「リトル・チルドレン」をDVDで観ました。
2006年アメリカ映画、トッド・フィールド監督。
ボストン郊外の閑静な住宅街、専業主婦のサラ(ケイト・ウィンスレット)は子育てをしながら退屈な日々を過ごしている。
大学院で英文学を専攻した彼女は、公園のママ友との中身のない会話に満足できずにいる。このサラの描き方が面白い。
”彼女は自分が人類学者だと思って、彼女達を観察することにした”という皮肉たっぷりのナレーションが入るのです。
そんな彼女は、成功した妻を持ち司法試験を目指して主夫をしているブラッド(パトリック・ウィルソン)と出会い、二人は子どもをダシにして逢瀬を重ねるのですが…
そこに、幼児性愛犯罪者ロニーとその年老いた母、過去に犯した罪を引きずる元警官ラリーが、近所の住人として絡んできます。
ケイト・ウインスレットが激しい濡れ場を演じたというので話題になったようですが、この二人の愛し合う場面というのは、お互いの身体を利用した自慰的なものという印象が拭えません。
そして肉体的な関係のみならず、二人の精神的な関係にもそれが言えるのです。
結局サラもブラッドも、退屈な日常からいっとき抜け出す為の手段として、お互いを利用しただけではないのか?
だからこそ、あんなにも脆かったのではないのか…
今の自分を受け入れられず別の人生を夢見てしまう、大人になりきれない大人たち、孤独だけれども、居心地の良い自分の殻にひたすら閉じこもっている、
子供部屋から出ることが出来ないでいる大人たち、
正常ではないものを、自分達の生活から排除しようとする隣人たち、
人間の嫌な面を徹底的に抉り出したという点で、この映画は訴えかけるものがあります。一見普通の人々の、息苦しいほどの悩みや渇望がしみじみと伝わってきます。
サラが公園で幼い子どもを遊ばせながら、近所の主婦との付き合いにうんざりするところ、アメリカでも日本と同じような生活シーンがあるのだと驚きました。
そして、私もそんな思いをしたことがある昔を思い出しました。
サラの気持ちはよく分かりますが、子どもの遊び友達を作るためには、仕方のないことでもあります。
そしてそれも、その中に浸かってしまえば、それなりに楽しいものでもあるのに…
あそこでサラは、文学の素養のある自分はアンタタチとは違うのよ、という顔をしていますが、そういうのってすぐにバレちゃうのよ、サラさん。
だから貴女はみんなから浮いていたのよ。
と、他人のことはよく分かります。
「リトル・チルドレン」
2006年アメリカ映画、トッド・フィールド監督。
ボストン郊外の閑静な住宅街、専業主婦のサラ(ケイト・ウィンスレット)は子育てをしながら退屈な日々を過ごしている。
大学院で英文学を専攻した彼女は、公園のママ友との中身のない会話に満足できずにいる。このサラの描き方が面白い。
”彼女は自分が人類学者だと思って、彼女達を観察することにした”という皮肉たっぷりのナレーションが入るのです。
そんな彼女は、成功した妻を持ち司法試験を目指して主夫をしているブラッド(パトリック・ウィルソン)と出会い、二人は子どもをダシにして逢瀬を重ねるのですが…
そこに、幼児性愛犯罪者ロニーとその年老いた母、過去に犯した罪を引きずる元警官ラリーが、近所の住人として絡んできます。
ケイト・ウインスレットが激しい濡れ場を演じたというので話題になったようですが、この二人の愛し合う場面というのは、お互いの身体を利用した自慰的なものという印象が拭えません。
そして肉体的な関係のみならず、二人の精神的な関係にもそれが言えるのです。
結局サラもブラッドも、退屈な日常からいっとき抜け出す為の手段として、お互いを利用しただけではないのか?
だからこそ、あんなにも脆かったのではないのか…
今の自分を受け入れられず別の人生を夢見てしまう、大人になりきれない大人たち、孤独だけれども、居心地の良い自分の殻にひたすら閉じこもっている、
子供部屋から出ることが出来ないでいる大人たち、
正常ではないものを、自分達の生活から排除しようとする隣人たち、
人間の嫌な面を徹底的に抉り出したという点で、この映画は訴えかけるものがあります。一見普通の人々の、息苦しいほどの悩みや渇望がしみじみと伝わってきます。
サラが公園で幼い子どもを遊ばせながら、近所の主婦との付き合いにうんざりするところ、アメリカでも日本と同じような生活シーンがあるのだと驚きました。
そして、私もそんな思いをしたことがある昔を思い出しました。
サラの気持ちはよく分かりますが、子どもの遊び友達を作るためには、仕方のないことでもあります。
そしてそれも、その中に浸かってしまえば、それなりに楽しいものでもあるのに…
あそこでサラは、文学の素養のある自分はアンタタチとは違うのよ、という顔をしていますが、そういうのってすぐにバレちゃうのよ、サラさん。
だから貴女はみんなから浮いていたのよ。
と、他人のことはよく分かります。
「リトル・チルドレン」