Zooey's Diary

何処に行っても何をしても人生は楽しんだもの勝ち。Zooeyの部屋にようこそ!

優しい目

2015年04月12日 | 社会
「赤ん坊連れの母親を気遣う文章に感動!」として、
作家の前田司郎氏の文がFBに紹介されていました。

前田氏が飛行機に乗ったら、隣が赤ん坊を連れた女性だった。
”赤ん坊は無慈悲な乱暴者で、髪を引っ張ったり、前の人の頭を触ろうとしたり、
おんぶ紐を外そうとしたり、おっぱいを欲しがったり、やがて泣きだした。”
”お母さんてものは、こんなにも大変なのか。
その片鱗をみた思いである。
たかだか数時間のフライトだったけど、この暴君と二十四時間付き合う母親は
大変な忍耐だ。壮大な愛である。
もし家族や行政のサポートも受けられず、一人で赤ん坊を育てないといけない環境でいたら、
おかしくなってしまうのも仕方ないかもしれない。
そういったお母さんを責める前に、もしくは子供を産めや育てやと言う前に、
まずは全てのお母さんにもっと感謝すべきですね、昔赤ん坊だったことのある人は。”

なんて優しい人だろう。
思わず、遥か昔の、赤ん坊の長男を連れて帰省した時のことがフラッシュバックしました。
どうにもぐずって泣く長男を、私は持て余していました。
あやしてもオモチャでごまかそうにも、何をしてもダメ。
幸い新幹線はそれほど混んでなくて、私は二人掛けの席の窓側の方に荷物を置き、
すぐに立てるように通路側の席に、長男を抱いて座っていたのですが…
新幹線に乗る以前から長男はずっとぐずり続け、いい加減疲れていました。

通路を挟んだ三人掛けのこちら側に座っていた、サラリーマンと思しき中年の男性が
私に、言ったのです。
「なんとかなりませんか」

私はすみませんと言って、席を立ちました。
トイレ付近の通路でウロウロしながら長男をあやし続け、思わず涙がこぼれました。
怒鳴られたわけでも、酷いことを言われたわけでもない。
静かな車内で自分の息子が迷惑をかけてるのだから、そう言われても仕方がない。
だけど、なんと冷たい物言いだったろう。
あの席には、二度と戻りたくない。
指定席には荷物だけが乗って、到着駅に着きました。
もう殆ど忘れかけてた思い出です。

先日も、都内の保育園がこの四月に開園予定だったのに
騒音を嫌がる付近の住民の反対で延期になったという記事を読んだばかり。
子どもや赤ん坊の騒音を嫌がる社会に、未来はあるのだろうか?
世の中の人がみんな、前田氏のような優しい目を持ってくれればいいのに。

「赤ん坊連れの母親を気遣う文章に感動!」 http://grapee.jp/36665


コメント (10)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする