オリンピックといえばロンドン、ロンドンというと霧、霧のロンドンなら霧のロンドン・ブリッジ、霧のロンドン・ブリッジはジョー・スタッフォード・・・先日開幕したロンドン・オリンピックからは幾つかのキーワードを連想する。これでスタッフォードのジャケット写真を掲げてあれば実に素直で分かりやすいとお褒めの言葉の一つや二つをいただけるのだろうが、どうにも皮肉れているのでこう素直にはいかない。
ここで全く違う話題になるとセシル・テイラーの展開だが、正統に広げると「ア・フォギー・デイ」が出てくる。当初のタイトルは、「A Foggy Day In London Town」だから的の得た選曲、ということにしておこう。ガーシュイン兄弟が37年に映画「踊る騎士」のために書いた曲で、劇中では主演のフレッド・アステアが歌っていたが、歌ってよし、演奏してよし、のラブバラードである。バラードの演奏となるとスリングスをバックにホーンがじっくり歌い上げると絵になるが、この曲はアヴァンギャルドでも、速いテンポでも様になるから不思議だ。ガーシュインというスケールの大きさが演奏スタイルを選ばないのだろう。
小澤征爾氏が指揮するオーケストラと共演したこともある盲目のピアニスト、マーカス・ロバーツが、「ガーシュイン・フォー・ラバーズ」でこの曲を取り上げている。87年の第一回セロニアス・モンク・コンペティションで優勝して一躍有名になったマーカスだが、同時代のピアニストでは最も歌心を持っているといっていいだろう。ソロで弾くこの曲にしても霧、ロンドン、恋人、太陽といった歌詞のキーワードから鍵盤で組み立てたストーリーを語るように弾いている。ロンドンには行ったことがないが、繊細なタッチからは霧の降る速度や湿度、温度も体感できるし、霧が晴れて心までもが晴れる情景が見えてくるようだ。
回りが見えないことから霧は不安な心模様に例えられるが、大きな山をも隠してしまう自然にロマンティックを重ねることもある。前者の代表といえばエロル・ガーナーの「ミスティ」だが、後者は?ギターの名曲「夜霧のしのび逢い」や「霧のカレリア」、日本ではディック・ミネの「夜霧のブルース」、北海道の名曲「霧の摩周湖」、カラオケで歌うときは必ず石原裕次郎になりきる「夜霧よ今夜も有難う」・・・挙げると「キリ」がない。
ここで全く違う話題になるとセシル・テイラーの展開だが、正統に広げると「ア・フォギー・デイ」が出てくる。当初のタイトルは、「A Foggy Day In London Town」だから的の得た選曲、ということにしておこう。ガーシュイン兄弟が37年に映画「踊る騎士」のために書いた曲で、劇中では主演のフレッド・アステアが歌っていたが、歌ってよし、演奏してよし、のラブバラードである。バラードの演奏となるとスリングスをバックにホーンがじっくり歌い上げると絵になるが、この曲はアヴァンギャルドでも、速いテンポでも様になるから不思議だ。ガーシュインというスケールの大きさが演奏スタイルを選ばないのだろう。
小澤征爾氏が指揮するオーケストラと共演したこともある盲目のピアニスト、マーカス・ロバーツが、「ガーシュイン・フォー・ラバーズ」でこの曲を取り上げている。87年の第一回セロニアス・モンク・コンペティションで優勝して一躍有名になったマーカスだが、同時代のピアニストでは最も歌心を持っているといっていいだろう。ソロで弾くこの曲にしても霧、ロンドン、恋人、太陽といった歌詞のキーワードから鍵盤で組み立てたストーリーを語るように弾いている。ロンドンには行ったことがないが、繊細なタッチからは霧の降る速度や湿度、温度も体感できるし、霧が晴れて心までもが晴れる情景が見えてくるようだ。
回りが見えないことから霧は不安な心模様に例えられるが、大きな山をも隠してしまう自然にロマンティックを重ねることもある。前者の代表といえばエロル・ガーナーの「ミスティ」だが、後者は?ギターの名曲「夜霧のしのび逢い」や「霧のカレリア」、日本ではディック・ミネの「夜霧のブルース」、北海道の名曲「霧の摩周湖」、カラオケで歌うときは必ず石原裕次郎になりきる「夜霧よ今夜も有難う」・・・挙げると「キリ」がない。