浴びたのが60年に録音した「Jazz Winds」で、ジョー・ベンジャミン、ジョー・モレロ、そしてゲイリー・バートンが参加していて、どちらかというとジャズファン全般よりもバートンの熱心なマニアに人気があるレコードだろう。それはのちにファションも演奏スタイルもヒップになるバートンが、ビジネスマンのようにキチンと整髪されたヘアスタイルと折り目正しい服装で、オーソドックスなヴァイヴを叩いていたからだ。バートンとヴァイヴ・スタイルの変遷を研究するうえで重要な時期といっていい。驚くべきはそのテクニックで縦横無尽なマレットさばきからは大物ぶりがうかがえる。
さて、主役のガーランドはカントリー&ウエスタン出身というともあり明るい音色でジャズ向きのギターには聴こえないが、フレーズはかなり練られたもので単なる速弾きギタリストとは一線を画しているし、淀みないピッキングは一流ジャズギタリストと肩を並べるものだ。なかでもデンジル・ベストのオリジナル曲で、文字通りベストの「ムーヴ」が素晴らしい。バップナンバーとしてお馴染の曲だが、速く演奏するほど面白い曲であり、テクニックを競うときによく選ばれる曲でもある。先発のバートンのソロもかなり飛ばしているが、続くガーランドも負けじと飛ばすデッドヒートで、まさに躍動感のあるレースだ。
ガーランドはロカビリーファン以上にギターマニアに有名な人で、愛車のMGに積んであるギターは垂涎の的だという。ガーランドとスタジオワークを共にしたギタリストのビリー・バード、二人の名前から命名されたギブソンの「Byrdland」というモデルで、製作された年によっては相当な値が付くそうだ。厳しいコードも楽々押さえられるように設計してあり、見た目にもデザインは美しい。このアルバムに感銘を受け、プロのジャズギタリストを目指したジョージ・ベンソンもこのモデルを愛用している。
ジャズファンの間でにわかに注目を浴びたのが60年に録音した「Jazz Winds」で、ジョー・ベンジャミン、ジョー・モレロ、そしてゲイリー・バートンが参加していて、どちらかというとジャズファン全般よりもバートンの熱心なマニアに人気があるレコードだろう。それはのちにファションも演奏スタイルもヒップになるバートンが、ビジネスマンのようにキチンと整髪されたヘアスタイルと折り目正しい服装で、オーソドックスなヴァイヴを叩いていたからだ。バートンとヴァイヴ・スタイルの変遷を研究するうえで重要な時期といっていい。驚くべきはそのテクニックで縦横無尽なマレットさばきからは大物ぶりがうかがえる。
さて、主役のガーランドはカントリー&ウエスタン出身というともあり明るい音色でジャズ向きのギターには聴こえないが、フレーズはかなり練られたもので単なる速弾きギタリストとは一線を画しているし、淀みないピッキングは一流ジャズギタリストと肩を並べるものだ。なかでもデンジル・ベストのオリジナル曲で、文字通りベストの「ムーヴ」が素晴らしい。バップナンバーとしてお馴染の曲だが、速く演奏するほど面白い曲であり、テクニックを競うときによく選ばれる曲でもある。先発のバートンのソロもかなり飛ばしているが、続くガーランドも負けじと飛ばすデッドヒートで、まさに躍動感のあるレースだ。
ガーランドはロカビリーファン以上にギターマニアに有名な人で、愛車のMGに積んであるギターは垂涎の的だという。ガーランドとスタジオワークを共にしたギタリストのビリー・バード、二人の名前から命名されたギブソンの「Byrdland」というモデルで、製作された年によっては相当な値が付くそうだ。厳しいコードも楽々押さえられるように設計してあり、見た目にもデザインは美しい。このアルバムに感銘を受け、プロのジャズギタリストを目指したジョージ・ベンソンもこのモデルを愛用している。