今月10日のことだ。黒柳徹子さんが司会を務める「徹子の部屋」に秋吉敏子さんが出演するときいて録画した。昼12時からの放送なのでテレビの前に座ることが難しい。こう言っては紫綬褒章や朝日賞、ジャズマスターズ賞を受賞されている音楽家に失礼だが、これがコンサートなら録画してまでは観ないだろう。20年ほど前にソロライブを聴いたのだが、この時秋吉さんのトークに引き込まれた。
ジャズ誌のインタビューや、その著書「ジャズと生きる」(岩波新書)、「孤軍 その人生と作品」(全音楽譜出版社)で語られている内容と重なるものの、トークは表情からその時の感情がダイレクトに伝わってくる。アメリカのジャズ生活や、ジャズメンとの交流は大変貴重な体験であり、聞き手のこちらもリアルなジャズシーンに浸ることができるし、何と言ってもミュージシャン名のネイティブな発音は嬉しい。バードランドのピー・ウィー・マーケットや、マイルスのゴー・ゴーに乗せてアナウンスするカタカナ表記とは違う発音に興奮したのは小生だけではあるまい。
ライブとテレビでは話の内容も違うが、人生で一番辛かったという満洲から大分に引き揚げてきた頃の話は遠くを見るような目だった。一方、ジャズ・レコードのコレクターからテディ・ウィルソンの「スイート・ロレイン」を聴かせてもらってジャズの魅力を知った時の様子は口調からも当時の興奮が伝わってくる。バークリー音楽院へ留学した56年に録音した「ザ・トシコ・トリオ」は今も燦然と輝くアルバムで、アメリカに通用する日本人初のジャズレコードと言っていい。マイルス・バンドに参加したばかりのポール・チェンバースと、ピーターソン・トリオのエド・シグペンのサポートが本場ならではの空気感を醸し出している。
女性の年齢を記すのは甚だ失礼と思うが御年88歳である。鍵盤の数と同じだと笑っておられた。番組のラストで「サマータイム」を弾いたのだが、これが素晴らしい。アメリカに渡った時は日本人ゆえの差別もあったそうだが、今このピアノを聴いてバカにするアメリカ人はいないだろう。9月15日に東京文化会館でルー・タバキンとのコンサートが組まれている。テレビで放映されるなら録画しよう。
ジャズ誌のインタビューや、その著書「ジャズと生きる」(岩波新書)、「孤軍 その人生と作品」(全音楽譜出版社)で語られている内容と重なるものの、トークは表情からその時の感情がダイレクトに伝わってくる。アメリカのジャズ生活や、ジャズメンとの交流は大変貴重な体験であり、聞き手のこちらもリアルなジャズシーンに浸ることができるし、何と言ってもミュージシャン名のネイティブな発音は嬉しい。バードランドのピー・ウィー・マーケットや、マイルスのゴー・ゴーに乗せてアナウンスするカタカナ表記とは違う発音に興奮したのは小生だけではあるまい。
ライブとテレビでは話の内容も違うが、人生で一番辛かったという満洲から大分に引き揚げてきた頃の話は遠くを見るような目だった。一方、ジャズ・レコードのコレクターからテディ・ウィルソンの「スイート・ロレイン」を聴かせてもらってジャズの魅力を知った時の様子は口調からも当時の興奮が伝わってくる。バークリー音楽院へ留学した56年に録音した「ザ・トシコ・トリオ」は今も燦然と輝くアルバムで、アメリカに通用する日本人初のジャズレコードと言っていい。マイルス・バンドに参加したばかりのポール・チェンバースと、ピーターソン・トリオのエド・シグペンのサポートが本場ならではの空気感を醸し出している。
女性の年齢を記すのは甚だ失礼と思うが御年88歳である。鍵盤の数と同じだと笑っておられた。番組のラストで「サマータイム」を弾いたのだが、これが素晴らしい。アメリカに渡った時は日本人ゆえの差別もあったそうだが、今このピアノを聴いてバカにするアメリカ人はいないだろう。9月15日に東京文化会館でルー・タバキンとのコンサートが組まれている。テレビで放映されるなら録画しよう。