
今回の上海行きを夫が決めたとき、思い浮かんだのは
上海在住のM女史のことでした。
もう何年も前から某SNSで親しくして頂いているのですが
5ヶ国語を自在に操り、ドイツとイタリアと日本の国家資格を持ち、
イタリア生活についての本も書いていらっしゃるというスーパー・レディです。
以前はイタリア人の御夫君とミラノにお住まいでしたが
2年ほど前から上海で仕事をなさっているのです。
お忙しくて無理かなと思いつつ連絡してみたところ、
快く2日間も付き合ってくださったのでした。
このM女史、170㎝超の長身で足も長い。
素敵な衣装に身を包み、その足で颯爽と歩かれるのですが、その速いこと。
自慢じゃないが、私はかなり健脚の方なのです。
普段から地下鉄2~3駅歩くのは当たり前だし、旅に出れば一日3万歩くらい歩く。
その私が顎を出すくらい…いや、凄かった。
しかも建築が趣味という彼女、上海の古い洋館の建築様式について
楽し気に解説してくれながら街を縦横無尽に歩き廻り、
夫と私、ついて行くのが精一杯。
よい勉強になりましたが
後から考えると何処をどう歩いたのやら…


しかし、おかげで旅行者の立場では気がつかないような裏町のアパートメントや、
虫(コオロギやバッタやキリギリス、或いは5mmほどの極小の虫、あれ何に使うのだろう?)や
鳥や亀や金魚や小動物(すべて愛玩用だと思いたい)を売っている市場や
かつて栄華を極めたというユダヤ人の豪壮なお屋敷など
面白いものを盛り沢山に見ることができたのでした。


中でも面白かったのは、丸ごとバッタ屋というビル。
バンコクやソウルなど色々な都市で、エセブランド物を売る屋台や市場を見てきましたが
そこは屋台でも青空市でもなく、大きく立派なビルなのです。
その中に何百という小さな店があり、エセブランド品を売っている。
店の中に入っていくと何が欲しい?と聞かれ、グッチのバッグなどと適当に答えると
奥の棚を押して隠し倉庫を見せてくれるのです。
そこにはありとあらゆるエセブランド品が。
手にとって見た限りでは、本物とどこが違うのか分からない。
値段は十分の一以下。
しかしビル丸ごとバッタ屋って…
これって摘発のしようがないじゃないの?
不法もここまで堂々とすると、不法じゃないように思えてくる。
恐るべし中国人!
