
(帝国ホテルで)
2年前の話が何故今頃出てきたのか、ちょっと不思議ですが
いいお話なので御紹介したいと思います。
3月11日の大震災のあの日、日比谷の帝国ホテルは2000人の帰宅難民に暖かい場所と
毛布や水、保存食などを無料で提供したのだそうです。
このホテルでは以前から、大規模災害への対策マニュアルづくりに取り組んでおり、
だからあの日も、午後2時46分の地震発生からわずか4分後には現場指揮所を、
14分後の3時には社長を本部長とした災害対策本部を設置。
ホテルの宿泊客の無事を確かめ、路上に彷徨う帰宅難民を受け入れたのですと。
”ロビーはおろか、地下のショッピングアーケードから2階の宴会場まで、
人で埋め尽くされた。絨毯敷きの床で毛布にくるまってごろ寝する人たちの数は、
ピーク時には2000人を数えた。”
そしてその後、ロビーで一夜を明かした人々から、お礼の電話や手紙が
ひっきりなしに届き出したのだそうです。
“寒かったから室内にいられるだけでもありがたかったのに、お水や食料まで
差し入れしてもらった”
“近隣の外資系ホテルではドアを開けてもくれなかったのに、毛布を貸してくれた
ばかりか、毛布の数が足りなくなったら大判のバスタオルを出してきてくれた”
“携帯電話の電池が切れて途方に暮れていたとき、フロントで充電してくれたおかげで
家族と連絡が取れた”
近隣の外資系ホテルというと、ペニンシュラか。
私はあそこの「ザ・ロビー」が、真ん中に広い通路があって落ち着かなくて
(香港のペニンシュラでもそうだったので、そういう仕様なのでしょうけど)
サービスも、私が行った時は今一つで少々不満を持っていたのです。
華やかな高級外資系ホテルが次々にできて、古参の帝国ホテルはちょっと影が
薄くなってきたようにも思っていたのですが
こんな話を聞くと、本当に嬉しくなります。
友人情報によると、この5月に幕を閉じたホテル西洋銀座でも
同じことが行われたのだそうです。
ホテルの品格が分かるというものではありませんか。
なぜ帰宅難民2000人を無料収容したのか-帝国ホテル
http://www.excite.co.jp/News/economy_clm/20130819/President_10280.html?_p=1