バルセロナから南下し、ラ・マンチャ地方へ。
私が持っているガイド本には「最低3日はかけて回りたいドン・キホーテの道」とありますが
一体ここで3日も何するのか!?と思うくらい
荒涼とした赤い大地と青い空が何処までも拡がり、
白い風車があちこちに散在するというだけの風景です。
牧歌的といえばこの上なくそうなのですが…
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/35/63/3e984b8f84207c0674b221b25f397d50.jpg)
大体、バルセロナを出て30分もバスで走ると
窓の外はもうひたすら赤い大地、或いはオリーブ畑、或いはオレンジ畑。
スペインって広大なる田舎だなあとしみじみ。
バレンシアの世界遺産、ローマ遺跡群やラ・ロンハ(絹の交易所)などにも
寄りましたが、それほど印象的ではなかったのでさっくりパス。
あちこちの世界遺産に寄りながらひたすら南下、
旅行4日目の夜、グラナダ着。
ここにはイスラムのスペイン支配最後の牙城、アルハンブラ宮殿があります。
ここは本当に素晴らしかった。
「アルハンブラ」というのは、アラビア語で「赤い城」という意味だそうで
グラナダを見下ろす丘の上に築かれた、城塞・宮殿・離宮から成っています。
1238年にナスル朝ララマール王が宮殿の建設に着手、
以後21人の王達の手によって増改築が重ねられたのだそうです。
イスラム建築の粋を尽くしたという宮殿の素晴らしさもさることながら、
私が特に惹かれたのは、離宮のあるヘネラリーフェ庭園。
ヘネラリーフェとはアラビア語で「天の楽園」という意味で、
王の避暑のための離宮として使われていたのだそうです。
シエラネバダ山脈から引かれたという水で作られたという池や噴水が
庭園のいたる所にあり、バラ・ジャスミン・サルビア・スイレンなどの花が。
私が行った時はとっくに花の盛りは過ぎていましたが
それでもそこここで夢のように咲き乱れていました。
そして何より、ふんだんに使われている冷たい水のおかげで涼しいのです。
スペインでは連日38℃くらいの猛暑が続き、毎日暑くて死にそうだったのに。
降水量の少ないアンダルシア地方で、しかも丘の上で、
こんなに贅沢に水で潤すことができるなんて…
イスラムの土木技術水準の高さに敬服しないではいられません。
砂漠の民の、水への憧憬が結実したのでしょうね。