日曜日の午後といえば札幌ドームかテレビで野球観戦と決まっているのだが、贔屓のチームは早々とシーズンを終えたので手持ち無沙汰だ。何気なくテレビのチャンネルをひねるとクリント・イーストウッドがピアノを弾いているではないか。小生がジャズを呼ぶのか、ジャズが小生を呼んでいるのか、グッドタイミングだ。慌てて番組表を見る。1993年の映画「ザ・シークレット・サービス」だ。映画館でもテレビでも観たことがない。
イーストウッドが大統領の警護官を演じているのだが、自宅でCDをかけるとマイルスの「All Blues」が流れたり、レコード棚も見えるので、まるでイーストウッド本人の物語にみえる。弾いているその曲は「Willow Weep for Me」で、枝垂柳から零れ落ちる涙の風情とでもいえばいいか。ピアニストなら一度は録音する曲だが、不思議と主役になれない。パウエルの「Piano Interpretations」、ケリーの「Kelly Blue」、ガーランドの「Groovy」、ブライアントの「Little Susie」、トップ収録とはいえB面だ。フラナガンの12吋盤「Overseas」は申し訳なさそうにラストに収録されている。ジャズアルバム全体を眺めてもアルバムタイトルになっているものはない。
アル・ヘイグの「Today! 」もB面ラス前で印象は薄いが、じっくり聴くとこれがなかなかに味がある。パーカーやガレスピーと共演歴があるバップピアニストのモダンな一面を捉えた傑作と言っていい。60年代に残した唯一のリーダー作という点でも貴重だ。今でこそ簡単にCDで聴けるが、かつては幻の名盤と騒がれ入手困難な1枚だった。マイナーレーベルの「Del Moral Records」が原盤で、ラベルにミントの葉がデザインされていることから「ミントのヘイグ」と呼ばれているレコードだ。そのラベルもグリーンミントとブラックミントの2種があり、どちらがオリジナルかとコレクターと悩ました経緯もある。
劇中、上司がイーストウッドに引退をすすめるシーンがある。「ジャズのレコードを買うだけだから年金で生活できるだろう」と。イーストウッドさんなら年金生活でも好きなだけ買えるかもしれないが、庶民はそうはいかない。数万円のオリジナル盤を買うために昼飯を抜いたり、バーゲンセールときけば早朝から並んだり、家が建つほどレコードにつぎ込んだ方もいるはずだ。コレクターにとってジャズレコード係数が高いのは誇りである。
イーストウッドが大統領の警護官を演じているのだが、自宅でCDをかけるとマイルスの「All Blues」が流れたり、レコード棚も見えるので、まるでイーストウッド本人の物語にみえる。弾いているその曲は「Willow Weep for Me」で、枝垂柳から零れ落ちる涙の風情とでもいえばいいか。ピアニストなら一度は録音する曲だが、不思議と主役になれない。パウエルの「Piano Interpretations」、ケリーの「Kelly Blue」、ガーランドの「Groovy」、ブライアントの「Little Susie」、トップ収録とはいえB面だ。フラナガンの12吋盤「Overseas」は申し訳なさそうにラストに収録されている。ジャズアルバム全体を眺めてもアルバムタイトルになっているものはない。
アル・ヘイグの「Today! 」もB面ラス前で印象は薄いが、じっくり聴くとこれがなかなかに味がある。パーカーやガレスピーと共演歴があるバップピアニストのモダンな一面を捉えた傑作と言っていい。60年代に残した唯一のリーダー作という点でも貴重だ。今でこそ簡単にCDで聴けるが、かつては幻の名盤と騒がれ入手困難な1枚だった。マイナーレーベルの「Del Moral Records」が原盤で、ラベルにミントの葉がデザインされていることから「ミントのヘイグ」と呼ばれているレコードだ。そのラベルもグリーンミントとブラックミントの2種があり、どちらがオリジナルかとコレクターと悩ました経緯もある。
劇中、上司がイーストウッドに引退をすすめるシーンがある。「ジャズのレコードを買うだけだから年金で生活できるだろう」と。イーストウッドさんなら年金生活でも好きなだけ買えるかもしれないが、庶民はそうはいかない。数万円のオリジナル盤を買うために昼飯を抜いたり、バーゲンセールときけば早朝から並んだり、家が建つほどレコードにつぎ込んだ方もいるはずだ。コレクターにとってジャズレコード係数が高いのは誇りである。