Zooey's Diary

何処に行っても何をしても人生は楽しんだもの勝ち。Zooeyの部屋にようこそ!

禁断と背徳の匂い

2011年06月08日 | 
婦人画報7月号の連載記事「安井かずみがいた時代」で
安井かずみと金子國義氏との親交について述べられています。
二人が出会ったのは60年代の終わり頃、
”その瞬間に美意識の火花を散らした二人は、ソウルメイトと出会ったことを確信した”
のだそうです。
すぐに”週一度はお互いの家を訪ねたり、六本木の「キャンティ」で食事をする仲”となり、
挙句は安井の夫、加藤和彦を交えて昵懇の仲となったのだと。

知りませんでした。
安井かずみの小説「エイプリル組曲」には金子氏をモデルにした人物が登場するというし、
その本の表紙を描いたのも、「ニューヨーク・レストラン狂時代」など
レストラン三部作の表紙を描いたのも彼なのだから
考えてみれば驚くことではないのかもしれませんが。



”ZUZU(安井のこと)とはグレードの高い話しかしなかった。
高級で耽美的な話。(中略)知的な会話を好んで、ツーと言えばカーと通じる相手が
好きでした。彼女がこうと言うと、僕はどうだと言い返す。
二人で喋ると、競い合って内容がエッフェル塔のように高くなっていく。”
と金子氏の談(婦人画報より)。
これだけを聞いたら、なんという鼻持ちならない…と思わないでもないのですが
安井かずみと金子氏ならそれもありかなとも。



金子國義氏の「O嬢の物語」の挿絵。
それはまだ十代の頃の私にとってあまりにも背徳の匂いがする、禁断の絵でした。
見てはいけないものを見てしまった衝撃、
世の中には自分の知らない世界があることを知ってしまった後悔、
それでももっと知りたいと思ってしまう好奇心、
そんなものが、羞恥と後ろめたさの感情とあいまってある種の腐敗臭となって
私を包み込んだのでした。
今でも金子氏の絵を見ると、そうした青臭い感情が思い起こされて
なんとも居心地の悪い気分になります。
ただあの頃の胸が痛いほどのドキドキは、今となってはもう蘇らないのですが…

コメント (2)
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