日本でも大流行したフィフティーズルックの代表的な髪型にポニーテールがある。七夕伝説の織姫もポニーテールだったが、当時流行ったのは「麗しのサブリナ」のオードリー・ヘプバーンや「ウエストサイド物語」のナタリー・ウッドに憧れたのだろう。短時間かつ簡単にセットできるまとめ髪だが、顔の輪郭やうなじが露わになり、えり首の髪の生え際や衿足から顎へかけてのしなやかなラインはほんのりと色気を漂わせる。
色気のある視線が妖しい「ミス・ポニー・テール」は日系2世のパット・スズキのアルバムだ。58年初演のミュージカル「Flower Drum Song」のリンダ・ロウ役に抜擢されたことで有名になった歌手だが、日系でなければもっとメジャーになったであろう人である。大手のRCAから4枚のアルバムをリリースしていて、この作品はアンリ・レネのオーケストラをバックに「Anything Goes」、「The Lady Is A Tramp」、「My Heart Belongs To Daddy」等、ミュージカルのスタンダード中心の選曲で艶のある伸びやかな声が聴ける。とりわけ低音部は日本人独特のこぶしが回りニヤリとさせられるが、演歌をよりどころにした日本人の血は争えないようだ。
ジェローム・カーン作曲、オスカー・ハマースタインⅡ作詞の「ザ・ソング・イズ・ユー」がトップに収められいるが、オーケストラに溶け込むような歌いだしと、緩急自在のリズムに乗る歌唱は、ビング・クロスビーに認められただけの実力がある。「さあ、音楽が始まる。歌こそは君だ。君は優しい愛の旋律」、という内容のラブソングで、作者カーンは自作曲で最も気に入っていると語ったようにその旋律は聴く度に味わいを増す。何度も録音したシナトラをはじめ、ヴォーカル、インストとも多くのミュージシャンが取り上げた曲は、愛する人を歌に譬えるとき誰でもが詩人になるときめきを持つ。
ポニーテールはあごと耳を結んだラインの延長線上で結ぶのが一番綺麗に見えるといわれており、これをゴールデンポイントと呼ぶそうだ。日々生まれては消えゆく多くの歌のなかで、自分を重ねたくなる歌詞と、一度聴いたら忘れられない琴線を揺さぶるメロディーは数少ない。歌曲の延長線上で感動を結ぶものがあれば、それは自分自身のゴールデンポイントであろう。
色気のある視線が妖しい「ミス・ポニー・テール」は日系2世のパット・スズキのアルバムだ。58年初演のミュージカル「Flower Drum Song」のリンダ・ロウ役に抜擢されたことで有名になった歌手だが、日系でなければもっとメジャーになったであろう人である。大手のRCAから4枚のアルバムをリリースしていて、この作品はアンリ・レネのオーケストラをバックに「Anything Goes」、「The Lady Is A Tramp」、「My Heart Belongs To Daddy」等、ミュージカルのスタンダード中心の選曲で艶のある伸びやかな声が聴ける。とりわけ低音部は日本人独特のこぶしが回りニヤリとさせられるが、演歌をよりどころにした日本人の血は争えないようだ。
ジェローム・カーン作曲、オスカー・ハマースタインⅡ作詞の「ザ・ソング・イズ・ユー」がトップに収められいるが、オーケストラに溶け込むような歌いだしと、緩急自在のリズムに乗る歌唱は、ビング・クロスビーに認められただけの実力がある。「さあ、音楽が始まる。歌こそは君だ。君は優しい愛の旋律」、という内容のラブソングで、作者カーンは自作曲で最も気に入っていると語ったようにその旋律は聴く度に味わいを増す。何度も録音したシナトラをはじめ、ヴォーカル、インストとも多くのミュージシャンが取り上げた曲は、愛する人を歌に譬えるとき誰でもが詩人になるときめきを持つ。
ポニーテールはあごと耳を結んだラインの延長線上で結ぶのが一番綺麗に見えるといわれており、これをゴールデンポイントと呼ぶそうだ。日々生まれては消えゆく多くの歌のなかで、自分を重ねたくなる歌詞と、一度聴いたら忘れられない琴線を揺さぶるメロディーは数少ない。歌曲の延長線上で感動を結ぶものがあれば、それは自分自身のゴールデンポイントであろう。