
マーシャとエマ
欧米に行く度に不思議に思っていたことがあります。
あちらの犬は、何故あんなにお利口にしていられるのか?
カフェやレストランで、飼い主の足元で静かに座っている犬。
電車やバスの中でも、そのまま連れられてお利口に座っている。
街角や公園でも、飼い主と歩調を合わせて歩き、時にはリードなしのことも。
タロウを飼ってみてわかったことですが
犬には生まれつきそんな態度が備わってるなんてことは決してありません。

今回「ドイツの犬はなぜ幸せか―犬の権利、人の義務」(グレーフェ・アヤ子著)
「ドイツの犬はなぜ吠えない?」(福田直子著) などの本を読み、
あるいは現地の人に色々聞いて、その謎が氷解しました。

先の本によると、”「犬と子供はドイツ人に育てさせろ」というくらい、
犬の飼い方に関して飼い主に厳しい義務が課せられている”のだそうです。
飼い主からは”犬税”を徴収している。
「一日に一定の時間以上、犬の相手をしなければならない、散歩に連れて
行かなければならない」といった、飼い犬についての保護法がある。
(特定の犬種については)犬を飼うための「資格試験」がある。
(義務ではないが)子犬の時に「犬の学校」に行かせる人が多い、等々。

なるほどねえ。
犬と人間が共存できる社会には、そうした厳しい掟があったのですね。
ドイツでは、街中、山道、公園の中、お店の中など様々なシーンで
本当に良く犬を見かけました。
ジャーマン・シェパード、レオンべルガー、バーニーズ・マウンテンなどの
大型犬の他、ジャック・ラッセル、テリー、シュナイザーなどの小型犬も。
「見事な(可愛い)犬ですね!」などと声をかけると(ドイツ語はできないので英語で)
大抵の飼い主が相好を崩して、写真を撮らせてくれました。

極め付きはこれ。
イギリスでも「犬のウンチ箱」を見かけて羨ましく思ったものですが
ドイツのそれは、小袋までついているのです。
いいなあ…