2009年フランス映画。
こんなマイナーな映画なのに、チネチッタはほぼ満席でした。
都心のミニシアターでもそうだったと聞きます。
ソ連時代の圧政で地位を奪われたロシアの元天才指揮者(今はしがない清掃員)が
昔の楽団仲間を集めてボリショイ交響楽団に成りすまし、パリ公演を行おうとする話。
荒唐無稽な話ですが…、よかったです。
最後の12分間の演奏シーンの為にこの作品はある、と断言できます。
そこまでは、どうしようもないドタバタコメディなのですが
最後のチャイコフスキーのバイオリン協奏曲の演奏シーンは、本当に鳥肌モノです。
そこに収束するまでの下品で雑多な不協和音が、すべて予定調和に見えてしまうのだから
音楽の力って凄いですねえ…
ラデュ・ミヘイレアニュ監督は、80年に共産党政権下のルーマニアから
亡命したユダヤ系なのだそうです。
道理で、マイノリティに対する視線が優しい筈です。
しかしこの元団員達、「貧すりゃ鈍す」を体現するとばかりに
パリに行っても、現金は欲しがる、食べて飲んで騒ぎまくる、
勝手に金儲けはする、リハーサルにも現れないと、まあ我侭勝手し放題。
キャビアと中国製携帯と演奏会プログラムをセットで売りまくるユダヤ人父子には
開いた口が塞がらない。
大体30年ものブランクがあっていきなり演奏ができるかとか
リハーサルもなしでオーケストラの演奏ができるかとか
現実的に考えたらあり得ないお伽話なのですが
それもこれもラストシーンで、すべて許せてしまう。
この映画を観てよかった!と思わせるだけの展開なのです。
音楽の持つ偉大な力、それに込めた人々の熱い想いを
我々に確かに届けてくれる映画です。
「オーケストラ!」
こんなマイナーな映画なのに、チネチッタはほぼ満席でした。
都心のミニシアターでもそうだったと聞きます。
ソ連時代の圧政で地位を奪われたロシアの元天才指揮者(今はしがない清掃員)が
昔の楽団仲間を集めてボリショイ交響楽団に成りすまし、パリ公演を行おうとする話。
荒唐無稽な話ですが…、よかったです。
最後の12分間の演奏シーンの為にこの作品はある、と断言できます。
そこまでは、どうしようもないドタバタコメディなのですが
最後のチャイコフスキーのバイオリン協奏曲の演奏シーンは、本当に鳥肌モノです。
そこに収束するまでの下品で雑多な不協和音が、すべて予定調和に見えてしまうのだから
音楽の力って凄いですねえ…
ラデュ・ミヘイレアニュ監督は、80年に共産党政権下のルーマニアから
亡命したユダヤ系なのだそうです。
道理で、マイノリティに対する視線が優しい筈です。
しかしこの元団員達、「貧すりゃ鈍す」を体現するとばかりに
パリに行っても、現金は欲しがる、食べて飲んで騒ぎまくる、
勝手に金儲けはする、リハーサルにも現れないと、まあ我侭勝手し放題。
キャビアと中国製携帯と演奏会プログラムをセットで売りまくるユダヤ人父子には
開いた口が塞がらない。
大体30年ものブランクがあっていきなり演奏ができるかとか
リハーサルもなしでオーケストラの演奏ができるかとか
現実的に考えたらあり得ないお伽話なのですが
それもこれもラストシーンで、すべて許せてしまう。
この映画を観てよかった!と思わせるだけの展開なのです。
音楽の持つ偉大な力、それに込めた人々の熱い想いを
我々に確かに届けてくれる映画です。
「オーケストラ!」