「ジュールがまた素晴らしいメロディを書いてくれたんです。それは第二幕の途中で歌うデュエットで、あまりに受けてショウが止まってしまったほどですから。本当ですよ、そんなところでショウを止めてしまうバラードなんて滅多にあるものじゃありませんからね。」と作詞家のベティ・コムデンが絶賛している。村尾陸男著「ジャズ詩大全」(中央アート出版社」から引いた。
ジュールとはジュール・スタインで、曲は「Make Someone Happy」だ。詞は先のコムデンとアドルフ・グリーンの共作による。1960年のミュージカル「Do Re Mi」のなかの曲というからスタンダード・ナンバーとしては比較的新しいほうになる。「B. Comden-A. Green」のクレジットはよく見るものの咄嗟に曲が出てこない。同書によると53年の「Wonderful Town」、68年「Hallelujah, Baby」、そして70年「Applause」でトニー賞を三度取っているという。また、レナード・バーンスタインと組んだ「On the Town」、 「Do Re Mi」同様スタインと組んだものでは「Peter Pan」というヒット作もある。
その名コンビの「Make Someone Happy」は、タイトル通り少し落ち込んでいるときに聴くとたちまち幸せになる曲だ。明るい曲を歌うならドリス・デイに限る。ジャケット、アルバムタイトル、「I Want To Be Happy」や「Clap Yo' Hands」といった収録曲、アレンジと指揮はニール・ヘフティ、これだけ揃えば太陽に負けない。滅多に歌われないヴァースを朗読してから、やんわりとテーマに入っていく洒落た仕掛けに唸る。下手なシンガーがこれをやると野暮ったいばかりか曲を壊してしまうが、ドリスが歌うとただでさえ整った曲が一段と格調高くなる。一流シンガーの粋を技をみた。
作曲家と作詞家のコンビはよくあるが、コムデンとグリーンのような作詞家のコンビは珍しい。それも同級生の女性と男性である。二人の作品を調べてみると作詞の他に、「Singin' in the Rain」や「The Band Wagon」というヒット作の台本も手掛けている。詞も台本も前向きで明るいものばかりだ。気心の知れた男女のコンビだからこそネガティブにならないのだろう。
ジュールとはジュール・スタインで、曲は「Make Someone Happy」だ。詞は先のコムデンとアドルフ・グリーンの共作による。1960年のミュージカル「Do Re Mi」のなかの曲というからスタンダード・ナンバーとしては比較的新しいほうになる。「B. Comden-A. Green」のクレジットはよく見るものの咄嗟に曲が出てこない。同書によると53年の「Wonderful Town」、68年「Hallelujah, Baby」、そして70年「Applause」でトニー賞を三度取っているという。また、レナード・バーンスタインと組んだ「On the Town」、 「Do Re Mi」同様スタインと組んだものでは「Peter Pan」というヒット作もある。
その名コンビの「Make Someone Happy」は、タイトル通り少し落ち込んでいるときに聴くとたちまち幸せになる曲だ。明るい曲を歌うならドリス・デイに限る。ジャケット、アルバムタイトル、「I Want To Be Happy」や「Clap Yo' Hands」といった収録曲、アレンジと指揮はニール・ヘフティ、これだけ揃えば太陽に負けない。滅多に歌われないヴァースを朗読してから、やんわりとテーマに入っていく洒落た仕掛けに唸る。下手なシンガーがこれをやると野暮ったいばかりか曲を壊してしまうが、ドリスが歌うとただでさえ整った曲が一段と格調高くなる。一流シンガーの粋を技をみた。
作曲家と作詞家のコンビはよくあるが、コムデンとグリーンのような作詞家のコンビは珍しい。それも同級生の女性と男性である。二人の作品を調べてみると作詞の他に、「Singin' in the Rain」や「The Band Wagon」というヒット作の台本も手掛けている。詞も台本も前向きで明るいものばかりだ。気心の知れた男女のコンビだからこそネガティブにならないのだろう。