黒岩静枝さんがオーナーの「DAY BY DAY」で、毎月一回オープン・マイクが開かれる。黒岩さんのレッスン生の発表の場だ。毎回聴いているが、練習量は正直なもので歌い込んでいる方はマイクの握りからして違うし、声の張りは勿論のこと、伴奏陣をリードする勢いさえある。先週23日に開かれた発表会で、10人ほどのステージが一通り終わったあと、黒岩さんの掛け声で、「Love Is A Many Splendored Thing」のコーラスが始まった。
邦題「慕情」は、1955年に製作された同タイトルの映画の主題曲で、映画音楽史上屈指の名作と言われる。映画のラストシーンでは、20世紀フォックスのスタジオ・コーラスのものが使われたが、サントラ用に録音していたのはコーラス・グループ、フォア・エーセスで、多くのカバーがあるなか群を抜いた大ヒットを記録している。コーラスといえばジャズファンの間ではフォー・フレッシュメンだが、ポップ・コーラスといえばフォア・エーセスで、「テルミー・ホワイ」や「愛の泉」など、1950年代に5曲のミリオン・ヒットを放った人気グループだ。ハーモニーはシンプルながらメリハリがあり、じわっとクライマックスに持っていくあたりのテクニックはツボを心得ているのだろう。
「Mood for Love」は、53年から55年までの録音を集めたもので、「What A Difference A Day Made」や「Stars Fell On Alabama」、「Pennies From Heaven」といったスタンダード中心の選曲になっている。なかでもアルバムタイトルにしているジミー・マクヒューとドロシー・フィールズのコンビによる「I'm In The Mood For Love」は実に素晴らしい。名コンビの作品は歌詞がうまくメロディに溶け込み、このメロディにして、この歌詞ありという一体感がある。それだけで完成された美しさがあるのに、そこに絶妙なハーモニーを付けることでより美しさを増す。ポップ・コーラスの楽しみはこの美しさを味わうことにある。
「慕情」の作曲者はサミー・フェインで、作詞はポール・フランシス・ウェブスターというこちらも名コンビだ。フェインは曲が完成したとき誰に歌わせるか悩んだという。当時ヒットチャートを賑わしていて、付き合いも長いエディ・フィッシャーをはじめドリス・デイ、ナット・キング・コール、トニー・マーチンといった大物のシンガーを浮かべるも、個性が強くて曲のイメージに合わない。そこで白羽の矢が立ったのがフォア・エーセスだった。黒岩静枝さんはコーラスで映える曲だと知っていたのだろう。
邦題「慕情」は、1955年に製作された同タイトルの映画の主題曲で、映画音楽史上屈指の名作と言われる。映画のラストシーンでは、20世紀フォックスのスタジオ・コーラスのものが使われたが、サントラ用に録音していたのはコーラス・グループ、フォア・エーセスで、多くのカバーがあるなか群を抜いた大ヒットを記録している。コーラスといえばジャズファンの間ではフォー・フレッシュメンだが、ポップ・コーラスといえばフォア・エーセスで、「テルミー・ホワイ」や「愛の泉」など、1950年代に5曲のミリオン・ヒットを放った人気グループだ。ハーモニーはシンプルながらメリハリがあり、じわっとクライマックスに持っていくあたりのテクニックはツボを心得ているのだろう。
「Mood for Love」は、53年から55年までの録音を集めたもので、「What A Difference A Day Made」や「Stars Fell On Alabama」、「Pennies From Heaven」といったスタンダード中心の選曲になっている。なかでもアルバムタイトルにしているジミー・マクヒューとドロシー・フィールズのコンビによる「I'm In The Mood For Love」は実に素晴らしい。名コンビの作品は歌詞がうまくメロディに溶け込み、このメロディにして、この歌詞ありという一体感がある。それだけで完成された美しさがあるのに、そこに絶妙なハーモニーを付けることでより美しさを増す。ポップ・コーラスの楽しみはこの美しさを味わうことにある。
「慕情」の作曲者はサミー・フェインで、作詞はポール・フランシス・ウェブスターというこちらも名コンビだ。フェインは曲が完成したとき誰に歌わせるか悩んだという。当時ヒットチャートを賑わしていて、付き合いも長いエディ・フィッシャーをはじめドリス・デイ、ナット・キング・コール、トニー・マーチンといった大物のシンガーを浮かべるも、個性が強くて曲のイメージに合わない。そこで白羽の矢が立ったのがフォア・エーセスだった。黒岩静枝さんはコーラスで映える曲だと知っていたのだろう。