街中の至る所に貼られている2017開幕シリーズのポスターに誘われて、ふらっとファイターズ・ファンが集まるバーに寄った。シーズン中は満席の店も先客は若いカップルだけである。話題の中心は大谷翔平選手だ。女性が「大谷君ってトマト、苦手なんだってー」と。連れの男性が「ブラッディ・マリーなら飲めるかもよ、マスター作ってよ」。シェーカーの音が心地いい。「ブラッディ・メアリーです」と鮮やかな色のカクテルがカウンターにスーッと差し出された。
「えっ、マリーじゃあないの」「イングランドのメアリー女王に因んでおりますので、メアリーと教わりましたが、勿論マリーでもかまいません」とバーテンダー氏はフォローする。やっかいな「Mary」さんだ。発音は語学の専門家に任せるとして、カタカナ表記はマリーにメアリー、更にメリーもある。有名人は表記が定着しているが、日本にあまり紹介されない人はまちまちだ。「Mary Ann McCall」はレコードが少ないうえ、国内盤もあまり出ないので、ジャズ誌の表記は執筆者によって違う。ここらで統一してはどうだろう。目鼻立ちのしっかりした顔と力強い声からイメージするならメアリーか。
エサ箱で見付けられず国内初CD化されたときに入手したが、帯にはマリーとある。Regent レーベルの「Easy Living」だ。録音は56年。バックのオーケストラのメンバーが凄い。ジョー・ワイルダーにセルダン・パウエル、ズート・シムズ、ナット・ピアースにウェンデル・マーシャル、ケニー・クラークのクレジットもある。となればアレンジは旦那のアル・コーンだろうって。そう思ったが何とアーニー・ウィルキンスだ。調べてみるとコーンと離婚直後の録音である。落ち込むどころか声に艶も張りもあり、むしろ活き活きとしている。一方、コーンはこの後めっきり髪が薄くなる。女は強い。
誰が決めたのか知らないが定着した表記は耳慣れているせいもあり、まるで日本語のようにしっくりくる。自らが愛した男たち全員を不幸へと陥れたメアリー・スチュアートがマリーだと悪女に思えないし、マリー・クワントがメリーだとスカートの丈が長くなる。また、メリーさんの羊がメアリーだと語呂が悪くて幼稚園児が舌をかむ。「Mary」さんもカタカナ表記一つで印象が違うが、総じて美人が多い。
「えっ、マリーじゃあないの」「イングランドのメアリー女王に因んでおりますので、メアリーと教わりましたが、勿論マリーでもかまいません」とバーテンダー氏はフォローする。やっかいな「Mary」さんだ。発音は語学の専門家に任せるとして、カタカナ表記はマリーにメアリー、更にメリーもある。有名人は表記が定着しているが、日本にあまり紹介されない人はまちまちだ。「Mary Ann McCall」はレコードが少ないうえ、国内盤もあまり出ないので、ジャズ誌の表記は執筆者によって違う。ここらで統一してはどうだろう。目鼻立ちのしっかりした顔と力強い声からイメージするならメアリーか。
エサ箱で見付けられず国内初CD化されたときに入手したが、帯にはマリーとある。Regent レーベルの「Easy Living」だ。録音は56年。バックのオーケストラのメンバーが凄い。ジョー・ワイルダーにセルダン・パウエル、ズート・シムズ、ナット・ピアースにウェンデル・マーシャル、ケニー・クラークのクレジットもある。となればアレンジは旦那のアル・コーンだろうって。そう思ったが何とアーニー・ウィルキンスだ。調べてみるとコーンと離婚直後の録音である。落ち込むどころか声に艶も張りもあり、むしろ活き活きとしている。一方、コーンはこの後めっきり髪が薄くなる。女は強い。
誰が決めたのか知らないが定着した表記は耳慣れているせいもあり、まるで日本語のようにしっくりくる。自らが愛した男たち全員を不幸へと陥れたメアリー・スチュアートがマリーだと悪女に思えないし、マリー・クワントがメリーだとスカートの丈が長くなる。また、メリーさんの羊がメアリーだと語呂が悪くて幼稚園児が舌をかむ。「Mary」さんもカタカナ表記一つで印象が違うが、総じて美人が多い。