2009年、イギリス映画。
「アバウト・ア・ボーイ」を書いたニック・ホーンビィが脚本、
「幸せになるためのイタリア語講座」のロネ・シェルフィグが監督。
1961年ロンドン、ジェニーは郊外に住む女子高生。
優秀な彼女は、両親の期待を一身に背負い、オックスフォード大学を目指すが
ある日、倍ほども年上の金持ちのディビッドと知り合い、恋に落ちる。
コンサートやジャズクラブ。
美術品オークションにドッグレース。
一流レストラン、ナイトクラブ、憧れのパリ…
今まで知らなかった楽しく華麗な世界を自分に与えてくれる彼に、
すっかり夢中になっていくジェニー。
そりゃ退屈な勉強漬けの日々よりも、そっちの方が楽しいに決まっている。
それまでオックスフォード大目指して必死に娘のお尻を叩いていた俗物の父親は
金持ちの男が現れたと知るや、あっけなく宗旨替えをして玉の輿を勧める。
こうなるとジェニーは、何のために勉強しなくてはならないのか分からなくなる。
浮かれたジェニーを諌めようとする教師達に対して
「ケンブリッジを出たって、先生になって、つまらない小論文を読むだけでしょ」
「せっかく大学を出ても、先生みたいに死んだような人生を送るなら生きる価値がない」
などと反抗する。
人は何のために勉強するのか?
その命題に対して、ジェニーが満足できる答えを出してくれる大人が
周りに一人もいなかったのは、不幸なことです。
もっともそんなことは、人に教えてもらうのではなく、
自分で答えを見つけ出さなければ、納得できない種類のものなのかもしれない。
私だって今、そんなことを真面目に訊かれたら、何と答えていいか分からない。
上の学校に進むため?
教養を身につけるため?
勉強というトレーニングに耐えることで自分を成長させるため?
大体、高校時代にやらされた微分積分や漢文や物理や
あるいは大学時代にとった哲学概論や比較文化論が
今の自分の生活に役立っているとは到底思えない。
ただ一つだけ言えることは、人生に近道はないということです。
浮かれたジェニーにどんな落とし穴が待っているのだろうと
少し意地悪な目で見ていると、やはり思った通り…
そしてもう一つ言えることは、あそこでジェニーが安易な道を選んでいたら
彼女には本当の友だちはできなかっただろうということ。
偽物のディビッドや、美貌だけで無知なヘレン、あるいはお金に魅かれて
寄って来る人間がいいところでしょう。
あの俗物の父親が、すべてを失くした娘に、
オレのように卑屈な人生を送って欲しくなかったのだと素直に詫びるシーンは
好感を持てました。
そしてジェニーは強かった。
涙を振り切ってもう一度やり直す彼女の姿は、
非常にすがすがしいものがあります。
この映画、原題の「An Education」の方が内容をよく表わしていると思います。
直球で来る作品です。
☆3.5
公式HP
「アバウト・ア・ボーイ」を書いたニック・ホーンビィが脚本、
「幸せになるためのイタリア語講座」のロネ・シェルフィグが監督。
1961年ロンドン、ジェニーは郊外に住む女子高生。
優秀な彼女は、両親の期待を一身に背負い、オックスフォード大学を目指すが
ある日、倍ほども年上の金持ちのディビッドと知り合い、恋に落ちる。
コンサートやジャズクラブ。
美術品オークションにドッグレース。
一流レストラン、ナイトクラブ、憧れのパリ…
今まで知らなかった楽しく華麗な世界を自分に与えてくれる彼に、
すっかり夢中になっていくジェニー。
そりゃ退屈な勉強漬けの日々よりも、そっちの方が楽しいに決まっている。
それまでオックスフォード大目指して必死に娘のお尻を叩いていた俗物の父親は
金持ちの男が現れたと知るや、あっけなく宗旨替えをして玉の輿を勧める。
こうなるとジェニーは、何のために勉強しなくてはならないのか分からなくなる。
浮かれたジェニーを諌めようとする教師達に対して
「ケンブリッジを出たって、先生になって、つまらない小論文を読むだけでしょ」
「せっかく大学を出ても、先生みたいに死んだような人生を送るなら生きる価値がない」
などと反抗する。
人は何のために勉強するのか?
その命題に対して、ジェニーが満足できる答えを出してくれる大人が
周りに一人もいなかったのは、不幸なことです。
もっともそんなことは、人に教えてもらうのではなく、
自分で答えを見つけ出さなければ、納得できない種類のものなのかもしれない。
私だって今、そんなことを真面目に訊かれたら、何と答えていいか分からない。
上の学校に進むため?
教養を身につけるため?
勉強というトレーニングに耐えることで自分を成長させるため?
大体、高校時代にやらされた微分積分や漢文や物理や
あるいは大学時代にとった哲学概論や比較文化論が
今の自分の生活に役立っているとは到底思えない。
ただ一つだけ言えることは、人生に近道はないということです。
浮かれたジェニーにどんな落とし穴が待っているのだろうと
少し意地悪な目で見ていると、やはり思った通り…
そしてもう一つ言えることは、あそこでジェニーが安易な道を選んでいたら
彼女には本当の友だちはできなかっただろうということ。
偽物のディビッドや、美貌だけで無知なヘレン、あるいはお金に魅かれて
寄って来る人間がいいところでしょう。
あの俗物の父親が、すべてを失くした娘に、
オレのように卑屈な人生を送って欲しくなかったのだと素直に詫びるシーンは
好感を持てました。
そしてジェニーは強かった。
涙を振り切ってもう一度やり直す彼女の姿は、
非常にすがすがしいものがあります。
この映画、原題の「An Education」の方が内容をよく表わしていると思います。
直球で来る作品です。
☆3.5
公式HP