カメラとともに自然を友に

多摩丘陵の自然を写し撮った写真を中心にしつつ、日々の暮らしのなかで目に触れたものを記録してゆきます。

静嘉堂文庫美術館

2015-11-24 | 美術
 世田谷区岡本にある静嘉堂文庫美術館で「金と銀の系譜」展が開催中なので出かけました。その前に傳乗寺に寄って五重塔を見ましたが、まだイチョウの木は黄葉しておらず、まだ真っ青。自宅近くのイチョウは真っ黄色になっている木もあるのですが、随分違うものです。それでも手前にある柿や桜の木が紅葉していたので、秋らしさがでました。
 
 「金と銀の系譜」展は「琳派」展と言ってもよいような内容で、今年は琳派誕生から400年を迎える年ということから各美術館で琳派にまつわる展示がされていますが、その中のひとつです。今回の目玉は宗達の「源氏物語関谷・澪標図屏風」が展示されることで、傷んだ部分の修復を行っての10年ぶりの展示となるのだそうです。
 写真は美術館の中から庭園を撮影。
 
 静嘉堂文庫の前は砧公園に行く際に通る道なのでよく通っていますが、美術館にはまだ入ったことがありませんでした。展示室に入って迎えてくれるのは、伝 尾形光琳の「鶴鹿図屏風」という豪華なお出迎えで、気持ちが昂ります。展示スペースの都合か折らずに平面的に展示されていましたが、できれば折った状態で見たいところでした。
「源氏物語関谷・澪標図屏風」は、やはり一番注目を集めていて常に人が取り囲んでいるような状態。六曲一双の大作なので離れて全体を見たいところですが、なかなかそれが叶いませんでした。
 抱一では「波図屏風」という六曲一双の大作の展示。こちらは宗達ほどの人は集めず、全景を見ることができましたが、そうして見ると近くで見ていたのではわからない画面の構成力や迫力が伝わってきました。抱一というと繊細・緻密・風雅という言葉が浮かんできますが、それとは別の一面が現れています。抱一では「絵手鑑」という画帖も展示されていましたが、「描けないものなど何一つない」とでも言っているかのような力量を見せています。
 小さな美術館なので展示点数は多くないですが、粒ぞろいの展示で満足感たっぷり。
 私が行った日は、館長の河合元昭氏による講演があったのでそれも聞きましたが、講演が始まるまでの待ち時間に庭園を散策。するとすぐにエナガの群れに出会いました。
 講演は講師の話術が巧みなので退屈することなく引き込まれました。講演が終わり帰る際にJ・コンドルが設計したという静嘉堂文庫(1924年竣工)を撮影。
 

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