Zooey's Diary

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「マクロプロス家の事」

2008年11月23日 | 劇、オペラ、コンサート
昨日、日生劇場で二期会のオペラ「マクロプロス家のこと」を観ました。
カレル・チャペック原作、レオシュ・ヤナーチェク作曲。

「蝶々婦人」(これは昔、シドニーのオペラハウスで観たことがある)や「椿姫」のような分かりやすいオペラではない、こんな難しそうなオペラ(HPを見てもさっぱり訳が分からない)が初心者に分かるのか!?という不安はあったのですが…
大体、この物語のヒロインは337歳という設定なのです。
ファンタジーものかと思うと、遺産相続だの弁護士だの、やたら現実的な言葉が連呼される…しかも、まったく聞きなじみのないチェコ語で!
しかも、演奏される曲目は、やたら陰鬱で暗いメロディばかりだし。
一幕目は正直、ちっとも面白くなかったのですが、二幕目、三幕目とぐいぐい舞台に引きずりこまれ、ラストシーンでは息を呑みました。

この作品の、オペラのチェコ語上演は日本では初めてなのだそうです。
無論、日本語の字幕はついていましたが、チェコ語なんて理解する人が、一体観客の中にどれだけいるのでしょう!?
だったら、(オペラでよく使われる)イタリア語でやったって一向構わないじゃないの、などと私は思ってしまったのですが
ヒロインを演じた蔵野蘭子氏によると
「ヤナーチェクはチェコ語に合わせてリズムや音程を書いている」のだそうです。
「ただイタリア語やドイツ語に堪能な2人(注・主役を演じた二人)も、チェコ語作品は初めてとあって、最初は寿限無(じゅげむ)寿限無…の世界(笑)。音楽もあり得ないリズムが出てきて、歌えるようになるのにこんな時間がかかった作品はない」と。

へええ…
そういえば語学に堪能な友人から、チェコ語は一番難しいと昔聞いたことがあります。なんで?と聞いたら
格が7つあって、それぞれ変化するんだよ、と。
念のため、今ググッてみたら
"その複雑さから、チェコ語は習得の困難な言語と言われることが多い"(wikiより)
”男性・女性・中性名詞といった3変化に加え格変化が7種類あるため、
プラハ(Praha)という単語一つにしても所有格(プラハの)であれば
プラジュスキー・プラジュスカー・プラジュスケー(男・女・中性)となり、
前置詞の後に続く場合は、プラハに(v Praze=in Prague)、
プラハへ (do Prahy=to Prague)といったように変化するのです。”
(インスタントチェコ語入門より) http://www.hideaki-hirai.com/csroom/instantczech1.htm

チェコ語には
一生触らないようにしよう…(;´д`)ゞ

カレル・チャペック、20世紀のチェコを代表すると言われる作家、私はこの人の戯曲も小説も読んだことがないのに、妙に名前に親しみを覚えると思ったら
子どもの頃、「長い長いお医者さんの話」という彼の作品が好きだったのでした。
これは、魔法使いや王様、妖精、郵便屋さん、おまわりさんなど色々出てくる、優しくて楽しい童話の短編集なのです。

「マクロプロス家の事」l
コメント (2)
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