初夏の訪れを告げるイベント、さっぽろライラックまつりが開かれている。会場の大通公園にはワインガーデンやとうきびワゴンも用意され、爽やかな陽射しを浴びながら飲食や散策を楽しめる。清々しい空気を待ちわびていたかのように一斉に咲いたライラックの香りに包まれると美しいメロディーが浮かぶのだろうか。ピーター・デローズは「Lilacs In The Rain」を書いている。
この曲をピアノでじっくりと歌い上げたのはカール・パーキンスだ。バラードにおける豊かな表現力、「Woody 'N You」でみせる力強さ、自作曲「Carl's Blues」のブルージーさ、初リーダー作とは思えないほど完成度が高い。パーキンスといえばマックス・ローチとクリフォード・ブラウンの「In Concert」をはじめ、一度は縫いぐるみになりたいと思うチェット・ベイカーとアート・ペッパーの「Playboys」、ジャケ買いの筆頭「You Get More Bounce with Curtis Counce」等々、名立たるウエストコーストのアルバムでお馴染だ。29歳の若さで亡くなっているので活動期間は短いが録音は多い。そして、そのどれもが素晴らしい。
インディアナポリス時代からの幼馴染みだったベーシストのリロイ・ヴィネガーが、ロバート・ゴードン著「ジャズ・ウェスト・コースト」で述べている。「一緒に演奏するタイプのミュージシャン、つまり相手の頭のなかに響いている音を演奏できるミュージシャンなんだ・・・だから彼は『リズム・セクション・ピアニスト』と呼ばれたのさ。カールのようなタイム感覚を持った奴が、ベーシストにはいちばん大事なんだ」と。左腕の障害を克服した独自の奏法は度々語られても、何故多くのピアニストがいるウエストで引っ張りだこだったのか記されているものはなかったので目からうろこだ。
親友を亡くしたヴィネガーは「For Carl」という曲を捧げている。自身も「Leroy Walks Again」で取り上げているが、決定的名演はフィニアス・ニューボーンJr.の「World of Piano」だ。追悼曲といえばゴルソンが書いた「I Remember Clifford」はバラードの傑作として知られるが、「For Carl」はリズミカルで尚且つ美しい。恋人を想って書く曲は美しいに決まっているが、ときに愛情より友情が上回ることもある。
この曲をピアノでじっくりと歌い上げたのはカール・パーキンスだ。バラードにおける豊かな表現力、「Woody 'N You」でみせる力強さ、自作曲「Carl's Blues」のブルージーさ、初リーダー作とは思えないほど完成度が高い。パーキンスといえばマックス・ローチとクリフォード・ブラウンの「In Concert」をはじめ、一度は縫いぐるみになりたいと思うチェット・ベイカーとアート・ペッパーの「Playboys」、ジャケ買いの筆頭「You Get More Bounce with Curtis Counce」等々、名立たるウエストコーストのアルバムでお馴染だ。29歳の若さで亡くなっているので活動期間は短いが録音は多い。そして、そのどれもが素晴らしい。
インディアナポリス時代からの幼馴染みだったベーシストのリロイ・ヴィネガーが、ロバート・ゴードン著「ジャズ・ウェスト・コースト」で述べている。「一緒に演奏するタイプのミュージシャン、つまり相手の頭のなかに響いている音を演奏できるミュージシャンなんだ・・・だから彼は『リズム・セクション・ピアニスト』と呼ばれたのさ。カールのようなタイム感覚を持った奴が、ベーシストにはいちばん大事なんだ」と。左腕の障害を克服した独自の奏法は度々語られても、何故多くのピアニストがいるウエストで引っ張りだこだったのか記されているものはなかったので目からうろこだ。
親友を亡くしたヴィネガーは「For Carl」という曲を捧げている。自身も「Leroy Walks Again」で取り上げているが、決定的名演はフィニアス・ニューボーンJr.の「World of Piano」だ。追悼曲といえばゴルソンが書いた「I Remember Clifford」はバラードの傑作として知られるが、「For Carl」はリズミカルで尚且つ美しい。恋人を想って書く曲は美しいに決まっているが、ときに愛情より友情が上回ることもある。